アナリストの忙中閑話【第69回】

アナリストの忙中閑話

(2017年2月23日)

【第69回】2017年は欧州選挙の年、2017年の注目映画を特集、洋画はSFとアメコミ実写版、邦画はアニメに加え、時代劇とマンガ実写版に話題作

金融経済調査部 金融財政アナリスト 末澤 豪謙

昨年夏以来、テレビのワイドショー等は米大統領選等の話題で持ち切り、今後は欧州の選挙もテーマ化へ

昨年夏以来、テレビのワイドショー等では、米国のドナルド・トランプ氏と小池東京都知事の話題で持ち切りだ。

今年、欧州では、3月15日にオランダで、9月24日にはドイツで総選挙が実施される。イタリアでも夏から秋に総選挙が行われる可能性がある。フランスでは大統領選が4月23日(第1回投票)と5月7日(決選投票)に、国民議会選挙が6月に実施される。何れも、情勢は混沌としており、金融市場においても注目度が高い。

既に、G7のうち、2015年末以降、カナダ、英国、イタリア、米国で首脳が交代したが、フランスではオランド大統領が不出馬となり、新大統領が選出される。問題は、支持率第1位の極右国民戦線(FN)のマリーヌ・ル・ペン党首の動向。現時点では、中道のマクロン氏(最有力)か右派のフィヨン氏が決選投票で逆転勝利するものと予想しているが、左派と急進左派の間の候補者一本化交渉等も行われており、予断を許さない状況だ。

ドイツも足元では、メルケル首相が支持率で社会民主党のシュルツ候補(前欧州議会議長)にリードされており、政党支持率でも、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と社会民主党(SPD)が拮抗。メルケル首相の4選に黄信号が点灯している。今やG7で政治が相対的に安定しているのは我が国のみだ。「申酉騒ぐ」の相場格言には今年も注意が必要だろう。

好景気と移民・難民問題が同居するドイツの現状

実は2月の第2週に1週間弱、ドイツ南西部を訪問する機会があった。その印象を一言で表すと、ドイツの景気は相当良さそうだった。

アウトバーンはトラックが時速100キロ程度で数珠繋ぎとなり、あちこちで拡張工事が行われていた。なお、アウトバーンは乗用車等は原則速度無制限だが、車線数が少ないようなところでは、時速120キロないし同100キロ等の規制がある。なおバスとトラックは最大速度が同100キロに制限されている。

フランクフルト国際空港は、オフシーズンにも関わらず、アジアからの観光客で溢れていた。EU域内からの出国時に付加価値税のTAX REFUND(税還付)のための免税証明のスタンプを押す窓口は、主に中国人観光客が数百人単位で並んで大混乱。現地のガイドもこの時期、こんな渋滞は見たことがないとのことだった。春節は終わっていたが、近年は休暇取得の分散化が進行しているようだった。少なくとも、VWの燃費不正問題の浮上にも関わらず旺盛な自動車輸出を含め、ドイツ経済は中国の経済成長の一番の恩恵を受けているようだった。そのせいか、前述の免税窓口も、当初は5人程度のスタッフしかいなかったが、最後は数倍の警官が動員され、ほぼノーチェックでスタンプを押し、飛行機の搭乗締切にどうにか間に合わせていた。日本ではやや下火となったが、中国人の爆買いや観光ブームはまだまだ発展途上といったところか。「恐るべし、中国人パワー」と再認識させられた次第である。

一方で、繁華街には、主にトルコ系とみられる移民が多くみられた。ドイツでは人口約8千万人のうち、約2割が移民(外国人または両親の一方が外国人)だが、空港等の郊外には、難民キャンプのようなテントやバラックの集落もみられ、近年流入した難民等の一部も滞留しているようだった。総じて清潔な景観からはやや異様な雰囲気が醸し出されていたが、好景気と移民・難民問題が同居しているのがドイツの現状と言えそうだ。

英国のEU離脱を巡る国民投票でもそうだが、移民と経済は二者択一的な面もあり、世論が二分されがちな問題と言える。少子高齢化が一段と進展している我が国で、さて人口問題をどう解決するか頭の痛い問題だ。

2017年の注目映画を特集、我が国の2016年の映画興収は過去最高、入場人員数も42年ぶりに1億8千万人の大台超え

以下では、2017年の注目映画を特集する。

前月号でもお伝えしたが、我が国の2016年の映画興行収入は、前年比183億8,900万円増の2,355億800万円(前年比+8.47%)と、過去最高となった。内訳は、邦画が前年比282億4,100円増の1,486億800万円、洋画は前年比98億5,200万円減の869億円だった。入場人員数も前年比+8.14%の1億8,018万9千人で、1974年以来42年ぶりに1億8千万人の大台を超えた(日本映画製作者連盟調べ)。

世界的にアニメやコミックの実写作品の興収が拡大

なお、邦画上位10傑のうち、6本がアニメとなった。2016年の興収第1位の『君の名は』は、現在も公開中で、2月19日現在の累計興収は243.4億円と歴代4位。同3位の『アナと雪の女王』の254.8億円まであと11.4億円に迫っている(興行通信社調べ)。

洋画でも2016年は上位10傑のうち、4本がアニメ関連(CG含む)となった。

米国でも、2016年公開の興収上位10傑のうち、5作品がアニメ関連(CG含む)で、原作がコミックの実写版を含めると、9本に達した(Box Office Mojo調べ)。

2017年公開の話題作は、洋画はアニメ・アメコミの実写版及びSF、邦画はアニメ・マンガの実写版及び時代劇

こうした潮流を受けて、2017年公開の注目作品は、洋画はアニメ及びアメコミの実写版、邦画でもアニメ及びマンガの実写版が多いものの、加えて、洋画ではSF、邦画では時代劇の話題作が多数封切られる。

なお、来週2月26日(現地時間、日本時間は27日午前)に発表される第89回アカデミー賞受賞作は次号で特集予定。

2月公開の話題作、ブラッド・ピットさん主演の戦争ラブストーリー

まずは、2月に公開された注目映画からご紹介したい。

2月10日公開の『マリアンヌ』(原題『Allied』)は、第2次世界大戦下のモロッコのカサブランカとロンドンを舞台に描く、ブラッド・ピットさん主演のラブストーリー。ブラピ演ずるケベック訛りのフランス語を操るカナダ軍所属の工作員とフランス女優マリオン・コティヤールさん演ずる女スパイの感動作。ラスト・シーンでは映画館の多くの女性観客の眼に涙が溢れていた。原題の『Allied』には、第2次世界大戦における「連合国」という意味があるが、「夫婦の絆」の意味も込められているようだ。

なお、ピットさんは、主演に加え製作総指揮を担当した2014年公開の戦争映画『フューリー』でも、ディテールに拘ったことで有名だが、本作でも1940年代の服装や装飾品、兵器等が忠実に再現されており、第89回アカデミー賞でも、衣装デザイン賞にノミネートされている。

バーチャルな戦いを描く映画が日米で公開

『アサシン クリード』
2017年3月3日(金) TOHOシネマズ 日劇他全国ロードショー
©2016 Twentieth Century Fox and Ubisoft Motion Pictures. All Rights Reserved.

「マリアンヌ」を演じるマリオン・コティヤールさんは、3月3日公開の『アサシン クリード』にも出演している。

同作品は、世界的に有名なゲームの世界観を実写化したもので、マイケル・ファスベンダーさん演じる死刑囚はDNAの記憶を呼び覚ます装置により、500年前のルネサンス期スペインに「アサシン教団」の一員として送られ、「テンプル騎士団」と戦うこととなる。

マイケル・ファスベンダーさんは、『X-MEN』シリーズでエリック・レーンシャー / マグニートーを演じたり、2015年公開の『スティーブ・ジョブズ』ではアップル共同創設者のジョブズを演じ、第41回ロサンゼルス映画批評家協会賞主演男優賞を受賞している。

実は、映画デビュー作は2007年公開の『300〈スリーハンドレッド〉』、スパルタの戦士らがアケメネス朝ペルシャの遠征軍と戦ったテルモピュライの戦いを描いた作品だ。

同映画を含め、古代ギリシャを舞台とした映画は筆者の好物だが、ギリシャ財政危機が深刻化して以降、関連映画が減ったように思うには気のせいだろうか。ギリシャ問題は今夏も多額の債務償還問題で金融市場を騒がすことになりそうだ。民間金融機関はギリシャ向け債権を処理済で直接的な影響は限定的だろうが、むしろ、前述の選挙への影響が懸念される。

2月18日公開の『ナイスガイズ!』は、ラッセル・クロウさんとライアン・ゴズリングさん主演で1977年のロサンゼルスを舞台としたミステリー・コメディー。ちょうど、日本車がビッグスリーを脅かし始めていた頃の物語で、自動車の環境規制問題等、現在に通じる面がある。

但し、本作に出演する両主役は、どこが「ナイスガイ」なのか聞きたくなるダサいオヤジ役。ラッセル・クロウさんは2000年公開の『グラディエーター』で、グラディエーター(剣闘士)を演じ、アカデミー賞主演男優賞を獲得。ライアン・ゴズリングさんも前月号でご紹介した第89回アカデミー賞作品賞等の最有力作品『ラ・ラ・ランド』(2月24日公開)で主演を張り、既に、前哨戦のゴールデングローブ賞で主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞している。さすが名俳優、演技の幅も広いと感心させられた。

邦画では『相棒』シリーズ第4弾で最新作の『相棒 劇場版IV 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断』が2月11日に公開され、同週末興行で興収ランキング初登場1位となった。

東映によるとシリーズ歴代最高記録のスタートとなったとのこと。水谷豊さん演ずる警視庁特命係の杉下右京刑事とその「相棒」との活躍を描いた同作品は、テレビでも毎シーズン、高視聴率を挙げているが、劇場版は毎回、広域テロ等をテーマに取り上げている。背景には海外での大規模テロ等の頻発があると思われるが、2020年には東京オリンピックも開催される。暫く、ネタはつきないようだ。

その人気映画シリーズを2月18日-19日の週末興行で抜いてやはり初登場1位に立ったのが『劇場版 ソードアート・オンライン-オーディナル・スケール-』。

川原礫さん原作の大ヒット小説の人気TVアニメシリーズの劇場版。原作者書き下ろしの完全新作ストーリーで、VR(仮想現実)を改良したAR(拡張現実)機能を用いた「オーディナル・スケール」の世界に挑戦する少年・少女らの物語。バーチャルな世界での戦いは、『アサシン クリード』に似たものがある。

今後も、「ポケモンGO」のように、仮想世界と現実をジョイントした映画や商品がブーム化するのかもしれない。

娘に誘われ、筆者も鑑賞してきたが、同年代の観客もちらほら見かけた。我が国では子供より上の世代のアニメファンが多いことが、『君の名は。』や『この世界の片隅に』のようなロングラン上映作品を生んでいる一因と言えそうだ。

3月以降公開の洋画はアニメとアメコミの実写版、SFに話題作が目立つ

3月以降の洋画の公開作品は、アニメとアメコミの実写版、それにSFが目立つ。

第89回アカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされているディズニーの『モアナと伝説の海』は3月10日公開。同じく同賞にノミネートされている戦国時代(?)の日本を舞台にした冒険アニメ『Kubo and the Two Strings』も時期は未定なるも年内に公開される予定。既に鑑賞したが、なかなかの出来だった。

マシュー・マコノヒーさんら多くの有名俳優が声優を務め、60曲以上の名曲やヒットソングが彩る『SING/シング』は3月17日公開。

SF物では、『パッセンジャー』が3月24日に公開される。主演は、クリス・プラットさんとジェニファー・ローレンスさん。前者は今年続編が公開される『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の主人公役、後者は『X-MEN』のミスティーク役としても有名だが、本作は完全に宇宙と宇宙船が舞台のSF大作。

一方、5月19日公開の『メッセージ』は、地球が舞台だが、異星人とのコンタクトを描いた映画。第89回アカデミー賞作品賞にもノミネートされている。

『キングコング:髑髏島の巨神』
2017年3月25日(土)丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー他、全国ロードショー
(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC, LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED

往年の話題作の『キングコング』の新作『キングコング:髑髏島の巨神』は3月25日公開。怪獣と言えば、日本では『ゴジラ』、米国では『キングコング』だろう。どちらも、人類にとって一見敵のようだが、必ずしもそうでないところも似ている。

昨年は、邦画の『シン・ゴジラ』が興収82.5億円を上げ、『君の名は。』に次いで第2位となった。『キングコング』の新作にも期待したい。なお、製作はレジェンダリー・ピクチャーズだが、配給元のワーナー・ブラザーズは、2014年公開の『GODZILLA ゴジラ』の続編の2作目では、ハリウッド版ゴジラと今回登場するキングコングを対決させる構想があることを発表している。ゴジラファンにも見逃せない作品となりそうだ。

なお、公開時期は未定なるも今年は東宝版『GODZILLA』も公開予定。

第89回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされているナタリー・ポートマンさん主演の『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』は3月31日公開。
1963年に暗殺されたジョン・F ・ケネディ大統領夫人のジャクリーン・ケネディの物語。米大統領の8年ぶりの交替に際し、ファーストレディの役割を確認するにも最適の作品か。

『ハード・コア』(4月1日公開)は、全編にわたり主人公の一人称視点(FPS)で撮影されたアクションSF。

現在、米国で週末の興収第1位となっている『レゴ(R)バットマン ザ・ムービー』も4月1日公開予定。

『ゴースト・イン・ザ・シェル』
4月7日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国劇場にて公開
配給:東和ピクチャーズ
(C)MMXVI Paramount Pictures and Storyteller Distribution Co. All rights Reserved.

士郎正宗さん原作のSFアクション「攻殻機動隊」をスカーレット・ヨハンソンさん主演で実写映画化した『ゴースト・イン・ザ・シェル』は4月7日公開。同作品には北野武さんも荒巻大輔役で出演している。米国の公開も3月31日と日本公開と近接。

2014年には桜塚洋さん原作の『オール・ユー・ニード・イズ・キル』がトム・クルーズさん主演で実写化され好評を博した。同作品は続編の製作が決まっているが、『ゴースト・イン・ザ・シェル』がヒットすれば、日本マンガやノベル等のプロダクツに対しハリウッドが一段と触手を伸ばすことになりそうだ。

本コラム12月号でも紹介したが、トランプ大統領の選挙戦時の第1の公約は「Pay for the Wall(壁の建設代金を支払わせる)」だった。具体的には、メキシコとの国境に「万里の長城(トランプ・ウォール)」を造るため、50億〜100億ドル(トランプ氏試算)の建設資金をメキシコに支払わさせるとのことだった。

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トランプ大統領の誕生を見込んで製作していたかのかは不明だが、まさに、「万里の長城」を意味する『グレートウォール』は4月14日に公開される。

監督は、『HERO』や『LOVERS』、2005年には高倉健さんを主演に迎えた日中合作映画『単騎、千里を走る。』を監督し、2008年の北京オリンピック開幕式の演出も担当した中国を代表する巨匠チャン・イーモウ氏。主演は「ジェイソン・ボーン」シリーズのマット・デイモンさん。中国と米国の合作。

『美女と野獣』は4月21日公開。ディズニーアニメの実写版。『ハリー・ポッター』シリーズのハーマイオニー役で知られるエマ・ワトソンさん主演。

2015年公開の前作『ワイルド・スピード SKY MISSION』が歴代世界興収ランキング第6位(Box Office Mojo調べ)につけている『ワイルド・スピード ICE BREAK』は4月28日公開。

なお、主演のヴィン・ディーゼルさんがやはり主演を務める似た雰囲気の作品、『トリプルX:再起動』は2月24日公開。同日公開の『ラ・ラ・ランド』との勝負、さて、ディーゼルさん、映画の中のように剛腕で勝利を手にすることができるか。

5月12日公開の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は、2014年公開の銀河の守護者『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の続編。前作は2014年の世界興収第3位。日本での興収はいま一つだったが、SFやアメコミファンには一見の価値ありか。なお、主人公のお気に入りはソニーのウォークマン。

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6月以降も話題作が続々公開となる。

『LOGAN/ローガン』(6月1日公開)は、『X-MEN』のメンバーであるウルヴァリンの物語、ヒュー・ジャックマンさん演じるウルヴァリン最後の作品となる予定。

『キング・アーサー レジェンド・オブ・ザ・ソード』(6月3日公開)は、ガイ・リッチー監督作品。

『パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊』(7月1日公開)は、ジョニー・デップさん演ずるジャック・スパロウら「カリブの海賊シリーズ」第5弾。

ちなみに、ジョニー・デップさんの娘のリリー=ローズ・デップさんがミニナチ軍団と戦う女子高生を演じる『コンビニ・ウォーズ〜バイトJK VS ミニナチ軍団』も7月1日に公開される。

『ライフ』(7月8日公開)は、真田広之さんも出演するSF。

『カーズ/クロスロード』(7月15日公開)は、ピクサーの人気アニメ第3作。

『パワーレンジャー』(7月15日公開)は、「秘密戦隊ゴレンジャー」等日本の戦隊シリーズの米国版の映画版。

『スパイダーマン:ホームカミング』(8月11日公開)は、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』にスパイダーマンとして出演したトム・ホランドさんの新スパイダーマンシリーズ第1作。

なお、ホランド・スパイダーマンが登場する『アベンジャーズ』シリーズ第3弾『Avengers:Infinity War(原題)』は2018年5月4日に全米公開予定。

『ワンダーウーマン』(8月25日公開)は、昨年公開の『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』にも登場したDCコミックの女戦士の物語。

『トランスフォーマー/最後の騎士王』(夏公開)は、日本発祥の変形ロボットである『トランスフォーマー』シリーズ第5弾で新3部作の第1弾。

『怪盗グル―最新作(仮題)』(夏公開)は、怪盗グル―とミニオン達のアニメシリーズ第3弾。実は同作品のスピンオフの2015年公開の『ミニオンズ』は歴代世界興収第11位で、アニメでは、同第9位の『アナと雪の女王』に次いで第2位(Box Office Mojo調べ)。

『エイリアン:コヴェナント』(9月公開)は、リドリー・スコット監督作品。2012年公開の『プロメテウス』の続編であり、『エイリアン』プリクエル(前日譚)シリーズ3部作第2弾となる。

『ダンケルク』(9月公開)は、1940年に連合軍が欧州から英国に撤退したダンケルク作戦を映画化。

『ブレードランナー2049』(10月27日公開)は、1982年公開でSF映画の金字塔と言われるリドリー・スコット監督の『ブレードランナー』 の続編。

『ソー ラグナロク』(11月頃公開)は、アベンジャーズのメンバーである「マイティ・ソー」の物語第3弾。本作には超人ハルクも登場予定。現在公開中の『ドクター・ストレンジ』を見ると、「ドクター・ストレンジ」も登場しそうな予感がする。日本公開は2018年となる可能性も。

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(12月15日公開)は『スター・ウォーズ』シリーズ第8作、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の続編。ちなみに、2015年公開の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は歴代世界興収ランキングが『アバター』、『タイタニック』に次いで第3位。2016年公開のスピンオフ作品の 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』も2016年の興収が全米第1位、世界第2位と好調な結果となったことから、2017年公開洋画の「台風の目」となりそうだ。

一方、ディズニー・マーベルに対抗するワーナー・ブラザース及びDC連合の『ジャスティス・リーグ』は冬公開の予定。バットマンやスーパーマン、ワンダーウーマン、アクアマン、フラッシュらDCのスーパーヒーローが集結するアクション大作。DC版『アベンジャーズ』か。

『猿の惑星:大戦記(グレート・ウォー)』は秋公開予定。2011年公開の「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」、2014年公開の『猿の惑星:新世紀(ライジング)』の続編で新3部作の完結編。

邦画はアニメ、マンガの実写版、時代劇に注目

一方、2016年に興収増の牽引役となった邦画は、今年もアニメに加えて、マンガの実写版及び時代劇に注目したい。

『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』は3月4日公開。

『チア☆ダン 〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』(3月11日公開)は、広瀬すずさん主演で全米大会で優勝した福井県立福井商業高等学校チアリーダー部の実話を映画化。

『ひるね姫』(3月18日公開)は、前述した「攻殻機動隊」のアニメシリーズ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の監督や、『東のエデン』の原作に加え、監督・脚本を担当した神山健治監督の初となる劇場オリジナルアニメーション。予告編を見ただけだが、何やらヒットの予感も。

『劇場版 黒子のバスケ LAST GAME』も3月18日公開。

将棋界に初めてとなる外国人女流のプロ棋士が誕生、「恐るべし、マンガパワー」

今週20日、将棋界に初めてとなる外国人女流のプロ棋士が誕生した。ポーランド出身のカロリーナ・ステチェンスカ女流3級(25歳)が対局に勝って、プロとなる女流2級に昇級したのだ。インタビューによると、ステチェンスカさんが将棋に興味にもったのは、忍者マンガ「NARUTO」を読んだのがきっかけとのこと。

日本将棋連盟によると、外国人が将棋のプロになるのは、男性の「棋士」も含めて初めてとのこと(NHK)。「恐るべし、マンガパワー」だ。

『3月のライオン』
公開日:3月18日(土)
配給:東宝=アスミック・エース
©2017映画「3月のライオン」製作委員会

その将棋の世界を描いた羽海野チカさん原作の大ヒットコミックを2部作で映画化した『3月のライオン/前編』は3月18日公開。後編は4月22日公開。『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督がメガホンをとった。

『PとJK』(3月25日公開)は、三次マキさん原作の人気コミックを亀梨和也さんと土屋太鳳さんの共演で映画化。なお、Pは警察官(Police Officer)、JKは女子高生の意味。

人気アニメの『映画 クレヨンしんちゃん 襲来!! 宇宙人シリリ』、『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』は何れも4月15日公開。

『無限の住人』(4月29日公開)は、昨年末に解散した「SMAP」の木村拓哉さんが不死身の用心棒侍を演じる。沙村広明さん原作の人気時代劇コミックを実写化。

『破裏拳ポリマー』(5月13日公開)は、タツノコプロのアニメを溝端淳平さん主演で実写映画化。

『たたら侍』(5月20日公開)は、劇団EXILEのメンバーが出演する本格時代劇。

『忍びの国』(7月1日公開)は、「嵐」の大野智さん主演。

『銀魂』(7月14日公開)は、小栗旬さん主演で週刊少年ジャンプ連載のマンガ「銀魂」を実写化。SF時代劇とされる。

『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』は7月15日公開。

『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(8月4日公開)は、荒木飛呂彦さん原作の人気コミックの実写版。山崎賢人さんが主人公の東方仗助を演じる。

『関ケ原』(8月26日公開)は、司馬遼太郎原作の「関ケ原」の戦いを映画化。西軍の石田三成役を岡田淮一さんが、東軍の徳川家康役を役所広司さんが演じる。

『メアリと魔女の花』(夏公開)は、『借りぐらしのアリエッティ』『思い出のマーニー』の米林宏昌監督作品。

「週刊ヤングジャンプ」連載中の人気コミックの実写版『東京喰種 トーキョーグール』も夏公開予定。

『ひだまりが聴こえる』(夏公開)は、文乃ゆきさん原作の人気コミックの実写版。

『亜人』(9月30日公開)は、佐藤健さん主演の亜人と人間の戦いを描いた人気コミックの実写版。

『先生!』(秋公開)は、河原和音さん原作の同名コミックを生田斗真さんと広瀬すずさん主演で実写化。

『鋼の錬金術師』(12月公開)は、荒川弘さん原作の人気コミックの実写版。主人公エドワードを山田涼介さんが務める。

『映画 妖怪ウォッチ 劇場版第4弾(仮)』も12月公開予定。

やはり12月公開予定の『ガールズ&パンツァー最終章第1章』は、主人公の「パンツァー、フォー(戦車前進)」の号令が有名な、一部に熱烈なファンを擁するアニメ。

以上、2017年の注目映画でした。なお、公開予定日は筆者の予想を含み、タイトル等含め、変更の可能性があります。

本コラムでは、今年も最新の国際情勢とともに、注目映画を紹介していきたいと思っております。

末澤 豪謙 プロフィール

末澤 豪謙

1984年大阪大学法学部卒、三井銀行入行、1986年より債券ディーラー、債券セールス等経験後、1998年さくら証券シニアストラテジスト。大和証券SMBC金融市場調査部長、SMBC日興証券金融市場調査部長等を経て、2012年よりチーフ債券ストラテジスト。2013年より金融財政アナリスト。2010年には行政刷新会議事業仕分け第3弾「特別会計」民間評価者(事業仕分け人)を務めた。日経債券アナリストランキング、14年連続10位内ランクイン。日経財政アナリストランキング2位(2004年〜2006年)。財政制度等審議会委員、国の債務管理の在り方懇談会委員、地方債調査研究委員会委員。趣味は、映画鑑賞、水泳、スキューバダイビング、アニソンカラオケ等。

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