アナリストの忙中閑話【第94回】

アナリストの忙中閑話

(2019年3月22日)

【第94回】「オバマの再来」とグリーン・ニューディール、春休み映画特集、スポーツ界のラストサムライ現役引退

金融経済調査部 金融財政アナリスト 末澤 豪謙

2020年11月3日の米大統領選まで、まだ1年半以上もあるが、米国では既に相当な盛り上がり

2020年11月3日の米大統領選まで、まだ1年半以上もあるが、既に、米国では相当な盛り上がりを見せているようだ。

勿論、共和党は現職のドナルド・トランプ大統領が再選を目指し、予備選で勝利するとみられるが(共和党の対抗馬は現時点では1人)、対する民主党は立候補者が16名(21日時点、筆者集計)と、多数が乱立した前回大統領選の共和党候補者数を上回る勢いとなっている。

足元の世論調査では、ジョー・バイデン前副大統領(76)とバーニー・サンダース上院議員(77、バーモント州選出)が上位につけているが、今後、特に注目されるのが、3月14日に出馬表明を行ったベト・オルーク前下院議員(46)と、アレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員(29)だろう。

注目株は「オバマの再来」とされる民主党期待の新星ベト・オルーク氏と出馬資格のないアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員

オルーク氏は、メキシコ国境に隣接したテキサス州エルパソ生まれ。元パンクミュージシャンでエルパソ市議会議員を経て、テキサス州下院議員を3期6年務め、2018年の中間選挙では、レッドステート(共和党地盤州)のテキサス州上院選に出馬。現職で2016年の大統領選共和党予備選ではトランプ氏に次ぐ代議員を獲得したテッド・クルーズ候補を追い詰め、クルーズ氏がトランプ大統領に助けを求めたことで有名だ。

オルーク氏は「寛容」を旗印に、独特な演説で若年層等の支持を集め、草の根のインクルージョン運動を展開、小口献金による集金力でも群を抜き、「オバマの再来」として注目された。中間選挙後も米国全土を行脚、2020年大統領選への出馬動向が注目されていた。オルーク氏は14日朝、ビデオメッセージを通じて「全ての人々から最良のものを引き出し、分断されたこの国を一つにする」(14日付け時事通信)と出馬を宣言した。

オルーク氏は出馬表明から最初の24時間で、613万6,763ドル(約6億8,000万円)を集めた。初日で集めた金額としては、これまでに出馬を表明した民主党候補の中で最高額。同じく大統領選への出馬を表明したサンダース上院議員の初日の金額590万ドルを上回った。そのほか、カマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア州選出)が150万ドルを集めたとしている。

「グリーン・ニューディール」に民主党リベラル候補の多くが賛同、MMTにも脚光

一方、昨年の中間選挙でニューヨーク州の下院議員に当選した29歳のオカシオコルテス氏は大統領選への出馬資格はないが(米大統領候補の要件は@米国生まれ、A14年以上居住、B35歳以上)、現在、民主党の議員では最も注目されていると言える人物だ。同氏は2016年の大統領予備選時はバーニー・サンダース氏の事務所で働いた経験があり、民主社会主義者を自称するサンダース氏の主張に元々近い。

オカシオコルテス氏は2月、グリーン・ニューディール決議案を下院に提出。その骨子は、再生可能エネルギーへの大規模投資等で10年間で温暖化ガスの排出ゼロを目指すとともに、「メディケア・フォー・オール」、国民皆保険の導入を目指すというものである。実現には、前者に3兆ドル規模の投資が、後者は毎年3兆ドル規模の収入と、何れも莫大な財源が必要と試算されているが、「グリーン・ニューディール」には、大統領選への出馬表明を行っているリベラル派のバーニー・サンダース、カマラ・ハリス、エリザベス・ウォーレン(マサチューセッツ州選出)、キルスティン・ジルブランド(ニューヨーク州選出)、コリー・ブッカー(ニュージャージー州選出)の各連邦上院議員が支持を表明している。

また、オカシオコルテス氏の経済政策の理論的支柱の一つが今、米国で論議を呼んでいるMMT(現代金融理論:Modern Monetary Theory)だ。同理論の骨格は、自国通貨建ての国債はデフォルトしないとの理屈で、一段の財政出動を正当化するものだ。

今後、民主党予備選をオルーク氏がリードしていくのか、オカシオコルテス氏の影響力が強まるかによって、本選における民主党の勝利確率に影響するとともに、その後の米国の経済財政政策や米国の分断状況も大きく左右しかねないため、動向に注目したい。

今週、東京の最高気温は20度台に上昇、21日には桜が開花

今週、東京の最高気温は20度台に上昇。気象庁は21日、東京で桜(ソメイヨシノ)が開花したと発表した。平年より5日早く、昨年より4日遅い。20日に全国のトップを切って開花した長崎市に続き横浜市や福岡市でも開花した。3月は気温が高めに推移し、つぼみの成長が順調に進んだが、21日には南風が吹き込み、都心の最高気温は5月上旬並みの22.3度まで上昇。一方、沖縄地方では21日、宮古島市下地や石垣市盛山、多良間村仲筋3地点で3月の最高気温として観測史上最高となった。石垣市盛山では午後1時過ぎ、28.9度を観測、いわゆる「夏日」となった。

米国の中西部が大寒波に襲われる一方、オーストラリアでは記録的な猛暑

3月に入り、全国的に気温が急激に上昇してきたが、2月までの今冬も寒暖差、地域差等、ボラティリィティの大きさに特徴があった。今冬は、米国の中西部が大寒波に襲われる一方、オーストラリアでは猛暑により、2019年1月は観測史上最も暑い月となるなど世界各地で異常気象に見舞われた。

WMO(世界気象機関)によると、世界の2019年1月の平均気温は1981年から2010年の平均よりも0.4℃高かったが、特に高かったのはオーストラリアで、中東や東部シベリア、モンゴル、中国の北東部でも高かった。一方、平均以下の地域は北極海周辺の広い地域でみられた。北米では北極の寒気が気流の変化により流れ込んだため、米東海岸やカナダなど広い地域で低温となった。米中西部ミネソタ州では1月30日、氷点下53.9℃度の猛烈な寒さを記録した。一方、南半球ではオーストラリアが熱波に襲われ、アデレードで1月24日に最高気温46.6℃度を記録。降水量は平年の38%にとどまり、南部タスマニア州で山林火災が多発、4万ヘクタール以上が焼失した。

地球温暖化は、単に温暖化のみならず、異常気象を招く要因に

WMOのペッテリ・ターラス事務局長はレポートで「北極地方で大量の氷や雪が融解していることが北半球の気象パターンに影響している」とコメントしている。

近年、極渦(北極及び南極の上空にできる大規模な気流の渦、周極渦)の蛇行が指摘されているが、今年は、蛇行が著しく、北米や北海道を襲っている大寒波の要因になっている。背景に、地球温暖化で、北極海の氷が融解していることなどが指摘されている。地球温暖化は、単に温暖化のみならず、異常気象を招く要因と考えるべきだろう。

WEFのグローバルリスクでも近年、気候変動が主要なリスクに

2018年の世界の平均気温は、史上4番目の高温となったが、2014年以降の過去5年間が上位5位を占めていることを勘案すると、今後はかつての「異常気象」が恒常的に発生する可能性に留意する必要がありそうだ。

こうした気候変動や異常気象の問題は、WEF(世界経済フォーラム)でも、近年、グローバルリスクの上位に挙げられ、3年連続で「発生可能性の高いリスク」第1位となるほか、環境リスクが2年連続で、「発生可能性の高いリスク」と「影響が大きいリスク」の上位5位のうち、6割を占めるに至っている。

気候変動問題は2020年に向け、米大統領選等で、重要な政治課題に浮上する可能性

こうした世界的な気候変動への関心にも関わらず、米国のトランプ大統領が「地球温暖化はでっち上げ」とし、石炭や石油・天然ガス等の採掘を推進したことで、前述の通り、2020年の米大統領選で大きな政治テーマとなる可能性が高まっている。

「グリーン・ニューディール」の旗の下、地球温暖化防止のため、温暖化ガスの排出ゼロを目指し、自動車のエンジンを全て電気に切り替え、電源も再生可能エネルギーで賄うとすると、3兆ドル規模の投資が必要との試算もある。

一方、2月10日に出馬表明を行った穏健派で知られるエイミー・クロブチャー上院議員(ミネソタ州選出)は、「グリーン・ニューディール」について、10年で化石燃料を排除するといった目標は「願望」であり、実現性に乏しいとの見方を示しているが、トランプ政権が離脱を表明した「パリ協定」への復帰と、オバマ前政権による「クリーンパワー計画」の実行を公約にしている。

また、3月1日に出馬を表明したジェイ・インズリー・ワシントン州知事は、気候変動対策を主要公約に挙げると宣言した。

ベト・オルーク氏も出馬を決意した理由の一つとして、「米国の経済や民主主義、気候変動を取り巻く危機がかつてないほど深刻で、これらは相互に絡み合っている」点を挙げた。

このように、民主党候補は、リベラル派、穏健派を問わず、気候変動対策を大統領選の公約の柱に掲げる見込みだ。気候変動問題は2020年に向けて、今以上に重要な政治課題に浮上する可能性が高そうだ。

ボンドカーも電気自動車が採用

気候変動問題は映画の世界でも主要テーマになりつつあるようだ。

既に2004年公開の『デイ・アフター・トゥモロー』では、地球温暖化に伴う気候変動をテーマとし、本コラムでも特集した『不都合な真実2 放置された地球』(2017年公開)及び前篇の『不都合な真実』(2007年公開)は真正面から地球温暖化問題等を扱っているが、エンターテイメント映画にも波及してきたようだ。

2020年4月8日全米公開予定の『007』シリーズ25作目の最新作『Bond 25』(仮題)では、ジェームズ・ボンドが乗車するボンドカーはEV(電気自動車)になることが明らかとなった。英大衆紙サンが3月12日に報じた。新たなボンドカーは、英高級車メーカーアストン・マーチン製の初のEV「ラピードE」。価格は25万ポンド(約3,700万円)で155台の限定生産。環境保護活動に熱心な日系のキャリー・ジョージ・フクナガ監督(41)が選定した。映画の世界でも、いよいよ電気自動車が主流となる時代が始まったと言えそうだ。

なお、BBCは2月22日、『Bond 25』のタイトルは、『Shatterhand』となる可能性を伝えている。「Shatterhand」とはスペクター首領ブロフェルドの別名で、イアン・フレミング原作『007は二度死ぬ』では、エルンスト・スタヴロ・ブロフェルドが日本にガントラム・シャターハント博士として潜伏。妻の仇を討とうとするジェームズ・ボンドと死闘を繰り広げた。主演は次回作が最後となる可能性が高いダニエル・グレイグさん。

第42回日本アカデミー賞の授賞式が3月1日に都内で行われ、作品賞をはじめ最多8部門で『万引き家族』が最優秀賞を獲得

前月号では、第91回アカデミー賞を特集したが、第42回日本アカデミー賞の授賞式が3月1日に都内で行われ、最優秀賞が決定した。

作品賞をはじめ最多8部門で『万引き家族』が最優秀賞を獲得した。是枝裕和監督は昨年6部門で最優秀賞を獲得した『三度目の殺人』に続き、脚本賞、監督賞と個人としても2つの最優秀賞に輝き、プレゼンターとして自分の名前を読み上げることになった。最優秀主演男優賞は『孤狼の血』の役所広司さんが、最優秀主演女優賞は『万引き家族』の安藤サクラさんが受賞。アニメーション作品賞は『未来のミライ』が受賞した。編集賞は『カメラを止めるな!』が、外国作品賞は『ボヘミアン・ラプソディ』が受賞。

春休みが近づき映画館は大賑わい、春休み映画特集

春休みが近づき、子ども向けのアニメの上映も始まったことで、映画館は大賑わいとなっている。花粉症の筆者はこの時期、普段以上に映画館にお世話になっているが、定番のコーラとポップコーンを購入するのにも一苦労の状況だ。

以下では、4月中旬までに公開される春休み映画を特集。

前週末の観客動員数ランキングでは、『映画ドラえもん のび太の月面探査記』が3週連続で第1位となったが、第3位にも『映画プリキュアミラクルユニバース』、第7位にも『えいがのおそ松さん』が入り、アニメ人気は健在だ(興行通信社調べ)。アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した『スパイダーマン:スパイダーバース』も前週から順位を落としたものの9位にランクイン。

初登場で第2位となったのが、『キャプテン・マーベル』。米国では興収第1位を続けているが、我が国ではアニメに劣後するのは『スター・ウォーズ』シリーズ同様か。なお、「キャプテン・マーベル」は「アベンジャーズ」創設にも深く関わるが、4月26日公開の『アベンジャーズ』最終章となる『アベンジャーズ/エンドゲーム』でも重要な役割を果たすため、ファンにとっては必見の作品。筆者も既に複数回視聴済。

『バンブルビー』

『バンブルビー』
2019年3月22日(金)全国ロードショー!
配給:東和ピクチャーズ
© 2018 Paramount Pictures. All Rights Reserved. HASBRO, TRANSFORMERS, and all related characters are trademarks of Hasbro. © 2018 Hasbro. All Rights Reserved.

本日3月22日公開の『バンブルビー』は、日本生まれの変形ロボット玩具を由来とする『トランスフォーマー』シリーズの人気キャラクター、バンブルビーを主役に、シリーズの始まりを明らかにする物語。先行上映で視聴したが、舞台は1987年。トミー(現タカラトミー)の「トランスフォーマー」も1984年に販売が開始されており、今年が35周年。こちらも、ファンにとっては必見の作品か。本作では「バンブルビー」の名前の由来やなぜ声が出ず、歌で情報伝達をしていたかなども明らかになる。

なお、同作は、ナイキ創業者のフィル・ナイト氏の子息でアニメーション映画『KUBO クボ 二本の弦の秘密』で知られるトラビス・ナイト監督が自身初の実写映画監督として手がけ、『トランスフォーマー』シリーズでは初めてマイケル・ベイ氏外の監督がメガホンをとった。

同じく22日公開の『ブラック・クランズマン』は、黒人刑事が白人至上主義団体「KKK(クー・クラックス・クラン)」に潜入捜査した実話を基にしたノンフィクション小説を、『マルコムX』のスパイク・リー監督が映画化。第71回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。第91回アカデミー賞では作品、監督など6部門にノミネートされ、脚色賞を受賞した。前月号での特集したように、スパイク・リー監督のアカデミー賞受賞初作品となった。

主人公の黒人刑事ロンをデンゼル・ワシントンの実子ジョン・デビッド・ワシントンさんが、相棒の白人刑事フリップを『スター・ウォーズ』シリーズのアダム・ドライバーさんが演じた。

同じく22日公開の『ビリーブ 未来への大逆転』は、現職の米連邦最高裁判事、ルース・ベーダー・ギンズバーグ判事、通称「RBG」の伝記映画。キンズバーグ氏は男女平等に注力してきたことで有名だが、存命の著名人物の伝記映画というのは珍しい。なお、脚本は判事の甥のダニエル・スティールマン氏が担当している。『博士と彼女のセオリー』『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』のフェリシティ・ジョーンズさんがキンズバーグ氏を演じた。

3月29日公開の『ダンボ』は1941年製作のディズニーのアニメーション映画『ダンボ』を、『チャーリーとチョコレート工場』『アリス・イン・ワンダーランド』の鬼才ティム・バートン監督によって実写化。

サーカス団の元看板スターでダンボの世話係を任されるホルト役にコリン・ファレルさん、サーカス団の空中ブランコのスター、コレット役にエバ・グリーンさん、ダンボを使って金儲けを企む企業家ヴァンデバー役にマイケル・キートンさんが出演。

同じく29日公開の『記者たち〜衝撃と畏怖の真実〜』は、『スタンド・バイ・ミー』の名匠ロブ・ライナー監督が、ブッシュ(子)政権が進めたイラク戦争の大義名分となった大量破壊兵器の存在に疑問を持ち、真実を追い続けたナイト・リッダー社の記者たちの奮闘を描いた実話映画。

4月5日公開の『バイス』は、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のスタッフ&キャストが再結集し、ブッシュ政権の副大統領で、911後に米国をイラク戦争へと導いたとされるディック・チェイニーを描いた社会派エンタテインメントドラマ。

チェイニー元副大統領を演じたクリスチャン・ベールさんは体重を20キロ増量し、髪を剃り、眉毛を脱色。そうした努力もあって、第91回アカデミー賞ではメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。

『名探偵コナン 紺青の拳(こんじょうのフィスト)』

『名探偵コナン 紺青の拳(こんじょうのフィスト)』
2019年4月12日(金)全国東宝系にてロードショー
© 2019青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

4月12日公開の『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』は、『名探偵コナン』の劇場版第23作。今回は劇場版シリーズでは初めての海外となるシンガポールを舞台にコナンが巨大な陰謀に立ち向かう。19世紀末に海賊船とともにシンガポールの海底に沈んだとされるブルーサファイア「紺青の拳」を巡り、殺人事件が発生する。本作では、コナン宿命のライバルでもある「月下の奇術師」こと怪盗キッドと、これが劇場版初登場となる空手家の京極真が物語のキーパーソンとなる。本作も2019年の興収ランキング上位に食い込むのはほぼ確実か。

『ハンターキラー 潜航せよ』

『ハンターキラー 潜航せよ』
2019年4月12日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
配給:ギャガ
© 2018 Hunter Killer Productions, Inc.

同じく4月12日公開の『ハンターキラー 潜航せよ』は、『300<スリーハンドレッド>』、『エンド・オブ・ホワイトハウス』のジェラルド・バトラーさん主演で描いた潜水艦アクション。

ロシア近海で1隻の米海軍原子力潜水艦が姿を消した。ジョー・グラス艦長率いる攻撃型原潜「ハンターキラー」は捜索に向かった先で、無残に沈んだロシア原潜を発見、生存者の艦長を捕虜とする。同じ頃、地上ではネイビーシールズ精鋭部隊の極秘偵察により、ロシア国内で世界を揺るがす壮大な陰謀が企てられていることが判明する。

原作は、小説家ドン・キース氏と米海軍潜水艦の元艦長ジョージ・ウォレス氏によるベストセラー小説。製作は『ワイルド・スピード』シリーズのニール・H・モリッツ氏。日本公開のキャッチ・フレーズは「潜水艦モノに外れなし」とのこと。

スポーツ界の「ラストサムライ」、イチロー選手が現役引退表明

米大リーグ・マリナーズのイチロー外野手(45、本名、鈴木一朗)が21日、現役引退を表明した。イチロー選手は、20日と21日東京ドームで行われたアスレチックスとの開幕2戦目に9番右翼で先発出場し、4打数無安打。8回裏の守備についた直後に交代した。試合後に記者会見を開き、「きょうのゲームを最後に現役生活に終止符を打ち、引退することとなりました。最後にこのユニホームを着て、この日を迎えられたことを大変幸せに思います」と語った。

イチロー選手は1991年秋ドラフト4位で愛知の愛工大名電高からオリックスに入団。1994年に年間最多(当時)となる210安打を放ち、1994年から2000年まで、史上初めて7年連続で首位達者となった。2000年にポスティングシステムでマリナーズに移籍、2012年からはヤンキースで、2015年からはマーリンズでプレーした。2004年には大リーグの262本と年間安打記録を84年ぶりに更新、2010年には大リーグ史上初の10年連続200安打を達成。2016年6月、日米通算安打数を4,257とし、参考記録ながらピート・ローズ選手の持つ大リーグ最多4,256安打を抜き、同8月には大リーグ史上30人目、日本選手では初となる通算3千安打を達成した。日米28年間の累計安打数は4367本。

筆者も7時のNHKニュースを見ていたら、イチロー選手現役引退との速報が出て、思わず実況中継中の4チャンネルに切り替えた。結果は上記の通りだったが、イチロー選手は最後まで全力疾走、さすがプロと感心。但し、記者会見では、「やっぱり一本ヒットを打ちたかったし、応えたいって当然ですよね、それは。僕には感情がないって思っている人いるみたいですけど、あるんですよ。意外とあるんですよ。結果を残して最後を迎えたら一番いいなと思っていたんですけど、それでもあんな風に球場に残ってくれて。まあ、そうしないですけど、死んでもいいという気持ちはこういうことなんだろうなと。死なないですけど。そういう表現をする時ってこういう時なのかなと思います」と答えている。さすがに残念だったようだが、試合中にはそんなそぶりは一切みせなかった。

思わず、頭に浮かんだセリフが「武士は食わねど高楊枝」。トム・クルーズさん主演の『ラストサムライ』(2003年公開)ではないが、イチロー選手には、スポーツ界の「ラストサムライ」として、今後、スポーツ界のグローバル化等一層の発展に尽力してもらいたいが、まずは「ご苦労様」と申し上げたい。

末澤 豪謙 プロフィール

末澤 豪謙

1984年大阪大学法学部卒、三井銀行入行、1986年より債券ディーラー、債券セールス等経験後、1998年さくら証券シニアストラテジスト。大和証券SMBC金融市場調査部長、SMBC日興証券金融市場調査部長等を経て、2012年よりチーフ債券ストラテジスト。2013年より金融財政アナリスト。2010年には行政刷新会議事業仕分け第3弾「特別会計」民間評価者(事業仕分け人)を務めた。日経債券アナリストランキング、14年連続10位内ランクイン。日経財政アナリストランキング2位(2004年〜2006年)。財政制度等審議会委員、国の債務管理の在り方懇談会委員、地方債調査研究委員会委員。趣味は、映画鑑賞、水泳、スキューバダイビング、アニソンカラオケ等。

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