アナリストの忙中閑話【第85回】

アナリストの忙中閑話

(2018年6月21日)

【第85回】ありのままのトランプ路線でジュラシック・ワールドに?FIFAワールドカップ白星スタート、夏休み映画特集第1弾

金融経済調査部 金融財政アナリスト 末澤 豪謙

初の米朝首脳会談が6月12日、カペラ・シンガポールで開催

今月は、映画の1シーンと見間違うような光景が内外で多く見られた。

米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による初の米朝首脳会談が6月12日現地時間午前9時過ぎから、セントーサ島のホテル、「カペラ・シンガポール」で行われた。

米朝首脳会談は初めの38分程度は、両首脳と通訳のみの会談が行われ、側近を交えた拡大会合に移行した。その後、ワーキング・ランチが午後12時30分頃まで行われ、両首脳がホテルの敷地内を2人だけで歩いた後、大統領専用車、通称「ビースト」の中をトランプ大統領が金委員長に見せる場面もあった。

デスティニー・ピクチャーズ製作のビデオは北朝鮮の運命をイメージ

両首脳はその後、共同声明に署名、トランプ大統領は夕刻には米朝首脳会談について記者会見を行った。トランプ大統領は会見の冒頭、ホワイトハウスが作成し、会見場に流れていた北朝鮮の未来をイメージしたとするビデオについて説明を行うとともに、会談場所を提供したシンガポールや、韓国、日本、中国などに礼を述べた。

実は、このビデオ、「デスティニー・ピクチャーズ」製作とテロップされており、実在のカリフォルニア州の同名の会社に取材が殺到したが、同社はビデオ製作には関与していないことを公表。ホワイトハウスのNSC(国家安全保障会議)が、北朝鮮の運命(デスティニー)をイメージして作成し、架空の映画製作会社の名称をつけたところ、実在していたのが真相のようだ。

トランプ氏は会見で、米朝首脳会談について、率直な会談であったとし、一定の信頼醸成が今回の成果とした。また、金委員長を才能あるすばらしい人と評価。特に、金委員長は26歳で指導者になったとし、普通の人間ではこんなことはできず、1万人に1人だろうとした。

また、朝鮮戦争はまもなく終結するとの希望を持っているとし、朝鮮半島の完全非核化について合意がなされたことで、金委員長はすぐにプロセスに着手するだろうと予想。非核化には科学技術的にも時間がかかるが、プロジェクトを始めれば、核は使用できなくなることから終わったのも同然で、非核化には日本と韓国が経済支援するとした。

但し、当面、制裁は続けるとし、制裁解除は核が大きな問題でなくなった段階で行われるとした。

一方、北朝鮮の完全な非核化、「完全(complete)かつ検証可能(verifiable)で、不可逆的(irreversible)な核廃棄(denuclearization)」、いわゆる「CVID」に関して、共同声明に記述がなかった点に関しては、今回は時間がなかったが、非核化に関してアメリカは妥協していない、25時間寝ていないと釈明する場面も。

今回の米朝首脳会談は、「歴史的な政治リアリティ・ショー」

今回の米朝首脳会談が歴史的であったのは確かだが、終わってみれば、トランプ氏がかつて司会を務めていたリアリティ・ショー同様、政治ショーの色彩が強かった。言わば、「歴史的な政治リアリティ・ショー」として、後世に語り継がれるのではないか。

シンガポール政府が「F1ピット・ビルディング」内に用意した国際プレスセンターには、3,000人の報道人が登録、今回の会談は、米東部時間11日午後9時のプライムタイムに、全米に生中継されるなど、米国及び北朝鮮にとって、大きな宣伝効果があったのは間違いない。その後、トランプ大統領の支持率は実際に上昇している。

また、金委員長の滞在費や警備費等、日本円で16億円以上を負担したシンガポール政府も、シンガポールの観光名所が海外のメディアに大きく取り上げられたことに加え、リー首相やバラクリシュナン外相が米朝の仲介役として、存在感を示したことで、大きな国益に繋がったとみられる。

但し、今回の首脳会談の評価には時間がかかりそうだ。トランプ大統領は11月6日の中間選挙に向けて、ノーベル平和賞の受賞も視野に、米朝首脳会談の開催等を自身のポイントにするつもりとみられるが、2年後の大統領選の際には、米朝協議が進展していなければ、再度、軍事オプションの行使をチラつかせる可能性も想定される。

地政学的リスクは短期的には大きく低下したが、問題は複雑化した可能性

我が国にとっては、弾道ミサイル、特に短中距離の弾道ミサイルの廃棄の問題に加え、北朝鮮の非核化が段階的に進展した場合は、米国から経済支援を要請される可能性もある。また、国交正常化に際しては、経済協力等の問題も浮上する。拉致被害者の問題も今回の米朝首脳会談では提起されたものの、明確な進展はみられず、今後は日朝の2国間協議に移行する可能性が高い。当面、北朝鮮が核実験や弾道ミサイルの発射実験を行う可能性は大きく低減し、地政学的リスクも短期的には大きく低下したと言えそうだが、むしろ問題は複雑化した可能性が高そうだ。

8月に予定されていた定例の米韓合同軍事演習は中止

米朝首脳会談を含め、トランプ大統領は、11月6日の中間選挙へ向けて、大統領選での自身の公約実現等、「ありのままのトランプ」路線を強く推進する構えのようだ。

米国防総省は18日、米韓両軍が8月に予定していた定例の合同指揮所演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(UFG)」を中止すると発表した。

ちなみに、太平洋軍司令官当時、北朝鮮の脅威への対抗上、米韓合同軍事演習の必要性を強調していたハリス次期駐韓大使は14日、指名承認のための上院公聴会で、「米朝協議は続いており、金正恩氏が協議に本気かどうかを分析するためには、北朝鮮が一息つけるようにする必要があり、演習中止はそれにつながる」と演習中止に賛同。また、「金氏が本気かどうかは1年以内に分かるだろう」との見方を示している。

米朝首脳会談後の会見内容は、トランプ氏の大統領選時の公約とは矛盾せず

今年の演習が急遽中止となったのは、前述の米朝首脳会談後の記者会見で、トランプ大統領が米韓合同軍事演習の中止を表明したことが背景にある。

トランプ大統領は、会見で「ウォーゲームは金がかかるし、挑発的だ」とし、北朝鮮との対話が続いている間は、合同演習を中止する考えを述べていた。特に、北朝鮮が警戒していたB1戦略爆撃機の朝鮮半島への飛行に関しても、「グァムから6時間半もかかる」とし、派遣に消極的な姿勢を示していた。

トランプ大統領は会見では、将来の在韓米兵の帰還にも言及、日韓の安全保障当局等を慌てさせたが、元々、トランプ氏は在韓米軍の撤退や金正恩委員長との会談にも言及している。演習中止に関し、トランプ氏はツイッターに「私の要請だ」と投稿しているが、必ずしも北朝鮮に譲歩したり、「思いつき」で述べた訳ではなさそうだ。

キャッチ・アンド・リリースからゼロ・トレランスへの変更で大きな問題に

一方、トランプ氏の大統領選時の主要公約である、移民問題や貿易赤字問題に関しても動きがあった。

米国では、正式な移民書類等を持たず、メキシコ国境等を越えてきた不法移民を捕えても裁判所の審理までは釈放する所謂「キャッチ・アンド・リリース」政策が行われているが、トランプ大統領は同政策の廃止を公約、徐々に「不寛容(zero tolerance)」政策に移行している。

DACA(Deferred Action for Childhood Arrivals:幼少期に親に連れられ米国に入国した不法移民の若者「ドリーマー」の強制送還の執行延期措置)の期限が切れた今春以降、ゼロ・トレランス政策は一段と厳格化されている。トランプ大統領は4月、「キャッチ・アンド・リリース」の停止を命じる大統領令を発令、ゼロ・トレランス政策下では、成人の不法入国者は、亡命を求めている人も含めて全員が拘束される。親子で不法入国した場合、子供は「保護者のない未成年」として、厚生省の保護下で親とは別の収容施設に送られる。米当局によると、4月中旬から5月末の間に親と別々に保護された未成年の不法入国者の数は2,000人近くに達したとのことだ(18日付けロイター)。

中間選挙に向けては、メキシコ国境への壁建設問題を含め、移民問題が再度、争点になる可能性

民主党はこうした対応は「野蛮」であると批判、米メディアでも大きな取り扱いとなっているが、ローラ・ブッシュ元大統領夫人は、ワシントン・ポストへの寄稿で、「この不寛容政策は残酷で、道義に反する。私は胸が張り裂ける思いだ」(19日付けブルームバーグ)と記述、トランプ氏の夫人で、移民でもあるメラニア・トランプ氏も同日、米国は「血の通った」統治をする国でなければならないと、異例の声明を発表した。トランプ・ファミリーの間でも意見の相違が露わになっている。

トランプ大統領は15日、ツイッターに、「いかなる移民法案も、壁への全面的な予算計上、キャッチ・アンド・リリース、ビザ抽選、連鎖移民の各制度の廃止、技能ベースの移民制度への移行を盛り込むべきだ」と投稿したが、非人道的との批判を受けて、20日には、「親子分断」を取りやめる大統領令に署名。但し、不法移民に対する姿勢には変化がないと強調した。

現在、米国下院では、共和党提出の移民関連2法案が審議されている。一方は穏健、他方は強硬な内容となっており、前者は幼少期に親と米国に不法入国した若者の強制送還を猶予する「DACA」制度の「ドリーマー」を保護し、市民権獲得に道を開く内容、後者は、ドリーマーに市民権獲得の機会を提供しない内容。但し、2法案は何れも、メキシコ国境沿いの壁建設費を予算計上し、永住権を得た移民が祖国から親族を呼び寄せる連鎖移民の下でのビザ配給を抑制する内容となっている。

DACAは本年3月5日に失効、その後、裁判所の判断で、法的には中途半端な状況が継続している。中間選挙に向けては、メキシコ国境への壁建設問題を含め、移民問題が再度、争点になる可能性が高そうだ。

トランプ大統領は18日、中国からの2千億ドル分の輸入品に10%の制裁関税を検討するよう指示

トランプ氏の大統領選時の第1の公約は、「Pay for the Wall(壁の建設代金を支払わせる)」だが、第2は、「Healthcare Reform(医療保険制度改革)」、そして第3が「U.S.-China Trade Reform(米中貿易改革)」だ。

米中貿易改革問題に関しても、今週、大きな動きがあった。トランプ大統領は18日、中国の知的財産権侵害を巡り、新たに2千億ドル分の輸入品に10%の制裁関税を検討するよう米通商代表部(USTR)に指示した。

既に米国は、中国に対し、「1974年通商法201条」に基づくセーフガードを太陽光パネル(関税最大30%)及び洗濯機(同50%)に発動。また、「1962年通商拡大法232条」を適用、安全保障面から、鉄鋼に25%、アルミに10%の新たな関税を賦課している。

米中とも簡単にドロップせず、レイズを繰り返し、「貿易戦争」に進展する可能性も

加えて、「1974年通商法301条」を発動し、中国による知的財産権侵害等に関して500億ドルの中国からの輸入品に25%の追加関税賦課を決定、7月6日から段階的に実行される。但し、これに対し、中国が対抗措置を講じたことで、今回、新たに2,000億ドルの輸入品に10%の追加関税賦課を検討するよう求めたものだ。当然、中国は今回も対抗措置を発動する見込み。

また、トランプ政権は、今後、「1977年国際緊急経済権限法」を発動し、中国からの戦略分野への投資制限を検討すると見込まれている。場合によっては、「2015年貿易円滑化・貿易執行法」を発動し、為替操作国の指定を行ったり、「1974年通商法第122条」を発動し、関税率を引き上げたり、輸入数量制限を実施する可能性も否定できない。

トランプ大統領としてはディールの一環で、対象金額の拡大はポーカーのレイズに近く、相手が降りるのを待っているのかもしれないが、同盟国の我が国と違い、中国がどういう対応を取るかは不明だ。

「ありのままのトランプ」に対し、「NOと言えない日本」

純輸入国である米国の方が、貿易戦争の痛みは相対的に小さく、支持率も上昇している状況では、トランプ大統領が簡単に妥協するとは考えにくい。一方で、実質的な「独裁」を構築中の習近平国家主席もメンツの面からも同様だろう。お互いに、ドロップせず、レイズを繰り返し、報復が報復を呼ぶ「貿易戦争」に進展する可能性も否定できない。一方、我が国も安穏としてはいられないのではないか。トランプ氏は、1987年には、ニューヨーク・タイムズなど地元紙に、日本の「安全保障のただ乗り論」や巨額な対米貿易黒字を批判する意見広告を出し、大統領選でも、同様な主張を繰り返した経緯にある。

中間選挙前に、我が国に対しても、貿易・サービス収支の改善や安全保障面における負担増を求めてくる可能性は否定できない。但し、1980年代同様、「ありのままのトランプ」に対し、「NOと言えない日本」という構図に変化はないだろうが。

大阪府北部で震度6弱(M6.1)の地震が発生

「百聞は一見に如かず」というが、リアリティ・ショー化した米朝首脳会談のインパクトは予想以上に大きかったが、国内でも映画のようなシーンが週初の朝、テレビの画面に映った。

6月18日午前7月58分に、大阪府北部で震度6弱(M6.1)の地震が発生したのだ。震度6弱が確認された市町村は大阪市北区、高槻市、枚方市、茨木市、箕面市。大阪府内で、震度6弱の地震を観測したのは大正12年の観測開始以来初めて。

ブロック塀の倒壊等で5名の死者が発生、約300名が負傷。公共交通機関の停止で通勤や通学等が混乱したことに加え、停電や断水、都市ガスが供給停止するなど、市民生活にも大きな影響が出た。

改めて、今回の地震で被災された方々に、お見舞い申し上げます。一日も早い復旧をお祈り致しております。

30年以内に南海トラフ地震が発生する可能性75.3%、日頃の備えが重要

大阪北部を含む、阪神地域では1995年1月17日に、最大震度7(M7.3)の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)が発生、大きな被害が発生した。当時と比較すると、影響は限定的と言え、その後の耐震対策が今回の地震の被害を低減させた可能性もありそうだ。

政府の地震調査委員会は2月、30年以内に南海トラフ地震が発生する可能性を75.3%に引き上げた。昨年段階では74.2%。南海トラフ地震の発生確率は、過去の発生間隔と直近の地震からの経過年数で計算し、毎年少しずつ高まるため、今回、震源域に特別な変化が発生した訳ではない。但し、台風等と異なり、大地震は正確な予測が困難だ。やはり、日頃の備えが重要だろう。

夏休み映画を特集第1弾

今月号及び来月号では夏休み映画を特集。今月は第1弾。今夏も、洋画の大作に加え、邦画の長編アニメや漫画の実写作品等が多数公開される。

6月29日公開の『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』は、『スター・ウォーズ』シリーズのスピンオフ作品「アンソロジー・シリーズ」で、『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』(2016年公開)に続く第2作(配給:ディズニー)。ハン・ソロは、いかにして銀河最速のパイロットになったのか?ルークとレイアに出会う前の、若き日のハン・ソロの知られざる過去を描くアナザー・ストーリー(外伝)。

『スター・ウォーズ』では、ハリソン・フォードさんが演じたが、若き日のハン・ソロに扮したのは、オールデン・エアエンライクさん。『ダ・ヴィンチ・コード』のロン・ハワード監督がメガホンをとった。

6月29日公開の『アメリカン・アサシン』は、現在公開中の『メイズ・ランナー:最期の迷宮』で主役を演じているディラン・オブライエンさんと『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のマイケル・キートンさんが共演したスパイアクション。ビンス・フリン氏原作の全米ベストセラー小説「ミッチ・ラップ」シリーズ初の実写映画化作品(配給:CBSフィルムズ、キノフィルムズ)。無差別テロで恋人を亡くした青年ミッチ・ラップが、報復のためにCIAのエージェントとなって核兵器テロに立ち向かう。

『アーリーマン ダグと仲間のキックオフ!』
2018年7月6日(金)、TOHOシネマズ 上野ほか全国ロードショー!
配給:キノフィルムズ
© 2017 Studiocanal S.A.S. and the British Film Institute. All Rights Reserved.

7月6日公開の『アーリーマン ダグと仲間のキックオフ!』は、『ひつじのショーン』シリーズを生み出したイギリスのニック・パーク監督とアードマン・アニメーションズが、まだマンモスがいた先史時代を舞台に、暴君から故郷を取り戻すためサッカーで戦いに挑む原始人の少年と仲間たちを描いたストップモーションアニメ(配給:スタジオカナル、アードマン、キノフィルムズ)。

勇敢な少年ダグは、部族の仲間とブタの相棒ホグノブと一緒に、小さな谷間で平和に暮らしていた。しかし、谷で採れる青銅を狙うブロンズ・エイジ・シティの暴君ヌース卿に、故郷を追われてしまう。ダグたちは故郷を取り戻すため、ブロンズ・エイジ・シティで崇拝されている「サッカー」と呼ばれるスポーツでヌース卿に対抗しようと、チームを作って特訓に励むことに。

2018FIFAワールドカップ・ロシア大会で日本はコロンビアを2対1で下し白星スタート

ちょうど、6月14日には、2018FIFAワールドカップ・ロシア大会(以下「W杯」)が開幕、出場32チームによる熱戦がスタートしたばかりだ。

グループ Hの日本は19日、初戦の相手コロンビアに2対1と快勝。W杯で日本が南米勢に勝利したのは今回が初めて。前半3分で、コロンビアの選手が香川真司選手のシュートを手で防ぎ一発退場処分を受け、11人対10人のアドバンテージが効いたこともあるが、香川選手のPK得点に対し、相手の直接FKで、1対1の同点となった後、後半28分に大迫勇也選手がCKに対し、ヘディングを正確に決めたことが積極性の面で大きかった。GKに阻まれたケースも多かったが、シュートやヘディングが過去のW杯よりも正確で、特に後半は「攻め」の日本だった印象がある。

大会直前に監督の交替もあり、混乱のせいか、国際親善試合でも不調が続いたが、却って、選手が緊張せず、伸び伸びとプレーできたことが勝利に結びついた可能性も。応援は必要だが、事前に過度な期待を押し付けない方が結果はよくなるのかもしれない。日本は24日にセネガル代表と対戦する。決勝トーナメント出場を目指し、善戦に期待したい。

『ジュラシック・ワールド』の続編が公開

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』
7月13日(金)より全国ロードショー
東宝東和
© Universal Pictures

7月13日公開の『ジュラシック・ワールド/炎の王国』は、『ジュラシック・パーク』シリーズ14年ぶりの新作として2015年に公開された『ジュラシック・ワールド』の続編(配給:ユニバーサル、東宝東和)。あの大惨事から3年、「ジュラシック・ワールド」があるイスラ・ヌブラル島で巨大な火山噴火の予兆が観測される。

恐竜たちの生死を自然に委ねるか、あるいは危険を冒してでも救い出すか、人間たちは判断を迫られる。恐竜行動学のエキスパートのオーウェンはテーマパークの運営責任者だったクレアとともに、恐竜たちを救うべく行動を開始するが、その矢先に島の火山で大噴火が発生する。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』では「スターロード」役のクリス・プラットさんがオーウェンを演じ、クレア役のブラウス・ダラス・ハワードさんらメインキャストが続投。

日本の夏の風物詩として、筆者は「お化けに恐竜、宇宙人」を挙げる。本作では、シリーズ史上最多最強の恐竜がスクリーンで暴れ回るが、前作は世界歴代興収ランキング第5位(6月20日現在、Box Office Mojo調べ)。同作品を抜いて、現在第4位に浮上し、本コラムでも取り上げた『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』との対決も見物だ。

「青い空に入道雲」が描かれた夏休みアニメ映画の代表格も公開

『未来のミライ』
2018年7月20日(金)全国東宝系にてロードショー
©2018 スタジオ地図

7月20日公開の『未来のミライ』は、2006年7月公開の『時をかける少女』、2009年8月公開の『サマーウォーズ』、2012年7月公開の『おおかみこどもの雨と雪』、2015年7月公開の『バケモノの子』と、夏休みアニメ映画の監督として代表格となった細田守氏が手がけるオリジナルの長編劇場用アニメ(配給:東宝)。甘えん坊の4歳の男の子「くんちゃん」と、未来からやってきた成長した妹「ミライ」の2人が繰り広げる不思議な冒険を通して、さまざまな家族の愛のかたちを描く。

くんちゃんは、生まれたばかりの妹に両親の愛情を奪われたと感じ、日々を過ごしていた。そんな彼の前にある時、学生の姿をした少女が現れる。彼女は、未来からやってきた妹ミライだった。ミライに導かれ、時を越えた家族の歴史をめぐる冒険に出発する。

山下達郎さんが同作品のために書き下ろしたオープニングテーマ「ミライのテーマ」及びエンディングテーマの「うたのきしゃ」にも注目。ジャケットに描かれたのは「青い空に入道雲」、本作品も、まさしく夏休み映画の決定版か。

『BLEACH』
7月20日(金)全国ロードショー!
©久保帯人/集英社 ©2018 映画「BLEACH」製作委員会

同じく7月20日公開の『BLEACH』は、「週刊少年ジャンプ」で連載され、久保帯人氏原作の大ヒットコミック「BLEACH」を福士蒼汰さん主演で実写映画化。幽霊が見えてしまう高校生黒崎一護は、ある日突然、死神を名乗る謎の女、朽木ルキアから力を譲り受け、死神を代行することになる。家族と仲間を守るため、人間の魂を喰らう悪霊、虚(ホロウ)と死闘を繰り広げる一護だったが、想像を絶する運命が待ち受けていた。

死神の少女ルキアを杉咲花さんが演じ、『アイアムアヒーロー』(2016年公開)で世界三大ファンタスティック映画祭を制覇した佐藤信介監督がメガホンを取った。

近年、前述の『アベンジャーズ』シリーズなど、アメコミの実写作品が国際市場を席巻、2018年の世界興収ランキングでも、現在、上位3作品がアメコミの実写作品となっている。2位は『ブラックパンサー』、3位は『デッドプール2』(6月20日現在、Box Office Mojo調べ)。

そうした状況もあってか、国内でも、マンガの実写作品が多数公開されている。8月には、昨年公開されヒットした『銀魂』の続編、『銀魂2 掟は破るためにこそある』も公開される。実は、『BLEACH』同様、『銀魂』シリーズもワーナー・ブラザーズ配給。やはり2017年公開の『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』や『鋼の錬金術師』もワーナー・ブラザーズ配給であり、同社の貢献も大きいと言えそうだ(『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』は東宝も配給)。

人類の「未来」は、ジュラシック・ワールドではなく、夏の空のように、まぶしいくらい明るくあってほしい

トランプ氏が、大統領選時の公約に基づき現在進めている「ありのままのトランプ」路線を突き詰めると、ある意味、「弱肉強食」のジュラ紀や先史時代の世界に通じるものがある。

しかし、前述の「アーリーマン」の勝負はサッカーでつけることになる。米国人のトランプ大統領がワールドカップ開催中のサッカーに興味があるか否かは定かではないが、トランプ氏が大のゴルフファンであることは周知の事実だ。ゴルフの起源は、スコットランドやオランダ、中国など様々な説があるが、近代ゴルフの発祥地がトランプ氏の母親の出身地でもあるスコットランドであるのは間違いない。あまりの人気ぶりに15世紀には幾度もゴルフ禁止令が出たことでも有名だ。

ゴルフは「紳士のスポーツ」としても知られる。大統領権限の強い外交・安全保障や通商・貿易政策においても、スポーツマン・シップ、フェア・プレイの精神で臨んでもらいたいものだ。

人類の「未来」は、ジュラシック・ワールドではなく、夏の空のように、まぶしいくらい明るくあってほしい。

末澤 豪謙 プロフィール

末澤 豪謙

1984年大阪大学法学部卒、三井銀行入行、1986年より債券ディーラー、債券セールス等経験後、1998年さくら証券シニアストラテジスト。大和証券SMBC金融市場調査部長、SMBC日興証券金融市場調査部長等を経て、2012年よりチーフ債券ストラテジスト。2013年より金融財政アナリスト。2010年には行政刷新会議事業仕分け第3弾「特別会計」民間評価者(事業仕分け人)を務めた。日経債券アナリストランキング、14年連続10位内ランクイン。日経財政アナリストランキング2位(2004年〜2006年)。財政制度等審議会委員、国の債務管理の在り方懇談会委員、地方債調査研究委員会委員。趣味は、映画鑑賞、水泳、スキューバダイビング、アニソンカラオケ等。

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