アナリストの忙中閑話【第98回】

アナリストの忙中閑話

(2019年7月18日)

【第98回】イラン情勢緊迫、梅雨らし過ぎる梅雨、次の007は黒人女性?夏休み映画特集

金融経済調査部 金融財政アナリスト 末澤 豪謙

イラン情勢緊迫化

イラン情勢が緊迫化している。安倍首相が6月13日、イランを歴訪し、最高指導者のハメネイ師と会談している頃、日本関連を含むタンカー2隻がホルムズ海峡近くで何者かに攻撃された。6月20日には、イランのイスラム革命防衛隊が、米海軍の無人偵察機「MQ-4トライトン」を撃墜。報復として、米軍が3つの地点への攻撃を計画したものの、トランプ大統領が作戦開始10分前に中止命令を出したことも明らかになっている。

米国とイランの関係は、トランプ政権の誕生以降悪化、特に、2018年5月に、トランプ大統領が「イラン核合意」から一方的な離脱を表明し、対イラン制裁を再開したことで急激に悪化している。なお、「イラン核合意」とは、2015年7月にイランとP5プラス1(国連安保理常任理事国5か国とドイツ)が合意した協定で、イランの核開発を大幅に制限する代わりに、原油輸出等の制裁を解除するというもの。IAEA(国際原子力機関)の査察後、2016年1月には対イラン制裁が解除された。

但し、2018年5月にはトランプ大統領が核合意からの離脱を表明、制裁を再開し、2019年5月からは、イラン産原油の全面禁輸措置が実行に付された。

こうした状況を受けて、7月1日には低濃縮ウラン保有量の300キロの上限超過、7月8日にはウランの濃縮率が3.67%を超えて4.5%程度に引き上げるななど、イランも合意の履行停止に踏み切っている。

イランは、米国以外の核合意の当事国である欧州諸国などが、原油の輸入再開等に応じない場合は、9月には濃縮率を20%に向けて引き上げ開始する可能性も示唆している。

原子爆弾の製造にはウラン235の濃度を通常90%以上にする必要がある。イラン核合意は、イランが原子爆弾1個を製造するために要するブレークアウト・タイムを1年にすることが要諦だ。但し、20%への濃縮が実施されれば、「ブレークアウト・タイム」は数か月に短縮されるとの見方もある。

イラン問題は過去も世界の金融市場を大きく揺さぶった

実は、イラン問題は過去も世界の金融市場を大きく揺さぶったことがある。

足元、米国からは、ホルムズ海峡やバブ・エル・マンデブ海峡におけるタンカー等の護衛のため、有志国に艦船の派遣を要請する動きも出ている。タンカーの護衛は、1980年代にも実施されていた。イラン・イラク戦争(1980-1988年)では、イラク及びイラン両軍の攻撃により、500隻以上の船舶に被害が出たとされる。そうした中、当時イラクを支援していたクウェートが米国にタンカーの護衛を依頼、米国は国内法の関係でクウェート船を米国船籍に変更した上で、米海軍が護衛する作戦、「アーネスト・ウィル(本気)作戦」を1987年7月から実施に移した。同年10月16日、タンカー「Sea Isle City」がイランの対艦ミサイルの攻撃を受け被弾、18名が負傷。米海軍は19日報復として、イランの石油プラットフォーム2基を駆逐艦4隻で攻撃した。この作戦「ニムバル・アーチャー(素早い弓使い)作戦」は、米国時間1987年10月19日に発生した過去最大の株価暴落「ブラック・マンデー」のトリガーになったとされる。なお、暴落の本質的な要因は不況下の株高やG7諸国内での政策の不一致等が挙げられる。

一方、今回同様、イランの核開発が問題となったケースでは2008年夏の原油価格の暴騰と暴落が挙げられる。現在1バレル50ドル台のWTI原油先物価格は2008年7月には一時147ドルまで上昇した。要因は、当時イスラエルがイランの核施設の空爆を計画、イランはイスラエルや米国による攻撃があれば、ホルムズ海峡を封鎖すると宣言したことにあった。但し、11月に大統領選・議会選を控えていたブッシュ大統領(当時)が止めたことで、9月のリーマン・ショックの発生もあり、年末には、WTI原油先物価格は33ドル台まで暴落することとなった。

当時と比較すると、世界生産に占める湾岸諸国の原油生産の割合は低下しているものの、我が国では、原油の約8割、LNG(液化天然ガス)の2割以上がホルムズ海峡を通過していることから影響は大きい。

なお、2008年当時の米国は、原油輸入量は国内生産量の3倍近くに上り、うち2割が湾岸諸国からの輸入だったが、現在では、輸入量は生産量の8割程度に減少、湾岸諸国からの輸入はその1割未満まで減少している。米国にとっては、ホルムズ海峡の重要性が当時と比べ大きく低下しているのも事実だ。引き続き、イラン情勢からは目が離せないと言えそうだ。

今年の「梅雨」は「梅雨らし過ぎ」て、景気への影響にも心配

米国のみならず、四方八方見渡しても、国際情勢は、「どんより」とした雰囲気だが、今年の「梅雨」は「梅雨らし過ぎ」て、景気への影響にも心配な状況だ。

気象庁によると、東京都心は7月16日まで20日連続で、日照時間が3時間未満。東北や関東、北海道でコメや果樹の生育に大きな影響が出た1988年の17日連続を更新し続け、1961年の統計開始以来、過去最長となった。17日は昼から晴れ、日照時間は4.4時間と、21日ぶりに3時間を超えた。16日までの今月の日照時間は都心が計5.6時間と、昨年比4.8%にとどまっている。

結果、前週末の「海の日」を含む3連休も、海やプール等行楽地は散々な結果に。熱中症で搬送された人数は7月前半で昨年の2割未満と激減しているが、これでは、夏物衣料やエアコン等の電化製品、アイスクリーム、ビヤガーデン等の売り上げが心配となる。

昨年の東京(関東甲信)の梅雨明けは6月29日ごろと、観測史上最短となったが、今年は平年(7月21日ごろ)並みないし数日遅れの25日ごろとなる可能性が高そうだ。

昨年の東京(東京都心)は6月末以降、ほぼ毎日、最高気温が30度以上の真夏日となったが、今年(18日現在)はまだ一度も30度を超えていない。昨年の猛暑の記憶が新しいだけに、なおさら、気分が沈みがちだ。

今年の「梅雨寒」は、本州の南で停滞する梅雨前線とオホーツク海高気圧から流れ込む冷たく湿った風が原因となっているが、梅雨前線の停滞は、エルニーニョ現象が6月まで発生していたことも影響しているとみられる。なお、気象庁は7月10日、エルニーニョ現象の終息を発表。但し、今年のエルニーニョは弱く、同現象の影響を受けやすいニューヨーク等米東海岸では気温は高めだ。むしろ、欧州では記録的な猛暑となっている。

やはり、地球温暖化に伴う極渦や偏西風の蛇行の影響が大きいと考えられる。逆に言えば、梅雨明けが見込まれる来週以降は、日本列島も一気に猛暑モードに変化する可能性がある。体調管理には十分留意が必要だろう。

シネコン等を擁した大型モールが盛況、新作映画の大ヒット続く

天候不順な中、気を吐いているエリアもある。シネコン等を擁した大型モールだ。筆者は仕事柄(?)、月10本以上、年間では百数十本の映画を見るが、試写会等を除くと、大半は近所のシネコンで鑑賞している。今年の夏の集客は、少なくとも会員となっている映画館では過去最多だろう。家族連れの来客数が「半端ない」状況だ。モールなら「雨にも負けず」か。

前週末(13-14日)の国内観客動員ランキングでは、『トイ・ストーリー4』が初登場第1位となった。『トイ・ストーリー4』の公開後3日間の動員127万人、興収17億686万円は、最終興収255億円となった『アナと雪の女王』(2014年公開)のオープニング記録を塗り替え、洋画アニメ歴代第1位となった。同じく初登場の『ミュウツーの逆襲EVOLUTION』が第2位に。こちらは、1998年公開のシリーズ第1弾『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』をフル3DCGで甦らせた作品。第3位は、前々週まで5週連続トップとなった『アラジン』。累計動員690万人、累計興収98億円に上り、週内に100億円の大台を突破しよう。第4位は『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(前週第2位)、第5位は『Diner ダイナー』(第3位)、第6位は『ザ・ファブル』(第4位)、第7位は『それいけ!アンパンマン きらめけ!アイスの国のバニラ姫』(第5位)、第8位は『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム』(第6位)、第9位『新聞記者』(第8位)、第10位『劇場版 Free!-Road to the World-夢』(第9位)と、第9位の『新聞記者』以外は全て、アニメか漫画の実写版という結果となった(興行通信社調べ)。

ちなみに第9位の『新聞記者』の動員数は、21日投開票の第25回参院通常選挙の動向を占う上でひそかに注目している。

実は、米国でも前週末の興業収入ランキングは第1位が『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』、第2位が『トイ・ストーリー4』となり、2019年の累計でも、第1位『アベンジャーズ/エンドゲーム』、第2位『キャプテン・マーベル』、第3位『トイ・ストーリー4』、第4位『アラジン』、第5位『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』と上位5位までが、アニメか漫画の実写版となっている。このうち、『アベンジャーズ/エンドゲーム』の世界興収は27億8,200万ドルと、歴代第1位の『アバター』(2009年公開)の27億8,800万ドルまで、残り600万ドルに迫っている(7月17日現在、Box Office Mojo調べ)。

今後も、7月19日(日本公開8月9日)には『ライオン・キング』が、10月18日(日米同時公開)には『マレフィセント2』、11月22日(日米同時公開)には『アナと雪の女王2』の公開が予定されている。一方、我が国では、前月号で特集した『君の名は。』の新海誠監督の最新作『天気の子』が今週末の7月19日に封切られる。今年もアニメ及び漫画の実写版が内外のスクリーンを席巻することは間違いないと言えそうだ。

なお、12月20日(日米同時公開)には、『スター・ウォーズ』シリーズ新3部作の最終章となるだけでなく、シリーズ全9作品の完結編となる『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』が公開される。『スター・ウォーズ』シリーズは、ジョージ・ルーカス氏の構想を基に、その後、アニメ化等もされており、アニメ関連作品と言えなくもないかも。なお、5月4日は、「スター・ウォーズの日」だった。由来は、「May the Force be with you(フォースと共にあらんことを)」にある。

今夏は日米のアニメ及びCGアニメの大作が多数公開

今夏は内外のアニメ及びCGアニメの大作が多数公開される。前述のように、7月19日には『天気の子』が公開される。

7月26日公開の『ペット2』は、『ミニオンズ』『SING シング』のイルミネーション・エンターテインメントが手がけ、飼い主がいない間のペットたちが巻き起こす騒動を描いた人気アニメ『ペット』のシリーズ第2弾。

主人公の犬のマックスと、その相棒のデューク、ギジェットやクロエといった同じアパートに住む仲間たちは、マックスの大事なものをなくしてしまい危険な大冒険へ。そして飼い主に捨てられたペットたちのリーダーだったスノーボールは、正義のヒーローに覚醒。お行儀よく留守番できない彼らが、新たな超個性的キャラクターたちも加わって、前作のスケールを遥かに超える、とんでもない大騒動を巻き起こす。

前作『ペット』のクリス・ルノー監督が引き続きメガホンをとり、日本語吹き替え版の声優もマックスとディーク役を務めるお笑いコンビ「バナナマン」の設楽統さんと日村勇紀さんをはじめ、佐藤栞里さん、永作博美さん、沢城みゆきさん、中尾隆聖さんらが続投。

『アルキメデスの大戦』

『アルキメデスの大戦』
2019年7月26日(金)全国東宝系にてロードショー
©2019「アルキメデスの大戦」製作委員会
©三田紀房/講談社

同じく26日公開の『アルキメデスの大戦』は、第2次世界大戦を数学者の視点で描いた三田紀房氏による「週刊ヤングマガジン」連載中の同名漫画を、菅田将暉さん主演、『ALWAYS 三丁目の夕日』『永遠の0』の山崎貴監督で実写映画化。

日本と欧米の対立が激化の一途を辿っていた1933年(昭和8年)、大日本帝国海軍上層部は巨大戦艦「大和」の建造計画に大きな期待を寄せていた。海軍少将山本五十六はその計画に待ったをかけ、これからの戦いに必要なのは航空母艦だと進言するが、世界に誇れる壮大さこそ必要だと考える上層部は、戦艦「大和」の建造を支持。危機を感じた山本は、天才数学者櫂直(かい ただし)を海軍に招き入れる。

櫂の数学的能力で、戦艦「大和」建設にかかる莫大な費用を試算し、その裏に隠された不正を暴くことで計画を打ち崩そうと考えるのだが。

菅田さんが櫂役、舘ひろしさんが山本五十六役を演じ、浜辺美波さん、柄本佑さん、笑福亭鶴瓶さん、小林克也さん、小日向文世さん、國村隼さん、橋爪功さん、田中泯さんら豪華俳優陣が顔を揃えた。

8月2日公開の『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』は、大ヒットを続けている『ワイルド・スピード』シリーズ通算9作目。

ロサンゼルスで娘と暮らす、ワイルドなスタイルで超重量級のクルマを操る追跡のプロで元FBI特別捜査官ルーク・ホブスと、ロンドンで優雅な生活を送る、クールなスタイルで超高級なクルマを駆る規格外の元MI6エージェント・デッカード・ショウ。2人の元に、行方をくらませたMI6の女性エージェント・ハッティを保護して欲しいという政府の協力要請が入る。ハッティは全人類の半分を滅ぼす新型ウイルス兵器をテロ組織から奪還したが、組織を率いる、肉体改造を施された超人的な戦士・ブリクストンに急撃され、ウイルスと共に消息を絶った。しかも、彼女はショウの妹でもあるという。

『ワイルド・スピード MEGA MAX』で初登場して以降、シリーズの顔となった「ザ・ロック」こと、ドウェイン・ジョンソン演じるルーク・ホブスと、『ワイルド・スピード EURO MISSION』からシリーズに参戦したジェイソン・ステイサム扮するデッカード・ショウがタッグを組んで挑む。かつては敵同士で何もかも正反対のホブスとショウがいがみあいながらも、目の前に立ちふさがる謎の強敵ブリクストンに挑んでいく。ブリクストン役は『マイティ・ソー』シリーズのイドリス・エルバさん、ハッティ役に『ミッション:インポッシブル フォールアウト』のバネッサ・カービーさん。『デッドプール2』のデビッド・リーチ監督がメガホンをとった。

『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』

『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』
2019年8月2日(金)全国東宝系にてロードショー
©2019「DRAGON QUEST YOUR STORY」製作委員会
©1992 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

同じく2日公開の『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』は、累計出荷・ダウンロード数が7,800万本を突破している大ヒットRPG「ドラゴンクエスト」シリーズの5作目で、1992年に発売された「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」を原案として、3DCGアニメ映画化。総監督に山崎貴氏、監督に八木竜一氏と花房真氏と『STAND BY ME ドラえもん』のスタッフが結集。原作・監修は「ドラゴンクエスト」の生みの親であるゲームデザイナーの堀井雄二氏。佐藤健さん、有村架純さん、波瑠さん、坂口健太郎さん、山田孝之さんら豪華キャストが声優を務めた。

少年リュカはゲマ率いる魔物たちに連れ去られた母を取り戻すため、父パパスと旅を続けていた。しかし、道中での魔物たちとの激闘により、パパスはリュカの目の前で非業の死を遂げてしまう。

それから10年後、故郷に戻ったリュカは「天空のつるぎと勇者を探し出せば、母を救うことができる」と書かれた父の日記を発見。パパスの遺志を受け継ぎ、冒険へと旅立つ。次々と立ちはだかる試練の数々、ビアンカとフローラをめぐる究極の選択など、リュカの壮大な冒険が描かれる。

劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』

劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』
2019年8月9日(金)
©尾田栄一郎/2019「ワンピース」製作委員会

8月9日公開の『ONE PIECE STAMPEDE』は2015年6月に、「最も多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」としてギネス世界記録に認定された「ONE PIECE」の3年ぶりとなる劇場版アニメ。アニメ化20周年を記念して製作され、原作者の尾田栄一郎氏監修の下、世界中から海賊が集う「海賊万博」を舞台にしたオリジナルストーリーが展開される。

海賊の海賊による海賊のための祭典「海賊万博」。「祭り屋」と呼ばれる万博の主催者ブエナ・フェスタからの招待状を手にしたルフィたち麦わらの一味。

導かれるまま会場に着くと、華やかなパビリオンが所狭しと並び、最悪の世代をはじめとする多くの海賊たちも群がり、大きな盛り上がりをみせていた。万博の目玉は「海賊王(ロジャー)の遺した宝探し」。宝を手に入れ名を上げたい海賊たちによるお宝争奪戦の火蓋が切られた!しかし、海賊たちが熱狂する万博の裏では、別名「最悪の戦争仕掛け人」フェスタの凶行が張り巡らされ、海賊たちを一網打尽にしようと海軍までもが動き始めていた。

同じく9日公開の『ライオン・キング』は、ディズニー・アニメの名作『ライオン・キング』を、『ジャングル・ブック』のジョン・ファブロー監督が、動物のキャラクターたちをフルCGで生み出して映画化した。

アフリカの広大なサバンナの王国プライドランドで、動物たちの王であるライオンのムファサの子として生まれたシンバ。いつか父のような偉大な王になることを夢見ながら成長していくシンバだったが、ある日、思いもよらなかった悲劇に見舞われる。王位を狙うライオンのスカーによって王国を追放されてしまったシンバだったが、未知の世界での新たな出会いや冒険を通じ、王としての使命を学んでいく。

シンバの声を、グラミー賞を受賞したラッパーとしても活躍するドナルド・グローバーさんが担当し、ジンバの幼なじみナラ役をビヨンセさんが務めた。日本語吹き替えは、シンバ役を賀来賢人さん、スカー役を江口洋介さん、プンバァ役を佐藤二朗さん、ティモン役に亜生(ミキ)さん、ナラ役を門山葉子さんが演じた。

次の「007」は、黒人女性?

8月2日公開の『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』に謎の強敵ブリクストン役で登場するイドリス・エルバさんは、次期「007、ジェームス・ボンド」役との呼び声が高かった。

【第89回】光あるところに影がある、トランプ大統領への審判は?秋の映画特集第2弾

次期007役を選ぶ世論調査でも首位に立ったこともあるが、エルバさん自身はこの騒動で傷ついたようだ。エルバさんはロンドン生まれだが、父がシエラレオネ、母がガーナと両親ともアフリカ出身の黒人で、「ボンドは白人に決まっている」との声に耐えられなかったようだ。

但し、エルバさんの葛藤も今後はなくなるのかもしれない。英紙「デイリー・メール・オンライン」が13日に報じたところによると、2020年公開予定の『007』シリーズの最新作『ボンド25』に、黒人女性が次期「007」として、紹介されるシーンがあるとのことだ。その女性は、英国の黒人女優のラシャーナ・リンチさん。

デイリー・メールによると、最新作ではボンドが英情報機関(MI6)を去り、ジャマイカで余生を過ごしているところから物語が始まる。MI6の責任者が「007、入れ」と呼ぶと、リンチさんが演じる黒人女性が登場するとのこと。

「コードネーム007」は、イアン・フレミング氏の原作では、MI6、(SIS:秘密情報部)の中で「殺しのライセンス」を持つスパイの1人で、「ジェームス・ボンド」に付与されている。原作では「ジェームス・ボンド」はスコットランド人の父とスイス人の母を持ち、英国上流階級出身の英国人で、身長は183センチ、髪の毛の色は黒の白人男性の設定だ。

現在、6代目のジェームズ・ボンドは、ダニエル・クレイグさんが務めているが、クレイグさんは『ボンド25』で降板の予定であり、昨年来、「次期007」論争が過熱している。

過去は、全て白人男性が演じているが、クレイグさんを含め髪の毛が金髪だけで、似つかわしくないと批判されたこともある。 それが、「次の『007』は黒人の女性」、俄かには信じ難いが、次回作からは「ボンド・ガール」が「ボンド・ウーマン」に変更されるようであり、近年のダイバーシティ重視、「#MeToo」運動等が影響した可能性も高そうだ。

なお、リンチさんが演じるスパイは「コードネーム007」を引き継いでいるだけであり、ジェームズ・ボンドは次回作ではクレイグさんが演じているため、次の次の新シリーズでは、やはり男性の「007ジェームズ・ボンド」が登場する可能性も十分ありそうだ。

リンチさんは、2019年に公開された『キャプテン・マーベル』の米空軍の戦闘機パイロットで、主人公キャロル・ダンヴァースの親友でもあるマリア・ランボー役を演じている。但し、マリア・ランボーは普通の地球人であり、アベンジャーズのようなヒーローではない。この点では、『マイティ・ソー』シリーズで、アスガルドの戦士ヘイムダル役を務めたイドリス・エルバさんの方が適任か?

親の権威を保つためには、家庭サービスという実践が不可欠

今年の梅雨明けは、既に明けた沖縄・奄美を除き、全国的に来週となる見通しだ。

気象庁が7月18日に発表した1 か月予報でも、27日以降は全国的に平年並みの気温に戻る予報となっている。来週後半には、ようやく夏らしい暑さが訪れそうだが、今年の海水浴のベストシーズンは、25日ごろから、お盆までのやや限られた期間となりそうだ。

梅雨の期間や天候不順時は、映画館での注目映画の鑑賞をお奨めしたい。特に今年は大ヒット中の『アラジン』に加え、日米の注目アニメの公開が目白押しだ。特に、お子さんのいらっしゃる家庭にはなおさらか。黒人女性の抜擢が噂される「007」のように、時代は変わった。父であれ母であれ、親の権威を保つためには、家庭サービスという実践が不可欠だろう。

末澤 豪謙 プロフィール

末澤 豪謙

1984年大阪大学法学部卒、三井銀行入行、1986年より債券ディーラー、債券セールス等経験後、1998年さくら証券シニアストラテジスト。大和証券SMBC金融市場調査部長、SMBC日興証券金融市場調査部長等を経て、2012年よりチーフ債券ストラテジスト。2013年より金融財政アナリスト。2010年には行政刷新会議事業仕分け第3弾「特別会計」民間評価者(事業仕分け人)を務めた。日経債券アナリストランキング、14年連続10位内ランクイン。日経財政アナリストランキング2位(2004年〜2006年)。財政制度等審議会委員、国の債務管理の在り方懇談会委員、地方債調査研究委員会委員。趣味は、映画鑑賞、水泳、スキューバダイビング、アニソンカラオケ等。

このページの関連情報