アナリストの忙中閑話【第89回】

アナリストの忙中閑話

(2018年10月25日)

【第89回】光あるところに影がある、トランプ大統領への審判は?秋の映画特集第2弾

金融経済調査部 金融財政アナリスト 末澤 豪謙

今月に入り、世界同時株安が再度進行、米株は金利上昇に弱い

今月に入り、世界同時株安が再度進行している。10月15日の日経平均株価はムニューシン米財務長官の日米貿易協定に為替条項を盛り込むとの発言等から大幅下落、前週末比423円安の2万2,271円で引けた。25日には米株の急落を受けて、日経平均株価も2万2千円を割り込み、前日比822円安の2万1,268円で引けるなど、その後も内外で株価は不安定な展開が続いている。

NYダウは10月第2週、1,100ドル下落、特に10日と11日の2日間で計1,377ドル下落したが、今回同様、米長期金利上昇後の2月5日の週には1,330ドル下落、5日には下落幅が過去最大の1,175ドル下落しており、似た展開となっている。米国は我が国と違い、個人金融資産における現預金の比率が小さい。金利上昇局面では、リスク資産から金利商品へのシフトが進み、結果として、株安等を招きやすいと考えられる。これは、過去最大の株価下落率となった1987年10月19日(月)の「ブラックマンデー」時にも見られた傾向だ。

過去の逆イールド局面と今回、トランプ政権のリフレ政策及び保護主義が逆イールドを阻む

但し、通常、金利上昇局面では、好景気を背景に米財政収支も改善する。いわゆるビルト・イン・スタビライザー効果により、国債の発行額は抑制される。一方でFRBの利上げが継続することから将来の景気減速・後退期待に加え、国債需給面からもイールドカーブはフラット化し、中立金利を超えた一定の水準では逆イールド化すると考えられる。

然るにトランプ政権は既に米経済の拡大局面が戦後第2位の長さ(丸9年、2018年6月)になる中、過去最大規模の大型減税を実施、一方で国防費の大幅拡大を実施したことで、米財政収支が悪化。加えて、FRBの国債保有残高が減少していることで、市中向けに国債が大増発されている。短期金利と長期金利のスプレッドが縮小するも、逆転に至らないのは、米国債の大増発の影響も大きいと考えられる。また、保護主義は海外からの米国債の需要を弱め、米国内の資金調達コストの上昇にも繋がっている。

トランプ政策の影の部分が表面化

経済財政学の常識からは異端とも見えるトランプ政策は、史上最高の株高、個人純資産の100兆ドル超え(2018年6月末時点で106.9兆ドル)、雇用市場の大幅改善(失業率は3.7%と、48年9か月ぶりの低水準)等をもたらしたが、長期金利の上昇等は、景気拡大の持続性に関しマイナスの影響を与えつつあるとも考えられる。

言わば「光あるところに影がある」の展開だが、トランプ大統領は11月6日の中間選挙、2020年の大統領選での再選を目指し、公約の実現に今後一段と邁進するとみられる。

今から2年前、2016年11月9日の東京市場では、トランプ勝利の第一報を受けて、日経平均株価は前日比919円安で引けた。NY市場ではトランプ氏のリフレ政策を好感して株高が続いたが、本邦株価やアジア株価が下落したのは保護主義的側面を警戒したとみられる。ちなみにトランプ氏の大統領選時の公約のトップ3は、「Pay for the Wall:壁の建設代金を支払わせる」「Healthcare Reform:医療保険制度改革」、そして「U.S.-China Trade Reform:米中貿易改革」だ。また、2015年6月16日、NYのトランプタワーで大統領選への出馬表明を行った際、トランプ氏は「日本は米国に何百万台もの車を送ってくるが、東京でシボレーを見たことがあるか」とし、「中国、日本、メキシコから米国に雇用を取り戻す」と訴えた経緯もある。

中間選挙終盤情勢、カバノー連邦最高裁判事の承認騒動の影響で、特に上院で共和党に持ち直しの動き

再来週の11月6日火曜日には米国で中間選挙が予定されている。ちなみに、米国で大統領選や中間選挙は、11月の第1月曜日の翌日の火曜日に投票が行われる。

前月号でも特集したように、「ロシアゲート」問題を抱えるトランプ大統領にとっては、結果次第では、自らが弾劾されかねない重要な選挙だ。力の入れ方も半端なく、日々、ツイッターや支持者の前で好調な米経済や株高等を自らの成果として声高に宣伝。中間選挙での接戦州主体に地方遊説も積極的にこなしている。

終盤の選挙情勢だが、カバノー連邦最高裁判事の承認騒動の影響で、中間選挙への共和党支持者の関心が高まったことで、共和党がやや持ち直しており、セクハラ疑惑を抱える同判事の承認に激怒する民主党支持者との間で、「ガチンコ」勝負の様相となっている。

上院は共和党が多数維持か、下院や知事選では民主党の支持者や女性の政治参画意識が高まり、民主党が優位に

政治専門サイトの「リアル・クリア・ポリティクス(RCP)」の予想(10月24日時点)でも、今回35議席が改選となる上院は、優勢は共和8に対し、民主21、トスアップ(五分五分)6。ちなみにトスアップ(Toss Up)とはコインを上に投げた時の表と裏が出る確率のように50対50の意味で大接戦を表している。トスアップ選挙区は現有共和2:民主4。非改選を含めると、優勢は共和50に対し、民主44、トスアップ6となる。トスアップ無の予想では、共和53に対し、民主47と、現在の勢力から共和が2議席増となる。

一方、下院(435議席)は、優勢が共和199に対し、民主205、トスアップ31。大接戦となっているトスアップ選挙区のうち、29選挙区は共和党が現有であり、共和党の議席減が濃厚。1か月前と比較すると、共和党がやや追い上げているが、依然、下院は民主党が多数派を奪還する可能性が高そうだ。

知事選は、優勢が共和22州に対し、民主20州、トスアップ8州。トスアップ無の予想では、共和26州に対し、民主24州とほぼ互角となる。現状は共和33州、民主16州、無所属1州であり、民主党が州レベルでも、勢力を回復する可能性が高い。

カバノー氏の連邦最高裁判事承認問題は、キリスト教福音派等共和党のコアの支持者の結束を強めたことで、共和党地盤州では、上院の民主党の現職が共和党の新人に敗れる可能性が高まっている。具体的には、ノースダコタ州とミズーリ州だ。結果、共和が2議席増となる予想だ。但し、上院でも、ヒスパニック等の人口が増えている州では、民主が議席を共和党から奪う可能性がある。具体的には、ネバダ州とアリゾナ州だ。この場合、最終的な勢力は共和51に対し民主49と、現有議席と同じとなる。仮に、テキサス州上院選に出馬している民主党のベト・オルーク下院議員(テキサス州第16区)が共和党現職のテッド・クルーズ議員に競り勝てば50対50となる可能性もある。なお、ベト・オルーク氏は選挙資金調達額が一時全米トップの6,170万ドルとなり、選挙結果次第では民主党の次期大統領候補との見方も浮上している。

民主党支持者の投票意欲が4年前の中間選挙時と比較して大きく上昇

一方、下院では、カバノー氏の連邦最高裁判事承認問題は、民主党支持者や無党派や共和党穏健派の女性の反感を買ったことで、民主が多数派を奪還する可能性をやや高めたと考えられる。

実際、ワシントンポストとABCニュースが10月8-11日に実施した世論調査では、有権者登録済の有権者のうち、「必ず投票に行くないし既に投票済」の割合は2014年10月の65%に対し、2018年10月は77%と12ポイント上昇。特に、民主党支持者では63%から81%に18ポイント上昇しているのに対し、共和党支持者は75%から79%の4ポイントの上昇にとどまった。無党派層も59%から72%に13ポイント上昇。特に若年層や非白人層での上昇が大きい。18-39歳は42%から67%に25ポイント上昇。非白人は48%から72%に24ポイント上昇。2016年の大統領選でも、若者や非白人層は、民主党のクリントン候補に投票した割合が高いことが出口調査等で明らかになっている。

本世論調査に基づけば、民主党支持者ないし無党派層における相対的民主党支持者の投票意欲が4年前の中間選挙時と比較して大きく高まっていることがわかる。

なお、下院に関しては、2010年の国勢調査に基づく「ゲリマンダー」ないし「ゲリマンダリング」の影響も指摘されるが、2016年の大統領選以降、民主党と共和党の支持層に変化がみられており、前回の中間選挙に比べると影響は軽減されていると考えられる。具体的には、従来、民主党の支持者であった低学歴・低所得の白人男性層が共和党にシフトする一方、高学歴・高所得の白人女性層が民主党にシフトする傾向がみられる。

米国の分断や混乱は、2020年の大統領選・議会選に持ち越されることに

仮に、事前予想通り、上院は現状維持ないし若干の共和議席増、下院は民主党が多数派を奪還、知事も拮抗することとなれば、米国の人口動態的には、共和党は2年後のみならず、長期的にも相当厳しい時代を迎えることになりそうだ。具体的には、共和党の上院の改選議員は次回以降急増する。民主党知事の下、下院の選挙区割も民主党が有利になるよう変更となる可能性が高いからだ。

何れにせよ、今回の米中間選挙は、保守とリベラル、共和党と民主党の溝を一段と深める可能性が高く、米国の分断状態や混乱は、2020年の大統領選・議会選に持ち越されることとなりそうだ。

「ネジレ議会」は米財政収支の一段の悪化を招く可能性、保護主義も継続か

中間選挙の結果、上院は共和党が下院は民主党が多数派という「ネジレ議会」となった場合、増税や社会保障費の削減といった法案は、与野党の反対で成立しないものの、国防費やインフラ投資等の歳出増に関しては、超党派の賛成票が集まり、財政収支が悪化、それが、金利上昇を招き、利払い費の増加等を招くという財政悪化スパイラルが続く可能性がある。また、保護主義は伝統的には、民主党の「お家芸」であり、この点に関しては、むしろ超党派で推進される可能性があろう。

2019年に向けては、内外株価や経済のピークアウトの可能性を慎重に見極める必要

過去の多くのケースで、米経済、また、世界経済のピークアウトは米株価の下落から始まっている。

足元、米国の実体経済は強いものの、トランプ政策が景気変動を大きくしていると見るならば、2019年に向けては、内外株価や経済に関しても、ピークアウトの可能性を慎重に見極める必要がありそうだ。

2019年のスギとヒノキの花粉飛散量は、全国平均で2018年春の3倍近くになる可能性

「秋の夜長」と言うが、気温の変化が激しいのもこの季節の特徴だ。「寝冷え」に伴う軽い風邪の症状なのか、寒暖差アレルギーなのか、このところ鼻がむずむずする。ちなみに、この時期は「イネ科」や「ブタクサ」アレルギーの可能性もあるが、以前の検査では反応はなかった。

反応が強いのが「スギ」及び「ヒノキ」、既に30年近く春の花粉症におつきあいした結果、花見に行く習慣がなくなり、春は最も嫌な季節になった。

花粉症仲間の間で警戒されているのが来春、2019年春の花粉の飛散。気象情報会社「ウェザーニューズ」によると、2019年のスギとヒノキの花粉飛散量は、全国平均で2018年春の3倍近くになる可能性とのこと。今夏の記録的猛暑の影響で、スギ・ヒノキの雄花が良く育つ環境が整い、東日本を中心に6年ぶりの大量飛散となる見通しだ。

花粉症患者は、今から、「舌下免疫療法」等、何らかの対策を行った方が良いかもしれないが、一番の対策は花粉に触れないこと。花粉症が酷い人は来春は屋外での行動をなるべく避けることが必要かもしれない。

その一つが映画。最近はモール等に設置されたシネコンも増えており、地下鉄からの直通や、車で地下の駐車場に向かえば、若干、花粉攻撃からの防衛力は高まることになろう。

秋の映画特集第2弾

ということで、秋の映画特集第2弾をお届けする。

『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』
10月26日(金)、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
配給:HIGH BROW CINEMA、ファントム・フィルム
© 小森陽一/集英社 © 2018 映画「オズランド」製作委員会

10月26日公開の『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』は、小森陽一氏原作の「オズの世界」を『SP THE MOTION PICTURE 野望篇/革命篇』の劇場版2部作などを手がけた波多野貴文監督が波瑠さんと西島秀俊さん主演で映画化。

超一流ホテルチェーンに就職した波平久瑠美(波瑠)に言い渡されたのは 系列会社が運営する地方の遊園地グリーンランドへの配属辞令だった。ふてくされながらも「魔法使い」と呼ばれる風変わりなカリスマ上司の小塚慶彦(西島秀俊)と個性的すぎる従業員たちに囲まれる日々を過ごすうち、少しずつ働くことの楽しさ・やりがいに気づいていく。知っているようで知らない「遊園地の舞台裏」を舞台にしたお仕事エンタメ映画。

『ビブリア古書堂の事件手帖』
2018年11月1日(木)全国ロードショー
© 2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会

11月1日公開の『ビブリア古書堂の事件手帖』は、シリーズ累計640万部を突破した三上延氏原作のライトミステリー小説を実写映画化。北鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂の店主・篠川栞子(しのかわ しおりこ)を黒木華さん、栞子に密かに思いを寄せる五浦大輔役を野村周平さんが演じた。

主題歌はサザンオールスターズの「北鎌倉の思い出」。桑田佳祐さん作詞・作曲。

『ヴェノム』
11月2日(金)全国ロードショー
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

11月2日公開の『ヴェノム』はマーベル最新作。「もう一人のスパイダーマン」とも呼ばれる凶悪ヴィラン(悪役)であるヴェノムを主役に据えた映画。なお、マーベルはディズニーが買収したことで、『アベンジャーズ』シリーズに見られるように、大半のキャラクターの映画化権はディズーが保有しているが、『スパイダーマン』同様、本作品配給はソニー・ピクチャーズ。ヴェノムは『スパイダーマン3』(2007年公開)にも登場している。主演はトム・ハーディさん、監督はルーベン・フライシャー氏が務めた。

7代目007ジェームズ・ボンド役を射止めるのはどのキャラクター?

なお、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年公開)で主役のマックスを演じたトム・ハーディさんは、次期「007ジェームズ・ボンド」の候補にも挙がっている。現在の6代目のジェームズ・ボンドはダニエル・クレイグさんが演じているが、2020年2月公開の『ボンド25(仮題)』で降板する予定。なお、『ボンド25(仮題)』には日系米国人のキャリー・ジョージ・フクナガ氏が監督として起用されることが決まっている。

問題は7代目のジェームズ・ボンドだが、アフリカ系英国人のイドリス・エルバさんやジェームズ・ノートンさん、ジャック・ヒューストンさん、トム・ヒドルストンさん、マイケル・ファスベンダーさん、ヘンリー・カヴィルさん、リチャード・マッデンさんらとともに、トム・ハーディさんの名前も挙がっている。実はこれらの候補の多くが、マーベルやディズニーのキャラクターを実写版で演じている。リチャード・マッデンさんは『シンデレラ』の王子役、イドリス・エルバさんは『マィテイ・ソー』シリーズのヘイムダル役、トム・ヒドルストンさんは同シリーズのロキ役で有名だ。マイケル・ファスベンダーさんは『X-MEN』シリーズの若き日のマグニトー役。ヘンリー・カヴィルさんは『マン・オブ・スティール』等でのスーパーマン役だ。

英調査会社ユーガブが9月に実施した世論調査では、黒人などの人種的マイノリティーがボンドを演じることについて、58%が「受け入れられる」、29%が「受け入れられない」と回答し、同性愛者も47%が賛成、40%が反対だった。一方、女性がボンドを演じるのは賛成36%に対し、反対51%だった。但し、「英国籍以外のボンド」は賛成は35%にとどまり、反対は53%に上った。ボンド役の投票ではイドリス・エルバさんが28%で首位。トム・ハーディさんが11%でこれに続いた。さて、7代目007ジェームズ・ボンド役を射止めるのはどのキャラクター?

『スマホを落としただけなのに』
公開日:2018年11月2日(金)
全国東宝系にてロードショー
© 2018映画「スマホを落としただけなのに」製作委員会

11月2日公開の『スマホを落としただけなのに』は志駕晃氏の同名ミステリー小説を『リング』の中田秀夫監督、北川景子さん主演で映画化。

彼氏の富田(田中圭)に電話をかけた麻美(北川景子)は、スマホから聞こえてくる聞き覚えのない男の声に言葉を失った。たまたま落ちていたスマホを拾ったという男から、富田のスマホが無事に戻ってきて安堵した麻美だったが、その日を境に不可解な出来事が起こるようになる。時を同じくして、人里離れた山の中で次々と若い女性の遺体が見つかり、事件を担当する刑事・加賀谷(千葉雄大)は、犯人が長い黒髪の女性ばかりを狙っていたことに気が付く。スマホを拾ったのは誰だったのか。連続殺人事件の真犯人はいったい誰なのか。そして明らかになる「奪われた麻美の秘密」とは?

スマホの置き忘れ、他人事では済まされない問題だ。だから、スマホは持たず、ネット・サーフィン等もやらないという人にお奨めの映画が11月9日公開の『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』。

「Mr.ビーン」で世界的に有名な英国の人気コメディアン、ローワン・アトキンソンさん主演によるスパイアクションコメディ『ジョニー・イングリッシュ』の7年ぶりとなるシリーズ第3作。大規模なサイバー攻撃によってイギリスの諜報機関「MI7」の現役スパイたちの情報が漏洩してしまい、隠居状態だったジョニー・イングリッシュが呼び出される。早速、事件を裏で操るハッカーを見つけだそうと任務に就くジョニーだったが、限られたスキルしかなく、アナログ人間な彼にとって、最先端テクノロジーこそが最大の脅威だった。

ちなみに、前述の「007ジェームズ・ボンド」は英国の諜報機関「MI6」に在籍している設定になっている。なお、「MI5(正式名称:保安局、Security Service、SS)」と「MI6(同:秘密情報部: Secret Intelligence Service、SIS)」は実際に存在するが、「MI7」は実在しない。

『GODZILLA 星を喰う者』
11月9日(金)全国公開
© 2018 TOHO CO., LTD. 

11月9日公開『GODZILLA 星を喰う者』は、アニメ版ゴジラシリーズ3部作の最終章。二万年後の地球で繰り広げられた「ゴジラ」とそれに抗う人類の物語。最終章では、超科学が生み出した「メカゴジラシティ」をも焼き尽くし、地上の覇者となった究極の生命「ゴジラ・アース」と高次元怪獣「ギドラ」が相まみえる。監督は、『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』の静野孔文氏と『亜人』の瀬下寛之氏。

『ボヘミアン・ラプソディ』
公開日:2018年11月9日(金)
© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

同じく11月9日公開の『ボヘミアン・ラプソディ』は、伝説のロックバンド「クイーン」のリード・ヴォーカルを務め、1991年に45歳の若さでこの世を去ったフレディ・マーキュリーにスポットを当てた伝記映画。『ナイト ミュージアム』シリーズでアクメンラー役を演じ、テレビドラマシリーズ『ミスター・ロボット』でエミー賞を受賞したラミ・マレックさんがフレディ役を演じた。なお、「クイーン」の現メンバーであるブライアン・メイ氏とロジャー・テイラー氏が音楽総指揮を務めた。

『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』
2018年11月16日(金)全国ロードショー
© 2018 SOLDADO MOVIE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

11月16日公開の『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』は本コラムでも取り上げたが、アメリカとメキシコの国境地帯で繰り広げられる麻薬戦争の現実を描き、アカデミー賞3部門にノミネートされた2015年公開の『ボーダーライン』の続編。同作品を見ると、2016年の大統領選でトランプ氏が掲げた公約の背景と勝利の要因の一端がわかる。

アメリカで市民15人が命を失う自爆テロ事件が発生した。犯人がメキシコ経由で不法入国したとの疑いをかけた政府から任務を命じられたCIA特別捜査官マットは、カルテルに家族を殺された過去を持つ暗殺者アレハンドロに協力を依頼する。前作同様、暗殺者役にベニチオ・デル・トロさん、マット役にジョシュ・ブローリンさんが出演。ちなみに、ジョシュ・ブローリンさんは2018年の世界興収トップで歴代世界興収も第4位となっている『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』では最強の敵「サノス」役を演じている。

『人魚の眠る家』
公開日:2018年11月16日(金)
© 2018「人魚の眠る家」製作委員会

11月16日公開の『人魚の眠る家』は、東野圭吾氏のベストセラー小説を映画化。『明日の記憶』の堤幸彦監督がメガホンをとった。篠原涼子さんと西島秀俊さんが演ずる離婚寸前の夫婦のもとに「娘がプールで溺れた」との知らせが届く。回復の見込みがないと診断され、深く眠り続ける娘を前に、奇跡を信じる夫婦はある決断を下すが、そのことが次第に運命の歯車を狂わせていく。

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』
11月23日(金・祝)3D/4D/IMAX(R)同時公開
配給:ワーナー・ブラザース映画
© 2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights © J.K.R.

11月23日公開の『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』は、ハリー・ポッターの新シリーズとして制作された映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の最新作。闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドによって魔法界に闇が広がっていた時代、主人公ニュート・スキャマンダーとその仲間たちが自分たちの信念でグリンデルバルドに立ち向かっていく物語が描かれる。主人公はエディ・レッドメインさんが続投するほか、グリンデルバルド役にジョニー・デップさん、若き日のダンブルドア役をジュード・ロウさんが演じた。

『ポリス・ストーリー/REBORN』
11/23(金・祝)TOHOシネマズ 日比谷他にて全国ロードショー
配給:ツイン
© 2017 HEYI PICTURES CO., LTD., PERFECT VILLAGE ENTERTAINMENT HK LIMITED, DADI CENTURY (BEIJING) CO., LTD., MANGO ENTERTAINMENT, CHEERFUL LAND PICTURES CO., LTD., YOUKU PICTURES (HK) CO., LIMITED ALL RIGHTS RESERVED

11月23日公開の『ポリス・ストーリー/REBORN』は、1985年の『ポリス・ストーリー/香港国際警察』、1988年の『九龍の眼/クーロンズ・アイ』、1992年の『ポリス・ストーリー3』等『ポリス・ストーリー』ユニバース10本記念最新作。

製作総指揮・主演を務めたのはアジアが誇るアクション・スター、ジャッキー・チェンさん。本作では、警察の制服に再び身を包み、世界初となるオペラハウス屋上での危険なスタントを始め、本物の銃&弾丸&火薬を使った街中での大規模な銃撃戦、多数の高級車を潰した路上での派手なカー・チェイスなど、黄金期を彷彿とさせるアクションにも果敢に挑戦し、お馴染みの主題歌「英雄故事」も新たにレコーディングしている。

光あるところに影がある、「光」が強まれば、相対的に「影」も濃くなる

昔(筆者が小学生時代)、流行った忍者アニメの主題歌は「光あるところに影がある」という有名なナレーションで始まる。

11月公開映画は人間が持つ「光と影」ないし「光と闇」を描いた作品が多いが、「現実は小説よりも奇なり」とも言う。

トランプ政策の矛盾に加え、サウジアラビア人ジャーナリスト・ジャマル・カショギ氏のサウジ政府工作員による殺害疑惑等、現実社会は、「光と影」の枚挙に暇がない。しかも、以前は表に出にくかった「影」の部分がIT技術の発達等で、リアルタイムで全世界に伝播することとなっている。

11月6日の米中間選挙の終盤情勢は、上院は共和党、下院は民主党と「ネジレ議会」となる可能性が高くなりそうだ。一方で、トランプ大統領は2020年の大統領選での再選を期すため、一段と大統領選時の公約の実現等、自らのコアの支持者向けの政策を推進することになろう。但し、「ネジレ議会」では新たな法制定が困難なことから、大統領権限の大きい外交・安全保障分野や通商・貿易分野に傾注する可能性が高い。

トランプ大統領は20日、米ソが1987年に調印した中距離核戦力(INF)全廃条約から離脱すると表明した。INF全廃条約は、射程範囲500〜5,500キロの核弾頭および通常弾頭を搭載した地上発射型の短距離および中距離ミサイルの廃棄を定めたもので、離脱理由に関し、トランプ大統領はロシアが条約に長らく違反してきたとするとともに、同条約に入っていない中国が戦力を増強するのに米国だけ条約を順守することは受け入れられないとした。

何やら、冷戦時代の軍拡競争に舞い戻りつつあるようだが、軍拡競争は軍事費の膨張により、旧ソ連の崩壊に繋がるとともに、米国もベトナム戦争等と相まって経済的な地位が低下する一因にもなっている。「光」が強まれば、相対的に「影」も濃くなる。世界的な軍備拡張路線が軍事・経済の両面で次の危機を招くことにならないか注視をする必要があろう。

末澤 豪謙 プロフィール

末澤 豪謙

1984年大阪大学法学部卒、三井銀行入行、1986年より債券ディーラー、債券セールス等経験後、1998年さくら証券シニアストラテジスト。大和証券SMBC金融市場調査部長、SMBC日興証券金融市場調査部長等を経て、2012年よりチーフ債券ストラテジスト。2013年より金融財政アナリスト。2010年には行政刷新会議事業仕分け第3弾「特別会計」民間評価者(事業仕分け人)を務めた。日経債券アナリストランキング、14年連続10位内ランクイン。日経財政アナリストランキング2位(2004年〜2006年)。財政制度等審議会委員、国の債務管理の在り方懇談会委員、地方債調査研究委員会委員。趣味は、映画鑑賞、水泳、スキューバダイビング、アニソンカラオケ等。

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