アナリストの忙中閑話【第87回】

アナリストの忙中閑話

(2018年8月16日)

【第87回】今夏のキーワードはエンドレス、終わりのない猛暑・台風に異次元緩和、夏休み映画第3弾

金融経済調査部 金融財政アナリスト 末澤 豪謙

今夏のキーワードは「エンドレス」

今夏のキーワードは「エンドレス(Endless)」ではないか。

東京では観測史上初めて6月(6月29日頃、速報値)に梅雨が明け、たまに、気温が下がるのは台風接近時。既に今年は台風19号が発生(16日現在)、8月までの発生数の平年値13.6個を上回った。8月は既に7個発生(平年値5.9個)。「猛暑と台風」が繰り返し、来襲しているのが今夏。気象庁の予報では、今年は残暑が厳しく、台風の接近やゲリラ豪雨は暫く続きそうな情勢だ。

気象庁の全国3か月予報では、8-10月期の平均気温は全国的に高め

7月25日に、気象庁が発表した「全国3か月予報(8月から10月までの天候見通し)」によると、「北・東・西日本では、暖かい空気に覆われやすく、向こう3か月の気温は平年並か高く、沖縄・奄美では、向こう3 か月の気温はほぼ平年並の見込み」と、全国的には高めと予想されている。

8-10月は太平洋高気圧が平年よりも北側で強く、上空の偏西風は日本付近から太平洋にかけて平年より北を流れると見込まれ、北・東・西日本では暖かい空気に覆われやすい見込み

同じく気象庁が8月9日に発表した「全国1か月予報(8月11日から9月10日までの天候見通し)」では、向こう1か月の平均気温は、東日本と西日本で高い確率70%、北日本で高い確率50%、沖縄・奄美で高い確率40%と、全国的に高めの予想。

気象庁によると、今年の8-10月は、全球で大気全体の温度が高く、フィリピン東海上の海面水温が高いため、太平洋高気圧が平年よりも北側で強く、南側で弱く、上空の偏西風は日本付近から太平洋にかけて平年より北を流れると見込まれている。結果、北・東・西日本では暖かい空気に覆われやすい見込みとのこと。「終わりなき猛暑」ではないが、残暑が厳しくなる可能性が高そうだ。

日本銀行、市場のきしむ音に配慮して、金融政策を修正

一方、7月30・31日に開催された日本銀行の金融政策決定会合では、日銀は金融政策の修正を決定。主な修正点は、①フォワードガイダンスの導入、②長期金利の変動幅の拡大(±0.1%⇒±0.2%、③マイナス金利の政策金利残高の圧縮(10兆円⇒5兆円)、④ETFの銘柄別買入額の見直し。

日銀は、今回の政策修正の目的として異次元緩和(長短金利操作付き量的・質的金融緩和)の持続性の強化を挙げたが、会合後の会見では、政策修正の背景として、黒田総裁が国債取引の不成立に再三言及した。

実は、今年に入り、日本相互証券(BB)での新発10年国債の取引不成立日が既に6日に達している(8月16日現在)。2017は2回、2014年から2016年は1回、2013年はゼロだったことを勘案すると、今年は突出して多い。

取引不成立は、次の3つの要因により国債市場の流動性が低下していることが背景と思われる。

第1に、異次元緩和の累積効果により、2018年3月末段階で、日本銀行は、国庫短期証券を除く利付国債残高の43.9%と、4割強を保有、民間金融機関等が保有する市中国債残高の減少が続いていることだ。

第2に、長短金利操作付き量的質的金融緩和(YCC)政策の影響で、10年国債利回り(長期金利)は0.0%台での安定推移が続き、投機(スペキュレーション)的売買及びヘッジ売買のニーズが大幅減少、裁定取引(アビトラージ)の機会も減少していた。

第3に、本年5月から、国債取引の決済期間がT+1(約定日の翌日に受け渡し)となり、新発10年債も翌日発行(本格的には7月から)となり、業者がポジションを抱える必要がなくなった。一方、投資家サイドでは、T+1対応が未済のケースもあり、新発債及び既発債ともに、売買高の減少要因となっているものと考えられる。

但し、総裁は過去一貫して、異次元緩和の長期化にも関わらず、国債市場の流動性や市場機能にはさしたる問題はないとの認識を示していただけに、やや違和感を覚えた。さすがに取引不成立が頻繁する状況に危機感を抱いたのか、若しくは、もう一つの副作用として指摘されている金融機関の収益悪化を政策修正の理由として挙げたくなかったのか、定かではないが、ここへきて市場機能の低下が政策修正の大義名分に登場したのは確かだろう。

但し、市場機能の低下は一挙に進むものではなく、累積的なものだ。なぜ、このタイミングなのかについては、明確な説明はなかった。敢えて言えば、物価上昇率の先行きの見通しを引き下げる中、異次元緩和の長期化が必至となったため、持続可能性を高めるためということだろうが、手段と目標の優先順位が逆転しているようにも思える。当初2年で2%の物価上昇の到達が可能としてスタートした政策が5年半近くたった今日、今回の政策修正により、目標が達成できるとは常識的には考えにくいのではないか。

むしろ、政治スケジュールが影響した可能性が高いのではないか。今年の日銀の金融政策決定会合の開催日(2日目)は、7月31日の次は9月19日、10月31日、12月20日となる。自民党総裁選の投開票日は9月20日との見方があり、11月6日には米中間選挙が控えている。12月下旬はクリスマス休暇と年末・年始の休暇等の影響で、為替相場等が変動しやすい。2019年は4月には統一地方選、7月には参院通常選挙、10月には消費増税を控えており、益々政策変更はおろか、修正も難しくなる。

政策の微修正と言っても、為替市場や株式市場がどのような反応を示すかはわからず、米株価や米景気も堅調な中、今回の会合で急遽、決定した可能性が高いのではないか。とすると、次回の本格的な政策変更までの距離感は相当遠いとも言えそうだ。

黒田日銀総裁の会見を聞いていた際、頭によぎった歌、「Endless Game」

実は、今回の日銀の決定や黒田日銀総裁の会見を聞いていた際、筆者の頭によぎった歌がある。それは、「Endless Game」。「嵐」ファンには申し訳ないが「嵐」の持ち歌ではなく、現在、映画『未来のミライ』の主題歌「ミライのテーマ」と「うたのきしゃ」がヒットしている山下達郎氏の作詞作曲で、TBS系列で1990年に放映された『誘惑』の主題歌の「Endless Game」だ。

歌の冒頭は「心の中できしむ音がきこえるでしょ 重ねた白い指がふるえたから」でスタートするが、今回の政策修正の発端ないし大義名分は、国債市場における新発10年国債の取引が業者間で不成立となる日が相次いだことにあると考えられる。言わば「市場のきしむ音がきこえるでしょ、国債取引不成立が続いたから」。

「Endless Game」の2番は「いつかはこんな風になる気がした」で始まる。日銀は当初、異次元緩和の導入により、「2年程度で、2%の物価上昇を達成できる」としていたが、当時、市場で「2年で物価上昇が2%に達する」と予想していた向きは、皆無とは言わないが、少数派であり、筆者を含め多数の参加者は、異次元緩和の長期化により、いつかは政策の修正が必要となると見込んでいた。

同日発表の展望レポートで、2018年度(政策委員見通しの中央値+1.3%⇒+1.1%)、2019年度(同消費税率引き上げの影響を除くケース+1.8%⇒+1.5%)、2020年度(同+1.8%⇒+1.6%)の物価見通し(除く生鮮食品)を引き下げ、2%とのかい離を拡大させる一方で、YCCの操作水準を引き上げたのでは、論理的説明ができないばかりか、長期金利の上昇や円高・株安を招くおそれがあった。実際、事前報道を受けた7月23日の東京金融市場では、長期金利が上昇、円高・株安が進行した。

然るに、今回、政策のタイトルを「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」と打ったことは、「終わりのないゲーム(It's The Endless Game)」ならぬ「終わりのない異次元緩和(It's The Endless QQE with Yield Curve Control」の継続を宣言したに等しい。

異次元緩和の出口のハードルは、まずは、2019年10月の消費増税だが、2020年度段階で消費者物価(除く生鮮食品)の見通しが、政策委員の大勢見通しで+1.5%〜+1.8%、中央値で+1.8%に過ぎないことを勘案すると、微修正、微調整を除く、本格的な出口戦略の発動時期は、現状、見通せないと言えそうだ。

日銀や政府も金融政策の限界を認め、日本国及び日本経済の「アンチ・エイジング」策にギアを入れ替えるべき

異次元緩和は、アベノミクスの「第1の矢:大胆な金融政策」そのものでもある。今回、日銀は、異次元和緩和に関し、安倍政権と命運をともにすることを改めて、宣言したとも言える。

「Endless Game」の歌詞の「夜明けの街並みへと やがてあなたは消えて行く 途切れた夢のかけら ここに置き去りにしたまま」のようにはならず、向こう数年以内に、消費者物価が安定的に2%に到達し、晴れて、日銀が「出口宣言」をできる環境になる可能性は低いと言えそうだ。

一方、少子高齢化やグローバル化等によって、2020年代後半以降、消費者物価指数が2%以上に上昇した際には、もはや、「出口」などと悠長なことは言っておられず、日本国・日本経済にとって「最大の危機」の「入口」への対応が問題となっている可能性が高いのではないか。なお、南海トラフ地震や重大な地政学的リスクの発生の場合、そのタイミングが早まる可能性も頭の片隅に置いておくべきだろう。そろそろ、日銀や政府も金融政策の限界を認め、所詮「時間稼ぎ」と認識した上で、日本国及び日本経済の「アンチ・エイジング」策、具体的には次元の異なる少子化対策や、日本の強み・潜在能力を極限まで発揮する産業振興策、次元の異なる成長戦略の推進にギアを入れ替えるべきではないか。

NHK大河ドラマ第57作『西郷どん(SEGODON)』、後半戦は維新に向けて、展開がスピードアップ

日本経済がある意味、次元の異なる成長を遂げたのは、明治維新後と言えるが、今年のNHK大河ドラマは幕末から維新期が舞台となっている。ちょうど後半戦に入ったばかりのNHK大河ドラマ第57作『西郷どん(SEGODON)』だ。

原作は林真理子さん、脚本は中園ミホさん。今年は、1868年(明治元年)の明治維新から150年目にあたり、また、近年、NHKの大河は男女で主人公を交替させていること、同じく明治維新の功労者である坂本龍馬は維新100周年の1968年と2010年に2度、主人公として登場していることから、西郷が主人公となったとみられる。なお、1990年には司馬遼太郎原作の第28作『翔ぶが如く』で西郷隆盛が登場するが、同作は大久保利通とのダブル主人公。主演は西田敏行さんと鹿賀丈史さんだった。西郷を演じていた西田さんが『西郷どん』ではナレーションを担当している。ということで主人公は、明治維新の立役者の一人、西郷吉之助(隆盛)。

私も歴史には詳しい方と自負しているが、西郷が奄美大島、徳之島、沖永良部島と計5年間も流刑となっていたことは初めて知った。寿命が現在よりも大幅に短く、医療も進歩していない当時、5年間を離島で暮らすのは相当困難だったと思われる。実は3島とも学生時代にバック・パックを背負って、フェリーで訪れたことがある。当時の島の人々の温かさとともに、青い海、白い砂、そして黒糖焼酎などが、今でも記憶に残っている。地球温暖化や環境汚染が進む前に、訪問を是非お奨めしたい。

本作で、西郷吉之助(隆盛)を演ずるは、鈴木亮平さん。本コラムでも、2015年公開の『俺物語』の主役として紹介したが、出演作ごとに体重を数十キロ増減させたりするなど、ストイックな性格で知られる。

瑛太さん演じる大久保一蔵(利通)や松田翔太さん演じる一橋慶喜(徳川慶喜)、青木崇高さん演じる島津久光らに加え、後半戦からは、玉山鉄二さん演じる桂小五郎、遠藤憲一さん演じる勝海舟、小栗旬さん演じる坂本龍馬、笑福亭鶴瓶さん演じる岩倉具視らが登場、維新に向けて展開がスピードアップすることになる。後半戦における一段の盛り上がりに期待したい。

夏休み映画特集第3弾、『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』が3週連続でトップ

以下は、夏休み映画特集最終回、第3弾。

『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』
©2018「劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」製作委員会

前週末(8月11・12日)の週末観客動員数第1位は、7月最終週と8月第1週に続き、3週連続でトップとなった『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(興行通信社調べ)。累計では早くも動員406万人、興収52億円を突破している。

本作は、フジテレビ系で過去3シーズンにわたって放映されたテレビドラマの劇場版。公開翌日の土曜日にテレビで劇場版に繋がる「コード・ブルー 特別編 -もう一つの戦場-」が放送された。実は当該ドラマのサードシーズンをほとんど見ていなかったので、特別編を見てから翌日の日曜日に鑑賞したところ、登場人物や話も繋がり、一段と楽しめた。高視聴率のドラマを映画化する際に、再放送だけでなく、新作の特別版を公開直前にテレビで放映する方式は今後も活用できそうだ。

第2位は、前月号で特集した『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』。既に試写会と映画館とで、2度鑑賞したが、筆者と同じ年(56歳)のトム・クルーズさんの全力疾走を見ると、こっちまで、元気が湧いてくる。毎年出場している秋の年齢別水泳大会に向けて、泳ぎ込もうかとも思うが、数年前、試合直前に「ぎっくり腰」になった反省もあり、ここは、慎重に。今年の猛暑が景気に与える影響のように、何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」か。

第3位は、やはり前月号で取り上げた『インクレディブル・ファミリー』。その名の通り、家族での鑑賞にお奨めの作品。既に、2018年の世界興収は10億8,980万ドルで第4位の大ヒット(8月15日現在、Box Office Mojo調べ)。

第4位は、6月号で取り上げた『ジュラシック・ワールド/炎の王国』。既に、2018年の世界興収は12億7,990万ドルで第3位の大ヒット(同上)。

第5位は、前月号で取り上げた『オーシャンズ8』。ニューヨークのメトロポリタン美術館を舞台に豪華な宝飾品やドレスがふんだんに登場。特に女性にお奨めの作品。

製作費250万円、撮影期間8日間の邦画がヒット

『カメラを止めるな!』
©ENBUゼミナール

前週(8月4・5日)に第10位と、公開7週目にして初のランクインを果たした『カメラを止めるな!』は11位。わずか2館で初日を迎え、満席が続くヒットから7週目にして16館に拡大興行となり、現在は150館以上に拡大。

筆者も遅ればせながら今週、鑑賞してきた。初めの37分は、それこそ自主制作映画に毛が生えたようなチープな映像で見てる方が心配になったが、後半は劇場が笑いに包まれ、上映後は拍手も。なお、映画のキャッチフレーズは「最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる。」「無名の新人監督と俳優達が創ったウルトラ娯楽作」。約500席の日比谷の大スクリーンが終日ほぼ満席状態だっただけに、今週末は再度10位内ランクイン濃厚か。

メガホンを取ったのは本作が初の劇場長編作品となった上田慎一郎監督(34)。監督&俳優養成スクールのENBUゼミナールの「シネマプロジェクト」第7弾作品。出演者はオーディションで選ばれた無名ないし新人俳優。映像からもお金がかかっていないのは明らかだが、製作費は250万円ぐらいで撮影期間は8日間(上田監督、リハーサルを除く)。米ハリウッドの大作とは対極をなす映画と言えそうだが、物量に勝るハリウッドに対抗するには、アイデアで勝負するしかないという証左でもあろう。

ちなみに、本作品はゾンビ映画だが、あまり怖くはないので、ホラーが苦手の方でも大丈夫。怖さなら、前月号で紹介した『ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談』(公開中)や9月28日公開の『クワイエット・プレイス』の方が断然怖い。後者は来月号で特集予定。

夏休み終盤にも内外の話題作が続々公開

夏休み終盤に封切られる映画では、『検察側の罪人』が8月24日に公開される。元「SMAP」の木村拓哉さんと「嵐」の二宮和也さんの初共演で、雫井脩介氏の同名ミステリー小説を映画化。『日本のいちばん長い日』『関ヶ原』などの原田眞人監督がメガホンをとった。ある殺人事件を巡り、エリート検事と新米検事の2人の検事の対立を描いた作品。

『アントマン&ワスプ』
2018年8月31日(金)公開
©Marvel Studios 2018

8月31日公開の『アントマン&ワスプ』は『アベンジャーズ』の一員でもあるマーベルのヒーローとヒロインだが、身長は僅か1.5センチ。但し、巨大化も可能。大きさというより、性格面で頼りなさすぎるヒーロー・アントマンと完璧すぎるヒロイン・ワスプを主人公としたバディ・アクション・ムービー。ちなみに、アントは蟻、ワスプは蜂(正確にはみつばち等花蜂を意味する「ビー」ではなく、「ワスプ」は捕食性の大型蜂の名称)。

なお、アントマンは2016年公開の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』に登場、巨大化もしたが、本年4月に公開された『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』には登場しなかった。同作では『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の騒動を受けて司法取引を行い、現在は自宅軟禁状態にあるとされていた。本作は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』以前の設定であり、その辺りの事情が説明されている模様だ。

がん予防、いつやるか?今でしょ!

『君の膵臓をたべたい』
2018年9月1日(土)全国公開
©住野よる/双葉社
©君の膵臓をたべたい アニメフィルムパートナーズ

9月1日公開の『劇場アニメ「君の膵臓をたべたい」』は2016年の本屋大賞で第2位を獲得した住野よる氏の人気小説のアニメ化作品。略称は「キミスイ」。2017年7月には実写映画が公開され大ヒット。膵臓の病を患って余命いくばくもない女子高校生の山内桜良と、彼女が書いた秘密の闘病日記「共病文庫」を見つけたクラスメイトの「僕」が、ともに過ごす儚い時間を描く。

医学の進歩にも関わらず、膵臓がんだけは、今なお、自覚症状後の発見は手遅れというケースも少なくない。5年相対生存率は7.9%と胃がん65.3%、大腸がん72.2%、全部位平均59.1%と比較して突出して低い(国立がん研究センター、男性2006年〜2008年診断例)。

今月8日には、4月に膵臓がんの手術を受け、治療中だった沖縄県の翁長雄志知事が死去した。67歳だった。また、1月4日には、中日ドラゴンズ、阪神タイガース、楽天イーグルスの監督等を務めた星野仙一さんがやはり膵臓がんで亡くなっている。70歳だった。ご両名のご冥福を祈りたい。

医者の勧めによると、がんの予防には、タバコを控え、アルコールを取り過ぎず、食生活を改善した上で、軽めの運動をしたり、ストレスを発散し、紫外線をさけることが重要とのことだ。

健康は、日銀の金融政策同様、累積効果が特に年齢を重ねてから表面化する。「がん予防、いつやるか?今でしょ!」。

9月7日には『MEG ザ・モンスター』が公開される。MEG(メグ)は「魔女っ子メグちゃん」ではなく、恐竜の時代から海を支配してきた最恐の巨大ザメ「メガロドン」。体長23m、体重20トンと、1975年公開の『ジョーズ』に出てくる体長8m、体重3トンの巨大ホオジロザメの約7倍の重量。ちょうど、1970年代の大手銀行1行が現在のメガバンクに統合・成長したようなものか?主演は『トランスポーター』シリーズのジェイソン・ステイサムさん。

マンガ大賞受賞作も相次いで実写映画化

『泣き虫しょったんの奇跡』
2018年9月7日(金)全国公開 
©2018『泣き虫しょったんの奇跡』製作委員会 ©瀬川晶司/講談社

同じく9月7日公開の『泣き虫しょったんの奇跡』は豊田利晃監督、主演松田龍平さんで、棋士瀬川晶司五段の自伝的小説「泣き虫しょったんの奇跡」を映画化。小学生のころから将棋一筋で生きてきたしょったんこと瀬川晶司の夢は、「26歳までに四段昇格」という年齢制限の壁にぶつかりあっけなく断たれた。将棋と縁を切りサラリーマンとして暮らしていたしょったんは、アマ名人になっていた親友ら周囲の人々に支えられ、将棋を再開することに。

2016年公開の『聖の青春』、2017年公開の『3月のライオン』2部作等、近年、将棋界を舞台にした実写映画が増えている。背景には、マンガを介して、実写映画化が進んだこともある。

『3月のライオン』は2011年のマンガ大賞受賞作だが、9月14日公開の『響‐HIBIKI‐』は、2017年マンガ大賞を受賞した柳本光晴氏の人気漫画「響 小説家になる方法」を実写映画化。主演は本作品が映画初出演となる「欅坂46」の平手友梨奈さん。

スマートフォン・SNSの普及により、活字離れは急速に進み、出版不況の文学界。そこに現れた一人の天才少女、彼女の名は『響』。15歳の彼女の小説は、圧倒的かつ絶対的な才能を感じさせるもので、文学の世界に革命を起こす力を持っていた。文芸誌「木蓮」編集者の花井ふみ(北川景子さん)との出会いを経て、響は一躍世の脚光を浴びることとなる。しかし、響は、普通じゃない。彼女は自分の信じる生き方を絶対曲げない。世間の常識に囚われ、建前をかざして生きる人々の誤魔化しを許すことができない。響がとる行動は、過去の栄光にすがる有名作家、スクープの欲だけで動く記者、生きることに挫折した売れない小説家など、様々な人に計り知れない影響を与え、彼らの価値観をも変え始める。余談だが、『響』は筆者が好きな国産ウィスキーの銘柄名でもある。

特殊部隊の通信兵が監督として復帰、『ザ・プレデター』

『ザ・プレデター』
2018年9月14日(金)公開
©2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

同じく9月14日公開の『ザ・プレデター』は1987年に第1作が公開された『プレデター』シリーズの第4作目で、第1作の続編。『アイアンマン3』のシェーン・ブラック監督がメガホンを取った。

1人の少年が謎の装置を起動させたことにより、「プレデター」を宇宙から呼び寄せるシグナルが発信された。再び人類の前に姿を現したプレデターは、ほかの種のDNAを利用し、遺伝子レベルでアップグレード。さらに、規格外のパワーを誇る「アルティメット・プレデター」までもが出現。

シェーン・ブラック監督は第1作で、アーノルド・シュワルツェネッガーさん演ずる主人公が指揮する特殊部隊の隊員ホーキンス役で出演した経緯。なお、同作では、通信兵のホーキンスは隊の中で最初にプレデターの襲撃を受け惨殺されることに。

『プーと大人になった僕』
2018年9月14日(金)公開
©2018 Disney Enterprises, Inc.

やはり9月14日公開の『プーと大人になった僕』は、ディズニーの人気キャラクター「くまのプーさん」を初めて実写映画化。大人になった親友クリストファー・ロビンとの再会と、その先に待ち受ける新たな冒険を描いたファンタジードラマ。ロンドンを舞台に、主人公の大人になったクリストファー・ロビンと、100エーカーの森を飛び出したプーさんと仲間たちが繰り広げる物語。親友プーさんとの奇跡の再会によって、クリストファー・ロビンが、忘れてしまった「本当に大切なモノ」を思い出すことに。『ネバーランド』のマーク・フォースター監督がメガホンを取った。

『スカイスクレイパー』
2018年9月21日(金)全国公開
配給:東宝東和
©Universal Pictures

9月21日公開の『スカイスクレイパー』は、「ザ・ロック」のリング名を持ち、『ワイルド・スピード』シリーズや『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』などの人気俳優、ドウェイン・ジョンソンさん主演のアクション映画。

元FBI人質救出チーム隊長のウィルは、ある事件で義足になったのをきっかけに、香港のビクトリア湾の一角に建つ超高層ビル「ザ・パール」の98階に家族とともに暮らしていた。ある日、ビルのオーナーであるツァオに呼び出されたウィルは、ビルの安全管理システムを24時間以内に分析してほしいと依頼され、ビルのセキュリティに関する権限を与えられるのだが、突如「ザ・パール」で大規模な火災が発生、警察からは事件の容疑者として指名手配されることに。

残暑の秋、食欲の秋

『食べる女』
2018年9月21日(金)公開
©2018「食べる女」倶楽部

今年は、残暑が長引きそうだが、9月と言えば、「食欲の秋」がスタートする。9月21日公開の『食べる女』は、人生に貪欲で食欲旺盛な女たちの心と体を満たす、おいしくて、楽しい宴の映画。

とある東京の古びた日本家屋の一軒家、通称「モチの家」。家の主は雑文筆家である、古書店を営む・敦子(トン子)。女主人はおいしい料理を作って、迷える女たちを迎え入れる。男をよせつけない書籍編集者、いけない魅力をふりまくごはんやの女将、2児の母であり夫と別居中のパーツモデル、ぬるい彼に物足りないドラマ制作会社AP、求められると断れない古着セレクトショップ店員、料理ができないあまり夫に逃げられた主婦、BARの手伝いをしながら愛をつらぬくタフな女・・・。筒井ともみ氏の短編小説集「食べる女 決定版」を映画化。小泉今日子さん、沢尻エリカさん、前田敦子さん、広瀬アリスさん、山田優さん、壇蜜さん、シャーロット・ケイト・フォックスさん、鈴木京香さんら豪華女優陣が共演。

エンドレス・サマー化で健康や景気への影響にも、一段と留意が必要に

今年は猛暑のせいか、筆者が会員になっているシネコン(シネマコンプレックス:複合映画館)の客の入りがいいようだ。同映画館は三井不動産系の大規模モールの中にあることから、猛暑でもゲリラ豪雨が来ても、家族で安心して過ごせることが受けているようだ。

本コラムでも毎年取り上げているように、地球温暖化の影響で、猛暑は毎年の恒例行事になりつつある。本年5月16日に亡くなった西城秀樹さんの1980年の歌に「エンドレス・サマー」というのがあったが、今年の関東甲信のように、梅雨明けが6月となり、残暑の影響で9月一杯、暑さが続くことになれば、夏が徐々に春や秋を侵食することになる。特に、今冬はエルニーニョ現象の発生で暖冬が予想されるため、エンドレス・サマー化しかねない。健康や景気への影響にも、一段と留意が必要となりそうだ。

末澤 豪謙 プロフィール

末澤 豪謙

1984年大阪大学法学部卒、三井銀行入行、1986年より債券ディーラー、債券セールス等経験後、1998年さくら証券シニアストラテジスト。大和証券SMBC金融市場調査部長、SMBC日興証券金融市場調査部長等を経て、2012年よりチーフ債券ストラテジスト。2013年より金融財政アナリスト。2010年には行政刷新会議事業仕分け第3弾「特別会計」民間評価者(事業仕分け人)を務めた。日経債券アナリストランキング、14年連続10位内ランクイン。日経財政アナリストランキング2位(2004年〜2006年)。財政制度等審議会委員、国の債務管理の在り方懇談会委員、地方債調査研究委員会委員。趣味は、映画鑑賞、水泳、スキューバダイビング、アニソンカラオケ等。

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