アナリストの忙中閑話【第79回】

アナリストの忙中閑話

(2017年12月21日)

【第79回】2018年の干支は「戊戌(つちのえ・いぬ」、2018年の重要イベントと年末・年始の注目映画

金融経済調査部 金融財政アナリスト 末澤 豪謙

2018年(平成30年)の干支は「戊戌(つちのえ・いぬ、ボ・ジュツ)」

2018年(平成30年)の干支は「戊戌(つちのえ・いぬ、ボ・ジュツ)」。

「戊戌」は、「干支」の組み合わせの第35番目で、陰陽五行では、十干の「戊」は「土」の「兄(陽)」、十二支の「戌」は、「土」の「陽」で、「比和(ひわ)」、同じ気が重なると、気は盛んになる関係にある。

「戊」は十干の5番目の干で、「戊」は大きな刃がついた「戈(か)」の象形。また、「茂」を語源とし、前年の「丁」に続き、草木が繁茂して、盛大となった状態を表す。時刻では午前4時頃を指す。

「戌」は十二支の第11番目で季節は旧暦の9月、動物では「犬」に配されている。方角は西北西よりやや北、時刻は午後8時。「戌」は「茂る」と同義語。枝葉末節が茂って、日当たりが悪くなり、風が通らなくなることで過剰を意味する。また、「滅ぶ」の意で草木の枯死する有様を表す。「戌削(じゅっさく)」によって、不要な枝葉を切り払う必要がある年とされる。

「戊戌」の年、経済や政治権力等が勢力拡大の極限に達する可能性を示唆?また過剰がキーワードに

「戊」と「戌」を合わせて干支的に解説すると、2016年の「丙申(ひのえ・さる)」に勢力を拡大した経済や政治権力等が、2017年の「丁酉(ひのと・とり)」には、一段と勢いを増すが、2018年の「戊戌(つちのえ・いぬ)」には、その極致に達し、その後は収縮に向かう可能性を表している。特に、「比和」の関係は、何事も「過剰」、バブル的な現象とその崩壊の可能性も示唆していると言えそうだ。

前回の「戊戌」は1958年

前回60年前の「戊戌」である1958年(昭和33年)には、いわゆる「55年体制」出現後初となる第28回衆院総選挙が実施され、選挙後、第2次岸信介内閣が発足した。総選挙では、自由民主党総裁の岸氏が日本国憲法に代わる自主憲法制定を掲げて挑んだが、改憲発議に必要な3分の2には僅かに足りなかった。一方、護憲を掲げた日本社会党は単独で3分1を確保、現在までの総選挙結果で最も2大政党の議席占有率が高い総選挙となった。なお、投票率は76.99%と衆院総選挙として、過去最高となり、その記録は現在でも破られていない。岸首相は9月には日米安全保障条約の改定交渉に着手した。

なお、12月には1万円札が初めて発行された。当時は、聖徳太子の肖像が描かれたC号券、現在はE号券。また、12月には東京タワー、建設当初の正式名称は「日本電波塔」が竣工している。東京のシンボルが完成し、現在の東京の風景の原型が築かれた年とも言えそうだ。

海外では、中東やアフリカで相次いで共和国が誕生、多極化の芽とともに、米国がソ連に1年遅れて、ICBM発射実験と人工衛星(エクスプローラ1号)の打ち上げに成功する等、米ソの核開発と宇宙開発競争が本格化した年でもあった。

なお、戦後の首相経験者で戌年生まれは、1910年3月12日生まれの大平正芳氏、1922年8月27日生まれの宇野宗佑氏と1946年10月10日生まれの菅直人氏の3氏。ちなみに、酉年生まれは1957年(昭和32年)5月20日生まれの野田佳彦氏のみ。なお、午年は4人、未年は4人、申年は2人。

安倍首相の祖父の岸信介氏は、2016年同様「丙申」の1896年(明治29年)生まれだが、2017年同様「丁酉」の1957年に、第1次岸内閣が発足している。同年には憲法調査会第1回総会も開催されている。2018年同様「戊戌」の1958年に、第2次岸内閣が発足している。前述の通り、自主憲法制定を掲げて戦った同年の第28回衆院総選挙では自民党は憲法改正に必要な3分の2に僅かに足りない結果となった。そういう意味でも2016年、2017年、そして2018年は、岸氏のライフワークであった憲法改正問題が、安倍首相にとっても内心では最大の政策課題となっているのかもしれない。

2018年は、引き続き、内外で政治と金融市場のリンケージが強まる可能性

2018年は、2016年及び2017年同様、内外で政治と金融市場のリンケージが高まる可能性が高そうだ。特に、米国では11月6日の中間選挙を控えたトランプ政権の政策動向、我が国では日本国憲法の改正問題に注目が集まろう。

ちなみに、過去2年間でG7の首脳は5人が交替しているが、英国のキャメロン首相とイタリアのレンツィ首相の退陣は何れも国民投票での敗北が原因だ。特に後者の場合、改憲の是非が投票で争われた。

憲法改正の発議と国民投票のタイミングは、自民党総裁選や2019年の参院選への影響も大きいと考えられる。結果、安倍政権の持続可能性にも直接繋がる問題だけに重要だろう。

2018年3月及び4月に任期を迎える日銀総裁・副総裁人事は、総選挙での与党圧勝もあり、黒田総裁の続投、現行路線の維持との観測が強まっているが、異次元緩和はアベノミクスの「第1の矢」でもあり、総裁人事に関わらず、日銀の金融政策は安倍政権と命運を共にする可能性が高い。金融市場への影響も、アベノミクスの継続動向如何と言えそうだ。

米国では11月6日に中間選挙

一方、海外では2016年及び2017年同様、世界経済や金融市場ひいては安全保障にも影響を与えかねない政治イベントが続く。

米国では11月6日(火)に中間選挙が実施される。レーガン減税以来の大型減税を盛り込んだ税制改革法案(Tax Cuts and Jobs Act)は12月20日までに上下両院で可決され、まもなくトランプ大統領の署名を経て成立する。但し、企業や富裕層優遇との見方から世論調査では、必ずしも米国民の税制改革への期待は大きくない。トランプ大統領の支持率は今月に入り、40%弱で過去最低、不支持は60%弱で過去最高に上昇している。政党支持率でも、共和党は民主党に足元11%以上リードされ、その差は拡大している。

米中間選挙では過去、政権与党に逆風が吹いたケースが多いが、中間選挙前に、米株価や米景気がピークアウトすることとなると、上下両院で多数派を民主党に奪われかねない。

中間選挙に向けては、大統領選で公約した移民問題や貿易問題等に対し、強硬姿勢を強める可能性も想定される。また、北朝鮮問題に関しても、米東海岸を射程に入れる核弾頭搭載のICBM(大陸間弾道ミサイル)の実戦配備前に一段の強硬策を採る可能性があり注意が必要だろう。

一方、2月に任期を迎えるイエレンFRB 議長の後任はパウエル理事となったが、同氏の姿勢はイエレン氏に近く、金融政策に大きな変化はなさそうだ。なお、FRB議長含め、大統領指名人事の承認は、2013年以前は60人の賛成が必要だったが、現在は過半数(政権与党の場合実質的には50人)で可能であり、上院の承認に問題はない。但し、法律案や予算案(財政調整制度除く)の採決には実質的に60人の賛成が必要なため、中間選挙を控え、与野党が対立する新法の成立は困難となろう。アラバマ上院補欠選挙の結果を踏まえ、年明け後は、上院の勢力は共和党51、民主党49と一段と拮抗する。

欧州でも2018年、重要な政治イベント

一方、欧州でも2018年、重要な政治イベントを控えている。

ドイツでは、メルケル首相が率いるキリスト教民主社会同盟(CDU/CSU)と緑の党、自由民主党とのジャマイカ連立交渉が決裂、現在、メルケル首相は社会民主党(SPD)と、再度、大連立交渉を行っているが、シュルツ党首やSPD党員には大連立への抵抗感も強い。党員投票の結果、大連立が拒否されれば、2018年年明けに再選挙が実施される可能性がある。現在の世論調査では、2大政党の支持率は回復しておらず、仮に大連立が継続することとなっても、ドイツ政治は不安定化しそうだ。

イタリアでは、2月に上下両院の議員の任期が満了となり、5月までに総選挙が実施される。現在、世論調査における支持率では、野党の五つ星運動が1位、第2位が与党の民主党、第3位が野党のフオルツァ・イタリア、第4位が野党北部同盟。民主党以外は、濃淡あれ、反EU、反ユーロ、反移民姿勢が強い。場合によっては、イタリアで反EU連立政権が誕生する可能性もあり、注意が必要だろう。

英国では、2017年6月の下院選挙で、メイ首相率いる保守党が過半数割れとなり、指導力が低下、EU離脱交渉にも影響を及ぼしている。

フランスでも、マクロン氏は本年4・5月の大統領選と6月の国民議会選には圧勝したものの、9月の上院選では惨敗、支持率も低下している。

独仏伊等で、欧州統合派の勢力が衰えることとなると、EUやユーロ圏の求心力が低下するおそれもある。2018年は欧州にとっても正念場と言えそうだ。

アジアでは引き続き中国が要注目だろう。中国では2017年10月に第19期中国共産党代表大会、第19期中央委員会第1回総会(1中全会)が開催された。二つの会議では、習近平党総書記(国家主席)への権力集中が一段と進んだことが確認された。習氏は5年後もトップ、場合によっては毛沢東氏のように終身トップであり続けることを志向しているように思われる。

中国では、現在、構造改革とともに反腐敗運動(中央八項規定精神闘争等)が進行しているが、2018年は、政治・経済両面で中国にとって、重要な年となる可能性が高そうだ。展開によっては、米国との対立が先鋭化、我が国の安全保障にも大きな影響をもたらす可能性があろう。

株式相場に関する格言では、「辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ、戌笑い、亥固まる、子は繁栄、丑つまずき、寅千里を走り、卯跳ねる」とされている。下記図表のように、2016年までで見ると、相場格言と日経平均株価225種の年間騰落率は相当程度フィットしている。

  • 出所:QUICK資料等よりSMBC日興証券作成

最近でも2012年と2013年は、「辰巳天井」の相場格言通り、日経平均株価は年末高で終えている。

2014年は、「午尻下がり」の格言通り、地政学的リスクの台頭や欧州・新興国の景気低迷等を受けて、夏までは、本邦株価は調整局面が続いたが、10月末の日銀の追加緩和、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用見直し等を受けて急伸。安倍首相は、消費増税の先送りとともに衆院の解散総選挙を決めた。

2015年は、株価は前半堅調を維持したが、夏には中国発の世界同時株安で急落、米国の利上げ開始を遅らせることとなった。その後、株価は反発基調となり、米国では12月に利上げが開始された。

2016年は、年明け後は原油安と中国株安で日本株も急落、その後持ち直すも、6月末には英国の国民投票でEU離脱が多数となったことで急落。11月には米大統領選の結果を受けて、急落と急反発を繰り返し、変動率の高い展開となった。日銀の年間6兆円に上るETF買いや公的年金の運用見直しの影響もあり、下値は相対的に堅いものの、方向感を掴みにくい展開となった。

2017年は、欧州の選挙等を控え下押す局面もあったものの、世界的な景気回復、好調な企業決算、米国主導の株高等を受け、本邦株価も10月の総選挙投票日前から急伸、日経平均株価は11月7日には1992年1月以来の高値となる2万2,937円で引けた。

2018年は当面、世界的な株高・景気回復が続く可能性があるが、「政治リスク」に引き続き注意が必要

2018年は当面、世界的な株高・景気回復が続く可能性があるが、米国の金融政策が引き締めに向かう中、政治イベント次第では、年末に向けてはピークアウト感が拡がる可能性があろう。「笑う」のが最終的に誰となるかは不明だ。我が国でも、憲法改正が具体化する可能性がある。結果次第では、G7諸国では相対的に目立つ「政治の安定」が失われる可能性もあり、内外の「政治リスク」には引き続き注意が必要だろう。

「地政学的リスク」や「気候変動リスク」も無視できない

また、中東やアフリカ及び極東アジアの「地政学的リスク」は高止まりが予想されることに加え、「気候変動リスク」も無視できないと言えそうだ。2014年夏に発生し、過去3番目の規模に勢力を拡大した「エルニーニョ現象」は2016年春に終息したが、2017年秋以降は代わって「ラニーニャ」現象が発生している(速報ベース)。ラニーニャ現象は「猛暑・厳冬」をもたらすとされるが、地球温暖化と相俟って、気候変動も大きくなる可能性があり注意が必要だ。

2015年は「少子高齢化本格化元年」

我が国では、指摘されて久しい「少子高齢化」が足元で本格化しつつある。筆者は2015年を「少子高齢化本格化元年」と名付けている。

背景には、1947年から1949年生まれの「団塊世代」が2014年末で全員65歳以上の「前期高齢者」となったのに加え、1971年から1974年生まれの「団塊ジュニア世代」が全員40歳代に達したことがある。2025年には、前者は全員75歳以上の「後期高齢者」、後者は全員50歳代となる。医療・介護問題に加え、雇用問題(若年層の減少と役職定年層ないし生活保護層の増大)が深刻化するおそれもある。

2018年を我が国の新陳代謝を高めるための「構造改革政策発動元年」に

日本経済の長期的な成長のためには、少子高齢化対策や将来的にも国際競争力が維持・強化可能な分野への重点的・戦略的な投資、規制改革や税制改革、行財政改革、財政健全化等、長期的な視点に立った政策の策定と実行が重要だろう。筆者はそれらを「アンチ・エイジング政策」と総称している。2018年を我が国の新陳代謝を高めるための「構造改革政策発動元年」としたいものである。

『スター・ウォーズ』新作が前週末観客動員トップに、前作の雪辱を果たす

前週末(12月16日-17日)の国内観客動員ランキング(興行通信社調べ、以下同じ)は『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が『映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』を抑え堂々1位となった(何れも初登場)。実は前作が公開された2年前は、興収ランキングでは『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は1位となったものの、観客動員ランキングでは『映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』の後塵を拝した。今回、見事、雪辱を果たした形だ。本作では、マーク・ハミルさん演ずるジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカーと本作が遺作となったキャリー・フィッシャーさん演ずるレイア・オーガナが活躍するシーンが多く、往年のファンにはたまらない作品に仕上がっている。

米国公開も12月15日(日米とも一部スクリーンで14日に先行上映)されたが、週末興収は1位で初登場した。前作は全米興行収入ランキング歴代1位、全世界興収ランキングでも『アバター』『タイタニック』に次いで歴代3位となっている(Box Office Mojo調べ)。『スター・ウォーズ』シリーズは前作から中国での興行が本格化している。4DXの普及もあり、本作が全世界興収ランキングでトップに迫ることが出来るか注目したい。

ディズニーが21世紀フォックスの映画部門等を買収

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の配給はディズニーだが、12月14日、ディズニーは同業の21世紀フォックスの映画事業などを負債を含めて661億ドル(株式524億ドルと負債137億ドル)で買収することで合意したと発表した。子会社の20世紀フォックスは『アバター』やアニメ『シンプソンズ』などのコンテンツを持つが、ディズニーが買収するのは、フォックスの映画・テレビ制作部門に加えネット動画配信大手Huluなど。フォックスはニュースを中心とした放送事業などに経営資源を集中させる。

今年は、マーベルの『アベンジャーズ』に対抗して、ワーナーがDCの『ジャスティス・リーグ』を映画公開。同作品にはバットマンやワンダーウーマン、スーパーマンら多数のDCのスーパーヒーローらが登場した。一方、20世紀フォックスのコンテンツにはX-MENも含まれている。今回の買収で、原作どおり、アベンジャーズにX-MENが登場することもありそうだ。マーベルとDC、ディズニーとワーナーの全面戦争が本格化することとなった。

前週末観客動員3位は奇跡の実話

8年越しの花嫁 奇跡の実話
公開日:2017年12月16日
ⓒ2017映画「8年越しの花嫁」製作委員会

前週末の観客動員ランキングで3位となったのは、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(初登場)。主演は佐藤健さんと土屋太鳳さん。『64-ロクヨン-』の瀬々敬久監督がメガホンをとった。自動車修理工の西澤尚志は中原麻衣と出会い恋に落ち、2人は婚約するが、結婚式を目前にしたある日、麻衣は難病に襲われ意識不明となる。数年後、麻衣は奇跡的に意識を取り戻すが記憶障害が残る。特に、土屋太鳳さんの演技には鬼気迫るものがあった。というのも、その病気は、「抗NMDA受容体脳炎」で免疫の誤作動による脳の機能低下が原因と判明し、病名がついたのは10年前、かつては悪魔がとりついたとして「悪魔祓い」がされていた病気だからだ。1973年公開の映画『エクソシスト』のモデルの少女もこの病気に罹患していたと推定されている。

本作には、北村一輝さんや杉本哲太さん、薬師丸ひろ子さんらが共演。筆者出身(香川県)のお隣の岡山県や瀬戸内海の風景が多く描かれていたこともあり、一段と感動した。

4位は前月号で特集した『DESTINY 鎌倉ものがたり』(2週目)、5位は『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』(2週目)。ちなみに佐藤健さんも、かつて「仮面ライダー電王」役を演じていた。6位の『オリエント急行殺人事件』(2週目)、7位の『鋼の錬金術師』(3週目)、9位の『探偵はBARにいる3』(3週目)も前月号で特集。8位には、主人公の「パンツァー、フォー(戦車前進)」の号令が有名な一部に熱烈なファンを擁するアニメ『ガールズ&パンツァー 最終章 第1話』(2週目)が入った。

7週連続ランクインで10位を維持したのが『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(R15+指定)。不気味なピエロ「ペニーワイズ」と少年たちの対決を描いたスティーヴン・キングのベストセラー小説を『MAMA』のアンディ・ムスキエティ監督で映画化。実は、同作品は世界興収6億6,760万ドル(12月19日現在、Box Office Mojo調べ)と、R指定ホラー映画史上No.1の『エクソシスト』(1973年公開)の4億4130万ドル及び、『シックス・センス』(1999年公開)の持つR指定ではないホラー映画の記録6億7,280万ドルを超え、ホラー映画で歴代最高興収記録を更新中。

キングスマンとステイツマン、小説よりも奇な現実は来年も続くか

以下では、年始公開の注目映画を特集。

キングスマン:ゴールデン・サークル
公開日:2018年1月5日
© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

洋画では、1月5日には、『キングスマン:ゴールデン・サークル』が公開される。表の顔は、ロンドンの高級テーラー。その実態はスマートにスーツを着こなし、人知れず世界を守る最強のスパイ機関「キングスマン」。前作2015年公開の『キングスマン』は、同じ英国のスパイでも、『007ジェームズ・ボンド』シリーズとは趣が異なったぶっ飛んだスパイ映画だったが、本作では、米国の同盟スパイ機関「ステイツマン」と合流、ぶっ飛び度が一段と増すことに。コリン・ファース、ジュリアン・ムーア、タロン・エガートン、マーク・ストロング、ハル・ベリーさんらに加え、音楽家のエルトン・ジョンさんら豪華出演陣にも注目したい。『X-MEN』シリーズの監督や原案を手掛けたマシュー・ヴォーン監督が前作同様、脚本・製作を担当。PG12指定だけに、やや大人仕様。

「キングスマン」に「ステイツマン」、その名前の響きとは裏腹な奔放なスパイ映画だが、現実世界も「エルサレム問題」含め、過去の常識が通じない状況だけに、年始は笑って鑑賞したい。

スティーヴン・キング原作の新作も公開

『ダークタワー』
公開日:2018年1月27日(土) 公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

1月27日公開の『ダークタワー』は、前述の『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』同様、スティーヴン・キング原作。主演はイドリス・エルバさんとマシュー・マコノヒーさん。アフリカ系英国人のイドリス・エルバさんは『マイティー・ソー』シリーズのヘイムダルと言った方がわかる人が多いかも。ちなみに、11月公開の『マイティ・ソー バトルロイヤル』にも、浅野忠信さんらと共演している。

新参者完結編も公開

祈りの幕が下りる時
公開日:2018年1月27日
(C)2018 映画「祈りの幕が下りる時」製作委員会

邦画では、1月27日公開の『祈りの幕が下りる時』は東野圭吾原作の「新参者」加賀恭一郎シリーズ完結編を映画化。メガホンは「半沢直樹」や「下町ロケット」、「小さな巨人」、現在放映中の「陸王」等を手掛けているTBS所属の福澤克雄監督がとった。主人公の加賀恭一郎は前作の『麒麟の翼〜劇場版・新参者〜』同様、阿部寛さんが演じた。松嶋菜々子さんや溝端淳平さん、田中麗奈さん、山崎努さんらが共演。前作を鑑賞して、実際にお江戸日本橋の「麒麟像」を見に行った記憶があるが、本作にも期待したい。

年末のご挨拶

最後に、1年間、「アナリストの忙中閑話」におつきあい頂き誠にありがとうございました。2018年も、「映画と世界情勢」に関する話題を中心に、面白い話、役に立つネタ等をご提供したいと存じておりますので、よろしくお願い申し上げます。

それでは良いお年をお迎えください。

末澤 豪謙 プロフィール

末澤 豪謙

1984年大阪大学法学部卒、三井銀行入行、1986年より債券ディーラー、債券セールス等経験後、1998年さくら証券シニアストラテジスト。同投資戦略室長、大和証券SMBC金融市場調査部長、SMBC日興証券金融市場調査部長等を経て、2012年よりチーフ債券ストラテジスト。2013年より金融財政アナリスト。2010年には行政刷新会議事業仕分け第3弾「特別会計」民間評価者(事業仕分け人)を務めた。財政制度等審議会委員、国の債務管理の在り方懇談会委員、地方債調査研究委員会委員。趣味は、映画鑑賞、水泳、スキューバダイビング、アニソンカラオケ等。

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