アナリストの忙中閑話【第86回】

アナリストの忙中閑話

(2018年7月19日)

【第86回】猛暑に豪雨、気候変動がもたらすフォールアウト、フランス2度目のW杯優勝、夏休み映画特集第2弾

金融経済調査部 金融財政アナリスト 末澤 豪謙

東京は6月29日と観測史上初めて6月に梅雨明け、西日本は豪雨で大きな被害

今年、東京など関東甲信では6月29日に梅雨明けとなった。6月中の梅雨明けは統計を取り始めた1951年以降初めて。

ちょうどその頃、西日本には梅雨前線が停滞していたが、台風7号が日本列島に接近した7月1日以降、梅雨前線が活発化、記録的な豪雨となった。気象庁は9日、梅雨前線や台風7号による6月28日以降の全国的で記録的な大雨の名称を「平成30年7月豪雨」と定めたと発表している。大雨の命名は昨年7月の九州北部豪雨以来。

5-8日は東・西日本に梅雨前線が停滞して観測史上最多雨量を記録する地点が続出し、計11府県に大雨特別警報が発表された。降り始めの6月28日から7月8日までの積算雨量は、高知県、徳島県、岐阜県、長野県の4県15のアメダス地点で1,000ミリを超えた。全国で最も雨量が多くなったのは高知県安芸郡馬路村魚梁瀬で1,852.5ミリ。

今回の記録的豪雨の被害は甚大で、19日現在の警察庁のまとめでは、死者は14府県で223人に上り、共同通信のまとめでは5府県で依然15人が安否不明と、平成に入って最悪の豪雨被害となった。

改めて、今回の豪雨で被災された方々に、お見舞い申し上げます。一日も早い復旧をお祈り致しております。

被災地でも一転猛暑に、18日には岐阜県多治見市で40.7度を観測

そうした被災地では、前週週明けから一転、30度以上の真夏日が続き、ところによっては、35度以上の猛暑日となっている。

1,000ミリ以上の降雨となった岐阜県でも気温が急上昇、気象庁によると、岐阜県の多治見市では18日午後2時半に全国で今年最高となる40.7度を記録し、同県美濃市でも午後2時19分に40.6度を観測した。7月としては観測史上第2位と第3位の記録となった。国内で最高気温が40度を超えたのは2013年8月以来約5年ぶり。第1位は山形県山形市の40.8度だが1933年7月25日の記録(アメダスではなく気象台等の記録)のため、今回は実質的には第1位の可能性もありそうだ。

実は、東京の梅雨明けも西日本豪雨も、足元の酷暑も背景は関連している。

気象庁によると、今夏は、全球で大気全体の温度が高く、熱帯の海面水温が太平洋の北半球側の広い範囲で高いことから、太平洋高気圧が北側で強く、日本付近への張り出しが平年よりも強くなっている。その結果、上空の偏西風も日本付近から太平洋にかけて平年より北へ蛇行していることで、梅雨前線が関東の北に北上、東京で6月に梅雨明けとなった。一方、梅雨前線が西日本から北海道に停滞したことで、本来、梅雨のない北海道が梅雨的な天候になっている。ここに、台風が南から湿った空気を持ち込んだことで、西日本各地で豪雨となった。

低層は太平洋高気圧、高層にはチベット高気圧と二重の高気圧に覆われたことで、全国的に気温が急上昇

但し、その西日本でも7月9日から11日までに一気に梅雨明けとなり、7月中旬以降は、低層は太平洋高気圧、高層にはチベット高気圧と二重の高気圧に覆われたことで、全国的に気温が急上昇した。梅雨明けは、平年と比較すると、関東甲信で22日早く、東海・近畿・中国でも12日早くなっている。

過去、我が国の最高気温の記録は、第1位が高知県江川崎の41.0度(2013年8月12日)、第2位が埼玉県熊谷の(2007年8月16日)と岐阜県多治見(2007年8月16日)の40.9度。ランキング上位には2007年と2013年のお盆の頃の記録が多い。

実は、2007年の夏にはラニーニャ現象が発生しており、2013年は平常状態だった。戦後の最高気温上位10位(計12回)は、ラニーニャ現象発生時が5回、平常時が7回、エルニーニョ現象発生時はゼロ。

今年は春にラニーニャ現象が終息、足元は平常状態にある。お盆の頃に最高気温が観測されたケースが多いことを勘案すると、8月には最高気温を更新する可能性もありそうだ。

今夏は「猛暑」に注意が必要、2017年の世界の年平均気温は2016年、2015年に次いで過去3番目の高水準

近年は地球温暖化等の影響で1年を通じると、気温が上昇している。実際、世界の平均気温は趨勢的に上昇している。気象庁によると、世界及び日本の年平均気温は2016年に過去最高を更新した。

2017年の世界の年平均気温(確定値)は2016年及び2015年に次いで過去3番目の高水準となったが、エルニーニョ現象が発生していない年では過去最高となった。また、2015年以降の3年間が過去と比較しても突出して高い。

2017年の世界の年平均気温(陸域における地表付近の気温と海面水温の平均)の1981〜2010年平均基準における偏差は+0.38℃(20世紀平均基準における偏差は+0.74℃)で、1891年の統計開始以降、3番目に高い値となった。世界の年平均気温は、長期的には100年あたり約0.73℃の割合で上昇しており、1990年代半ば以降、高温となる年が多くなっている。

一方、2017年の日本の年平均気温(確定値)は、1981〜2010年平均基準における偏差は+0.26℃(20世紀平均基準における偏差は+0.86℃)で、1891年の統計開始以降、14番目に高い値となった。

今夏はスーパー台風の接近や大雨に注意が必要か

2017年は台風の来襲が続き、秋以降はラニーニャ現象が発生した影響もあり、上昇は一服となった。但し、日本の年平均気温は、長期的には100年あたり約1.19℃の割合で上昇しており、特に1990年代以降、高温となる年が頻出していることから、地球温暖化の影響を受けていると考えられる。

北半球の気温上昇が南半球に比べ、2000年代以降著しくなっていることからも、地球温暖化は人間活動の影響が大きいと考えられるが、米トランプ政権の誕生もあり、防止策の先行きは不透明だ。地球温暖化に懐疑的な向きには、是非、サンゴの白化現象が深刻化している沖縄の海やグレートバリアリーフ、モルディブ等を潜って、自らの眼で確認してもらいたいものだ。

大型のハリケーンや台風の発生は地球温暖化が一因とみられているが、トランプ政権は地球温暖化すら認めておらず、今後もスーパーハリケーン・台風の発生には警戒が必要となろう。特に、今夏は日本近海の海面水温の上昇と猛暑が重なることも予想され、スーパー台風の接近に注意が必要のようだ。

また、台風7号のように、台風自体の勢力は弱くとも、梅雨前線等、温帯低気圧と相まって、豪雨をもたらす可能性にも注意が必要だろう。地球温暖化に伴う飽和水蒸気量の増大は、大雨や大雪をもたらす可能性を高めることになる。

今冬はエルニーニョ現象発生で暖冬の可能性

一方、日米豪の気象当局は今冬までにエルニーニョ現象が発生する可能性を指摘している。その確率は、日豪の50%程度に対し、米国は70%。

ラニーニャ現象発生時の特徴である「猛暑・厳冬」に対し、エルニーニョ現象発生時の特徴は、「冷夏・暖冬」のため、年末から来年にかけては、暖冬となる公算がある。結果、2018年ないし2019年の世界及び日本の年平均気温が過去最高を更新する可能性も高まりそうだ。

2018FIFAワールドカップ・ロシア大会はフランスが20年ぶり2度目の優勝

国内での熱帯夜のせいか、試合後の大雨に清涼感が感じられたのが、2018FIFAワールドカップ・ロシア大会の決勝戦。

モスクワのルジニキ・スタジアムで7月15日18時(日本時間24時)に開始した決勝戦では、フランスがクロアチアを4対2で下し、1998年の自国開催大会以来20年ぶり2度目の優勝を果たした。

決勝戦は、ロシアのウラジミール・プーチン大統領、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、クロアチアのコリンダ・グラバル=キタロヴィッチ大統領も観戦。それにしても、マクロン大統領があそこまでサッカーファンとは。米露首脳会談と会見における、内外で物議を呼んでいるトランプ大統領のプーチン大統領を擁護する発言もマクロン氏に刺激されたのかもしれない。

一方、2対1とフランス代表のリードで迎えた52分、警察官のコスプレをした4人の男女が試合中のピッチに乱入するなど、異色の光景もあった。

ウクライナ問題による経済制裁やロシアゲート問題等で、当初は開催すら危ぶまれたロシア大会だが、蓋を開けてみると、番狂わせと若手の活躍等で大いに盛り上がった。

国内でも当初の下馬評とは裏腹に、2大会ぶりにベスト16、決勝トーナメントに進出、ベルギー戦では一時2点のリードを確保するなど「SAMURAI BLUE (サムライブルー)」の活躍に日本中が沸いたのも事実だ。

早くも今年の流行語大賞に「大迫 半端ないって」がノミネートされそうな勢いだが、やはり、スポーツの「ライブ観戦」の魅力が高まるとともに、広告費も一段と高騰することが予想される。中国企業が大挙して、ワールドカップのスポンサーとなっていたのも、現在、中国と貿易戦争(ゲーム?)中の米国以外の世界中で人気の高いサッカービジネスへの先行投資なのかもしれない。

夏休み映画特集第2弾、洋画の大作や漫画の実写作品等多数公開

前月号に続き、今月号でも夏休み映画を特集。今月は第2弾、主に8月公開作品を取り上げる。今夏も、洋画の大作に加え、邦画の長編アニメや漫画の実写作品等が多数公開される。

【第85回】ありのままのトランプ路線でジュラシック・ワールドに?FIFAワールドカップ白星スタート、夏休み映画特集第1弾

7月21日公開の『ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談』は、英国の「怪談」。アンディ・ナイマン氏とジェレミー・ダイソン氏が2010年に発表し、イギリスでロングラン上演された同名舞台劇をナイマン氏とダイソン氏が自身が監督、ナイマン氏は主役の大学教授も演じた。

心理学者のフィリップ・グッドマン教授は、イギリス各地でニセ超能力者やニセ霊能者のウソを暴いてきたが、その道ではベテランのキャメロン博士から、「自分ではどうしてもトリックが見破れない」という3つの超常現象を調査するよう依頼を受ける。超常現象体験者は初老の夜間警備員、家族関係に問題を抱える青年、妻が出産を控えた地方の名士。『ホビット』や『ブラックパンサー』に出演したマーティン・フリーマン氏が地方の名士役で出演。猛暑にぴったりの作品か。

『インクレディブル・ファミリー』
8月1日(水) 全国公開
©2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

8月1日公開の『インクレディブル・ファミリー』は第77回アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞したディズニー/ピクサーの大ヒット作『Mr.インクレディブル』(2004年公開)」の最新作。かつてヒーローとして活躍した「Mr.インクレディブル」ことボブ・パーとその家族。普通の日常を送っていたが、妻のヘレンがイラスティガールとしてヒーロー活動をすることに。多忙になった彼女の代わりに家事と育児を任されたボブは、底知れない能力を秘める息子ジャック・ジャックの世話に悪戦苦闘。そんな中、新たな敵が家族の前に立ちはだかる。

既に、2018年の世界興収第4位の大ヒットとなっており(7月18日現在、Box Office Mojo調べ)、家族での鑑賞にお奨めの作品。

同じく8月1日公開の『青夏 きみに恋した30日』は、講談社「別冊フレンド」で2013年から17年にかけて連載された南波あつこ氏の人気コミックを、NHK連続テレビ小説『わろてんか』の葵わかなさんと『ちはやふる 結び』の佐野勇斗さんの主演で実写映画化した青春ラブストーリー。ちなみに、「青夏」は「Ao-Natsu」と読む。

夏休みの間、大自然の田舎で過ごすことになった都会育ちの女子高生・理緒は、そこで地元の男子高校生・吟蔵と出会う。「夏限定」の恋の行方は?

人気スパイアクション映画やミュージカル映画も公開

8月3日公開の『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は、トム・クルーズさん主演の人気スパイアクション『ミッション:インポッシブル』シリーズ第6作。

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』
8月3日(金)全国ロードショー
配給:東和ピクチャーズ
©2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

何者かにより複数のプルトニウムが奪われる事件が発生。世界の3つの都市が核の標的になってしまう。イーサン・ハントとIMFのチームは、核爆発を未然に防ぐため、72時間という限られた時間と少ない手がかりをもとに、正体不明の敵を追うが、いくつもの「フォールアウト」がハントに降りかかる。ちなみに、本作のタイトルにもなっている「Fallout」には、核爆発後の「放射性降下物」や「副産物」、「予期せぬ余波」などの意味がある。

シリーズを通して数々のスタントに挑んできたクルーズさんだが、今作ではヘリコプターを自ら操縦するアクションシーンで、アクロバット飛行にも挑戦。また、英ロンドンでビルの屋上から別のビルに飛び移るスタントでは、建物の側面に激突して右足首を骨折する大けがを負ったが、同シーンはそのまま映画で使われている。ちなみに、7月3日には、クルーズさんは筆者と同い年の56歳の誕生日を迎えた。「ローマへの道は一日にしてならず」と言うが、クルーズ氏の「キレ」のあるスタントも日々の鍛練の成果と言えそうだ。

クルーズさんは17日には、自家用ジェットで羽田空港に到着。来日は『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』以来約2年ぶり、実に通算23回目。18日には東京ミッドタウン日比谷で開催されたジャパンプレミアイベントに出席、2時間近くかけて約1,000人のファンと交流。サインや記念写真、握手にも気軽に応じた。人気の裏にはこうしたクルーズさんのサービス精神たっぷりのファンサービスもありそうだ。

ちなみに、東京ミッドタウン日比谷は今年3月にオープンしたが、筆者が20歳代に5年ほど通勤していた銀行の本店ビルの跡地に建てられており、感慨深いビルだ。

『オーシャンズ8』
8月10日(金) 全国公開
配給:ワーナー・ブラザース映画
©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., VILLAGE ROADSHOW FILMS NORTH AMERICA INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

8月10日公開の『オーシャンズ8』は、ジョージ・クルーニーさん、ブラッド・ピットさん、ジュリア・ロバーツさん、マット・デイモンさんといった超豪華な出演陣が話題の『オーシャンズ』シリーズを、新たにオール女性キャストで描くクライム・エンタテインメント。

史上最強の犯罪ドリームチーム「オーシャンズ」を率いたカリスマ的リーダー、ダニー・オーシャンの妹デビーが仮釈放された。出所したデビーは犯罪プロフェッショナルである7人の女性に声をかけ、ニューヨークで開催される世界的ファッションイベント「メットガラ」の会場で1億5,000万ドルの宝石を盗み出すという前代未聞の計画を実行に移す。デビー役のサンドラ・ブロックさんほか、ケイト・ブランシェットさん、アン・ハサウェイさんら豪華女優陣が共演。

『銀魂2 掟は破るためにこそある』
8月17日(金)全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
©空知英秋/集英社 ©2018 映画「銀魂2」製作委員会

8月17日公開の『銀魂2 掟は破るためにこそある』は、空知英秋氏による人気コミックを小栗旬さん主演、福田雄一監督で実写映画化し、2017年の邦画実写でナンバーワンの38.4億円の興収を記録した『銀魂』の続編。原作の「真選組動乱篇」と「将軍接待篇」を融合させたストーリーが展開される。

主人公の坂田銀時を演じる小栗さんのほか、菅田将暉さん、橋本環奈さんら豪華主要キャストがそろって続投。金欠で家賃も払えない万事屋3人は、ついにバイトを決意するが、行く先々のバイト先でなんと天下の将軍様と遭遇する羽目に。同じ頃、真選組は内紛劇により、近藤たちは真選組始まって以来の危機に迫られる。やがてそれは将軍をも巻き込む陰謀につながり、江戸中で大騒動が勃発する。

『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』
©Universal Pictures

8月24日公開の『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』は2008年公開の大ヒットミュージカル映画『マンマ・ミーア!』の続編。

20歳の花嫁ソフィ(アマンダ・セイフライドさん)がまだ見ぬ父親とバージンロードを歩くことを夢見て、母親ドナ(メリル・ストリープさん)に内緒で父親探しをはじめたことから起きる騒動を描いたのが前作だが、本作では10年後の現在と、1979年に母親が娘の父親候補と出会った青春時代を交錯させながら描く。若き日のドナ役は『シンデレラ』のリリー・ジェームズさんが演じる。本作でも、ドナがABBAのヒット曲「When I Kissed The Teacher」を歌い、周囲を巻き込んでの大合唱になっていくシーンは圧巻。

3人の「父親候補サム、ハリー、ビル」を演じたピアース・ブロスナンさん、コリン・ファースさん、ステラン・スカルスガルドさんも出演。ちなみに最初の2人は、「007ジェームズ・ボンド」と「キングスマン:ガラハッドのハリー・ハート」役と何れも英国スパイを演じている。スカルスガルドさんは『アベンジャーズ』シリーズの「エリック・セルヴィグ教授」役が有名。

前作は世界興行収入6億9百万ドルの大ヒットを記録したが、『グレイテスト・ショーマン』等近年、我が国ではミュージカル映画が人気化していることから、往年のABBAファン含め、こちらも夏休み後半の映画館を賑わせそうだ。

なお、同作品の製作総指揮には、トム・ハンクスさんも名を連ねており、16日にロンドンで開催されたワールド・プレミアにはメリル・ストリープさんと仲良く登場した。本年3月公開の『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』のワールド・プレミアに似た雰囲気に。

自然災害を「想定外」とする訳にはいかない

2018FIFAワールドカップ・ロシア大会は、様々な意味で「想定外」の結果に終わったが、もはや台風や豪雨、地震等の異常気象や自然災害を「想定外」とする訳にはいかないだろう。

単に人命の危険だけでなく、世界経済や安全保障等にも大きな影響があるからだ。「アラブの春」後の中東の混乱も背景に異常気象があったとする見方がある。

また、WEF(世界経済フォーラム)が毎年1月に公表しているグローバルリスクレポートで、今後10年間に世界が直面するリスクに関して、発生する可能性の高いリスク第1位は「異常気象現象(環境リスク)」、影響があるリスク第1位は「大量破壊兵器(地政学的リスク)」が挙げられた。どちらも2年連続で第1位。

アンケート調査に応じた経営者やエコノミストらは、気候変動がもたらすフォールアウト(予期せぬ余波)を強く意識していると言えそうだ。

気象の景気への影響に関しては、一般に「夏は暑く、冬は寒い」方が個人消費等景気にはプラスとされる。但し、程度次第だろう。筆者は前週、豪雨に見舞われた岐阜県を訪問したが表面的に大きな被害は見受けられなかったが風評被害等もあり、ホテル等にはキャンセルも出ていたようだ。また、酷暑は特に高齢者等の外出の抑制要因となろう。大型台風の来襲も心配だ。

気候変動がもたらすフォールアウトには何があるのだろうか?証券アナリストとしては、経済や金融市場への影響を予測するのが使命だが、流石に体温を上回る猛暑の中では、よいアイデアも浮かばない。

気象庁が発表している最高気温は原則、電気式温度計を用いて、芝生の上1.5mの位置で観測されている。電気式温度計は、直射日光に当たらないように、通風筒の中に格納、通風筒上部に電動のファンがあり、筒の下から常に外気を取り入れて、気温を計測している。直射日光を浴びる路上では、実際の体感温度は気象庁発表の気温を5〜10度程度上回っているとみた方が良いだろう。熱中症等に気を付けつつ、被災地での観光等も(現地の状況を勘案しつつ)予定通り実施するなど、なるべく平常通り行動することが、景気等にはむしろプラスかもしれない。

酷暑の今夏は冷房の効いた映画館でホラーやアクション映画を観て、肝を冷やすのが正解か

既に酷暑となっている今夏だが今後も暑さが続くことが予想されることに加え、亜熱帯地方で降るスコールのような大雨も日本各地で発生している。例年、このシーズンのお決まりのフレーズになったが、今夏も冷房の効いた映画館でホラーやアクション映画を観て、肝を冷やすのが正解ではないか?

ちなみに通常上映の入場料金は、夫婦どちらかが50歳以上であれば2人で2,200円、60歳以上のシニアは1人でも1,100円。他にも映画館によって、映画の日割引やレディースデー割引、会員デー割引等の様々な割引がある。席の予約もインターネットで事前に可能なことを勘案すれば、映画は老若男女が楽しめるリーズナブルな娯楽と言えるだろう。

末澤 豪謙 プロフィール

末澤 豪謙

1984年大阪大学法学部卒、三井銀行入行、1986年より債券ディーラー、債券セールス等経験後、1998年さくら証券シニアストラテジスト。大和証券SMBC金融市場調査部長、SMBC日興証券金融市場調査部長等を経て、2012年よりチーフ債券ストラテジスト。2013年より金融財政アナリスト。2010年には行政刷新会議事業仕分け第3弾「特別会計」民間評価者(事業仕分け人)を務めた。日経債券アナリストランキング、14年連続10位内ランクイン。日経財政アナリストランキング2位(2004年〜2006年)。財政制度等審議会委員、国の債務管理の在り方懇談会委員、地方債調査研究委員会委員。趣味は、映画鑑賞、水泳、スキューバダイビング、アニソンカラオケ等。

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