アナリストの忙中閑話【第96回】

アナリストの忙中閑話

(2019年5月23日)

【第96回】米中貿易戦争激化、報復合戦の様相に、『アベンジャーズ』、有終の美を飾り歴代世界最高興収に王手

金融経済調査部 金融財政アナリスト 末澤 豪謙

米中貿易戦争激化、報復合戦の様相に

令和への改元で、10連休のスーパーゴールデンウィーク明けとなった5月7日、休暇ボケがとれない東京金融市場は、トランプ砲の炸裂を受け、一気に平常モードに戻ることとなった。

トランプ大統領は5日、「10%の関税は25%に引き上げられる。3,250億ドル相当の中国からの追加的な輸入品はいまだに課税されていないが、まもなく25%の関税が課される」とツイート。

既に、25%の追加関税が課せられている中国からの輸入品500億ドル相当に加え、10%の関税が課せられていた2,000億ドル分も25%に引き上げ、残り全ての3,250億ドル分も25%の追加関税を課す方針を明らかにしたのだ。

5月9日には、中国の劉鶴副首相が通商協議のため、訪米、ライトハイザーUSTR(通商代表部)代表やムニューシン財務長官らと会談したが、決着には至らず、米国は10日午前0時1分に2,000億ドル分の税率を25%に引き上げた。

1974年通商法第301条及び同法スーパー301条発動による25%の追加関税賦課は、2018年7月6日の340億ドル分、同年8月23日の160億ドル分と併せて、2,500億ドルに達した。

これに対し、中国は5月13日、対抗措置として、米国からの輸入品600億ドル分に課している追加関税の税率5-10%を5-25%に引き上げると発表、6月1日から実施する。これで、中国が課す追加関税は、米国からの輸入品1,100億ドル相当分に達する。

一方、米国は13日、中国からの輸入品3,000億ドル分の3,805品目に対し、新たに最大25%の追加関税を課すと発表するなど、報復合戦の様相を呈している。

また、米国は15日には、中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)への事実上の輸出禁止措置も発令した。その後、米国企業に対しては最大90日間の猶予措置を実施。但し、22日には、中国監視カメラ関連の最大5社が、ファーウェイ同様、米商務省が安全保障上懸念のある外国企業を列挙した「エンティティー・リスト」に指定される可能性があることが報じられた(22日付けブルームバーグ)。

G20サミットで米中首脳会談が実施される可能性があるが、米中覇権争いは長期化へ

トランプ大統領は、6月末に大阪で開催されるG20首脳会議で、習近平国家主席と会談する意向を示している。米中首脳会談で、中国の米国製品の輸入増等で合意する可能性も想定されるものの、知的財産権の保護や「中国製造2025」分野への補助金問題等、構造問題の抜本的解決は困難だろう。

米中覇権争いは長期化が予想されるが、特に、2020年11月3日の米大統領選に向けては、今後とも、内外の金融市場を揺るがす事態が発生することに留意すべきだろう。

選挙前に、米国が保護主義的色彩を強めたことは幾度も

米大統領選や中間選挙前に、米国が保護主義的色彩を強めたことは、過去幾度もある。

実際、米国が今回発動した、通商法は1974年に制定されたものであり、スーパー301条は、1988年に制定された包括通商競争力法で追加されたものである。二つの法律とも、当時、米国にとって最大の貿易赤字国であった日本が主に対象としていた。但し、日本の場合、スーパー301条の適用をちらつかされた段階で、輸出自主規制や米国からの輸入拡大等で合意、同法に基づく制裁は実施されていない。

トップ3の公約のうち、大統領選前に、実現が可能なのは米中貿易改革のみ

トランプ氏の場合、2016年の米大統領選のトップ3の公約(Pay for the Wal:壁の建設代金を支払わせる、Healthcare Reform:医療保険制度改革、U.S.-China Trade Reform:米中貿易改革)の一つが、米中貿易問題であることもあり、支持者の手前も安易な妥協はできないだろう。

特に、他の主要公約に関しては、2020年の大統領選前には、実現の目途が立たないことから、米中貿易問題により真剣に取り組まざるを得ないことも背景にありそうだ。

トランプ氏の政策の柱は、MAGA、アメリカ・ファーストに加え、アンチ・オバマ

トランプ氏の大統領選のスローガンは、「Make America Great Again(次回はKeep America Great!)」や「アメリカ・ファースト」だが、もう一つ、重要な柱がある。それは、「アンチ・オバマ」だ。つまり、オバマ大統領の反対の政策を行うことだ。

トップ3の公約の第1、メキシコ国境への壁建設に次いで、第2の公約がオバマケアの即時廃止であることからも、トランプ氏の思い入れがわかる。

トランプ氏がオバマ氏を嫌う背景には、オバマ氏の出生地証明を巡る軋轢(トランプ氏はオバマ大統領の出生について、ケニア生まれではないかとの疑問を表明していた)に加え、2011年のホワイトハウス記者会主催の夕食会に、トランプ氏が初めて出席した際、直前に出生証明書を公開したオバマ氏は、この夕食会のスピーチで「これで彼は他の問題に集中して取り組める。たとえば『月面着陸はいかさまだったのか』といったことだ」などと、トランプ氏をジョークのネタにしたことがあるとされる。

トランプ氏は大統領就任後、TPPからの離脱、パリ協定からの離脱、イラン核合意からの離脱等、オバマ政権のレガシーをどんどん破壊した。また、オバマ氏が熱心に取り組んでいた中東和平問題では、イスラエル寄りの姿勢を鮮明にし、米大使館のエルサレムへの移転、ゴラン高原に対するイスラエルの主権認定等を行い和平機運は完全に冷めることとなった。オバマ政権が進めたキューバとの国交回復も足元では、対決姿勢を強め、規制を強化している。北朝鮮問題では、オバマ氏は「戦略的忍耐」という不関与政策をとっていたが、トランプ氏は2017年には砲艦外交を推進した一方、2018年夏以降は、2度の首脳会談を実施するなど、直接的な関与政策に転換している。

オバマ氏もトランプ氏も中間選挙後の大半の政策分野は、外交・安全保障、通商・貿易問題で同一

一見、オバマ氏の政策とトランプ氏の政策は真逆のようだが、実は、大半の政策分野は、外交・安全保障、通商・貿易問題と同一だ。

これは、議会の構成がオバマ政権第1期とトランプ政権第1期は、図らずも、似通った状況にあることが大きい。

オバマ政権第1期の中間選挙前は、上下両院で民主党が多数派となり、しかも上院では民主党は59人と、クローチャー動議提出に必要な60人まであと一人という勢力を確保、「本格政権」となったことで、オバマケアの導入(医療保険制度改革)という内政面で重要な政策を実現することが可能となった。

これは、トランプ政権も同様であり、第1期の中間選挙前は、上下両院で共和党が多数派となった。共和党の上院議員数は52人と「本格政権」には足りなかったが「準本格政権」と言える。特に、トランプ氏と共和党が推進していた税制改革は、財政調整制度の活用が可能なため、52人でも上院は機能した。

但し、第1期目の中間選挙では、オバマ政権時もトランプ政権でも、下院の多数派を野党が握ったことで、歳出法案や法律案を大統領の意向で成立させることは困難となり、「準レームダック政権」と化すこととなった。オバマ政権第2期の中間選挙では、上下両院とも共和党が多数派となり、オバマ政権は完全に「レームダック政権」となった。

結果、オバマ大統領も、第1期の中間選挙後は、前述の通り、外交・安全保障、通商・貿易政策に注力することとなった。与党民主党内に反対の多いTPPや、当事者も多く困難な道程だったイラン核合意をとりまとめたのも、内政で実績を残せないことが、むしろ推進力となった可能性がある。

この状況は、トランプ大統領も同様だ。2020年11月3日の大統領選で再選を果たし、議会選でも上下両院で多数派を奪還し、再度、本格政権化を目指すためにも、対中貿易問題で弱腰を見せることはできないと言えそうだ。

なお、対中関係に関し、オバマ政権は当初、融和政策をとっていたが、中国によるとみられる人事管理局(OPM)等米政府機関や民間企業等へのサイバー攻撃や資金洗浄疑惑、南シナ海での基地建設等が発覚して以降は、強硬姿勢に転じた経緯にある。

米全ての道は米大統領選に通ず

中国問題は、今や共和党、民主党問わず、米国の超党派の課題となる一方、共産党主席等毛沢東以来の最高指導者のポストを目指しているとみられる習近平中国共産党中央委員会総書記も、大国の威信にかけても、国家の基本に関わる部分では安易な妥協はできないだろう。仮に、トランプ氏が言うように、2020年の大統領選後を見据え、中国が持久戦に入りつつあるとすれば、米中の覇権争いは長期化が免れないのではないか。

実は、米国からの圧力に対して、日本が正面から対抗したこともある。これは、戦前のいわゆる「ABCD包囲網」に対し、南方へ進出し、真珠湾攻撃を実施した1941年だ。真珠湾攻撃は、太平洋戦争の勃発と、米国の第2次世界大戦への参戦を招き、人類最大の大戦が一段と激化するきっかけともなった。米中問題が今後、理性的、平和的に解決されることに期待したい。

今後、米国の貿易問題は、半年以内にはEUや日本にも波及する公算大だ。過去の経緯も勘案すると、「全ての道は米大統領選に通ず」と言えそうだ。

「報復者/終局」を意味する『アベンジャーズ/エンドゲーム』が記録的な興収

米中の「最後とも言える報復合戦」が影響したか否かは別として、日本語で「報復者」を意味する『アベンジャーズ』シリーズの新作で最後となる『アベンジャーズ/エンドゲーム』が記録的な興収となっている。世界興行収入が公開からわずか5日で10億ドルを突破。映画史上最短記録だ。

また、5月22日現在の世界興収は、26.2億ドル(Box Office Mojo調べ)と、第1位の『アバター』(2009年公開)の27.9億ドルに次ぎ、第2位に浮上している。第3位は21.9億ドルの『タイタニック』(1997年公開)。トップとの差は僅か1.7億ドルに迫っており、世界歴代興収記録を10年ぶりに更新する可能性が高まっている。

『アバター』が過去10年間、第1位の座に君臨した背景には、その斬新な映像や世界観に加え、公開当初は基本「3D」のみで上映されていたため単価が高い影響があった。今回の『アベンジャーズ/エンドゲーム』は『タイタニック』同様、「2D」での公開が多く、実質的な意味では既に第1位を更新したと言えそうだ。

なお、本コラムでは『アベンジャーズ』シリーズを再三特集してきたが、本作がシリーズ最高傑作であることには疑いの余地がない。私自身、既に3回映画館で鑑賞したが、見るたびに過去の作品のシーンが脳裏をよぎり飽きることがない。尤も、この効果こそが、DVDや「Disney+」等動画サービスの売り上げ拡大を目指すディズニーの戦略かもしれないが。

なお、アベンジとリベンジの違いは、リベンジが私的な自身の恨みを晴らす意味が強いのに対し、アベンジは公的な他の人のために報復をするという意味がある。原作では、『アベンジャーズ』の名付け親は「ワスプ」だが、本年公開の『キャプテン・マーベル』では、「キャプテン・マーベル」の本名、「キャロル・アベンジャー・ダンバース」から、ニック・フューリーが採ったことになっている。

6月に向けても、日米の大作が多数公開

前週末(18-19日)の国内観客動員ランキングでは、『コンフィデンスマンJP』(累計興収4.8億円)が初登場第1位となったが、第2位の『名探偵ピカチュウ』(累計興収19億円)に続き、第3位の『キングダム』(45億円)、第4位の『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』(83億円)、第5位の『アベンジャーズ/エンドゲーム』(52.4億円)と、累計興収40億円を上回る大ヒット映画が3-5位の上位ランクをキープした。6月に向けても、日米の大作が多数公開される。

5月24日公開の『空母いぶき』は、「沈黙の艦隊」など数々の戦争漫画で知られる、かわぐちかいじ氏のベストセラーコミックを実写映画化。『沈まぬ太陽』の若松節朗監督がメガホンをとった。世界が再び「空母の時代」へと突入した20XX年。日本の最南端沖で、国籍不明の軍事勢力が領土を占拠し、海上保安庁の隊員たちを拘束する事態が発生。緊迫する状況下、政府は初の航空機搭載型護衛艦「いぶき」を中心とした護衛艦群を派遣するのだが。

主人公であり、航空自衛隊のパイロットとしての実績を認められ「いぶき」の艦長に任命された秋津を西島秀俊さんが、海上自衛隊のエリートでありながら副長に甘んじる新波を佐々木蔵之介さんが演じた。

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
2019年5月31日(金)全国東宝系にて世界同時公開
© 2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

5月31日に日米で同時公開される『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は日本が生んだ怪獣「ゴジラ」をハリウッドが映画化した『GODZILLA ゴジラ』(2014)のシリーズ第2作。前作から5年後の世界を舞台に、モスラ、ラドン、キングギドラなど続々と復活する神話時代の怪獣たちとゴジラが、世界の覇権をかけて戦いを繰り広げる。また、それによって引き起こされる世界の破滅を阻止しようとする未確認生物特務機関「モナーク」の活躍を描く。

『X-MEN:アポカリプス』などで原案や脚本を担当してきたマイケル・ドハティ氏が、脚本及び監督。前作に引き続き、渡辺謙さんが芹沢猪四郎博士役で出演。

同じく31日公開の『パラレルワールド・ラブストーリー』は人気作家・東野圭吾氏原作の異色ラブストーリーを映画化。監督は『宇宙兄弟』『聖の青春』の森義隆氏。

研究者の崇史はある日親友の智彦に恋人を紹介される。その恋人とは、かつて崇史が想いを寄せていた女性・麻由子だった。崇史は嫉妬に苦しむが、ある日、麻由子は自分の恋人になり、智彦は消える。2つの異なる世界を行き交う崇史は真実に迫るが。Kis-My-Ft2の玉森裕太さんが崇史を、その親友の智彦を染谷将太さんが、恋人の麻由子を吉岡里帆さんが演じた。

6月7日公開の『アラジン』は、「千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)」の「アラジンと魔法のランプ」に基づき1992年に制作されたディズニーの長編アニメーション映画『アラジン』をガイ・リッチー監督で実写映画化。

ダイヤモンドの心を持ちながら、本当の自分の居場所を探す貧しい青年アラジンが巡り合ったのは、王宮の外の世界での自由を求める王女ジャスミンと「3つの願い」を叶えることができる「ランプの魔人」のジーニー。果たして3人はこの運命の出会いによって、それぞれの「本当の願い」に気づき、それを叶えることができるのか?ランプの魔人ジーニー役をウィル・スミスさんが演じた。

6月14日公開の『メン・イン・ブラック:インターナショナル』は地球に生息するエイリアンを監視する秘密組織「MIB」のエージェントたちの活躍を描く人気SFアクションコメディ『メン・イン・ブラック』シリーズの4作目。主演は、過去3作のウィル・スミス&トミー・リー・ジョーンズのコンビから、『アベンジャーズ』シリーズでも王(ソー)と臣下(ヴァルキリー)の関係でタッグを組んだクリス・ヘムズワース&テッサ・トンプソンのコンビへとバトンタッチ。

ヘムズワースさんが演じるイケメンでチャラ男風な先輩エージェントのHと、トンプソンさんが扮するエリート新人女性エージェントのMという、性格のまったく異なる男女のエージェントがコンビを組み、MIB内部のスパイ摘発ミッションに挑む。監督は 『ワイルド・スピード ICE BREAK』のF・ゲイリー・グレイ氏。

『X-MEN:ダーク・フェニックス』

『X-MEN:ダーク・フェニックス』
2019年6月21日(金)
© 2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

6月21日公開の『X-MEN:ダーク・フェニックス』はマーベル・コミックの「X-MEN」の実写映画化作品。シリーズ通算7作目。スピンオフ作品も含めると12作目。X-MEN結成以前から始まった若い頃のプロフェッサーXやマグニートーを主軸に据えたシリーズとしては、『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』(2011年公開)、『X-MEN: フューチャー&パスト』(2014年)、『X-MEN: アポカリプス』 (2016年)に続く4作目。

X-MENの主要メンバーのジーン・グレイは宇宙でのミッションの事故によって謎の光線を浴びてしまう。

それによって、彼女の中の最強のダークサイド「ダーク・フェニックス」が覚醒することに。ジーン役は前作『X-MEN:アポカリプス』で抜てきされたソフィー・ターナーさんが続投。そのほか、プロフェッサーX役のジェームズ・マカボイさん、マグニートー役のマイケル・ファスベンダーさん、ミスティーク役のジェニファー・ローレンスさんら豪華キャストが出演。これまでの『X-MEN』シリーズや『デッドプール』『LOGAN ローガン』などで製作や脚本を務めてきたサイモン・キンバーグ氏がメガホンをとり、長編映画監督デビュー。

同じく21日公開の『ザ・ファブル』は、2017年度講談社漫画賞を受賞した南勝久氏原作の人気コミックを岡田准一さん主演で実写映画化。

どんな相手でも6秒以内に殺す。「ファブル(寓話)」と呼ばれる謎の殺し屋は、裏社会では誰もが「伝説」と恐れ、その存在の真偽さえ訝しがられる男。「ファブル」ことアキラを育てあげたボスは、あまりにハイペースで仕事をこなし続ける彼に、ある指令を与える。「一年間、一般人として普通に暮らせ。休業中に誰かを殺したら、俺がお前を殺す」。

主人公佐藤アキラを岡田准一さんが、ボスを佐藤浩市さんが、アキラの陽気な相棒ヨウコを木村文乃さん、アキラが初めて出会う「一般社会の住人」の女性ミサキを山本美月さんが演じ、福士蒼汰さん、柳楽優弥さん、向井理さん、佐藤二朗さん、安田顕さんら豪華俳優陣が共演。監督はCM界で頭角を現し、本作が3本目の映像作品となる江口カン氏。

『きみと、波にのれたら』

『きみと、波にのれたら』
2019年6月21日(金)全国東宝系にてロードショー
© 2019「きみと、波にのれたら」製作委員会

21日公開の『きみと、波にのれたら』は、『夜明け告げるルーのうた』でアヌシー国際アニメーション映画祭の最高賞(クリスタル賞)を、『夜は短し歩けよ乙女』で日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞した湯浅政明監督が、海辺の町を舞台に繰り広げられる青春ラブストーリーを描いたオリジナル長編アニメーション映画。

サーフィンが大好きで小さな港町に引っ越してきた向水ひな子は、町で起こった火事騒動をきっかけに消防士の雛罌粟港(ひなげし・みなと)と知り合い、恋に落ちる。

2人は互いにかけがえのない存在になっていくが、ある時、海で溺れた人を助けようとした港が命を落とし、そのショックでひな子は、大好きだった海を見ることすらできなくなってしまう。そんなある日、ひな子が2人の思い出の歌を口ずさむと、水の中に港が現れる。再び港と会えたことを喜ぶひな子だったが……。

声の出演として、港役にはGENERATIONS from EXILE TRIBEでボーカルを務める片寄涼太さんが、ひな子役を川栄李奈さんが務めた。主題歌はGENERATIONS が担当。

映画興収では、日米よりも米中の方が国民の価値観が近いが「両雄並び立たず」も

『アベンジャーズ/エンドゲーム』の快進撃は、世界最速で公開された中国から始まっている。初週の興収は22億元(363億円)と、中国映画興行史の記録を塗り替えた。現実の米中の報復合戦とは裏腹に、『アベンジャーズ』シリーズの中国での人気は我が国とは比較にならないほど、凄まじいものがある。

一方、中国では、『スター・ウォーズ』シリーズは毎回低調な結果に終わっている。日本とは真反対の現象だが、背景には、『スター・ウォーズ』シリーズの当初の三部作は中国では公開されておらず、同国ではマニアが少ない一方、我が国では、1977年公開の第1作『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』以来の根っからのファンの存在が挙げられる。それでも、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年公開)のランキングは、全米歴代第1位に対し、我が国では歴代第22位に過ぎない。

映画興収を見ると、毎年のようにアニメがトップとなる我が国と比較すると、日米よりも米中の方が、国民の価値観は近いようにも考えられる。そういう意味では、米中貿易戦争も理性的な解決が出来そうな気もするのだが。

一方で、トランプ大統領の「MAGA」に対し、習近平中国共産党中央委員会総書記(国家主席)も「強国」を掲げている。習氏は2017年11月、トランプ大統領を北京の故宮に案内した際、世界四大文明の中では「エジプトの方が少しだけ古い」と認めつつ、「しかし唯一連綿と続く文明は中国」と指摘したとされる(2017年11月9日付けAFP)。中国の「史記」にあるように、「両雄並び立たず」かもしれない。米中の覇権争いの行方は今後も目が離せないと言えそうだ。

末澤 豪謙 プロフィール

末澤 豪謙

1984年大阪大学法学部卒、三井銀行入行、1986年より債券ディーラー、債券セールス等経験後、1998年さくら証券シニアストラテジスト。大和証券SMBC金融市場調査部長、SMBC日興証券金融市場調査部長等を経て、2012年よりチーフ債券ストラテジスト。2013年より金融財政アナリスト。2010年には行政刷新会議事業仕分け第3弾「特別会計」民間評価者(事業仕分け人)を務めた。日経債券アナリストランキング、14年連続10位内ランクイン。日経財政アナリストランキング2位(2004年〜2006年)。財政制度等審議会委員、国の債務管理の在り方懇談会委員、地方債調査研究委員会委員。趣味は、映画鑑賞、水泳、スキューバダイビング、アニソンカラオケ等。

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