アナリストの忙中閑話【第102回】

アナリストの忙中閑話

(2019年11月21日)

【第102回】米大統領選まで1年、異形の現職の勝算は?クリスマス映画続々公開、我が国歴代興収3位の続編に加え、SF大作の完結編も

金融経済調査部 金融財政アナリスト 末澤 豪謙

米国では「11月の第1月曜日の翌日の火曜日」は「選挙の日:Election Day」

米国では「11月の第1月曜日の翌日の火曜日」は「選挙の日:Election Day」と呼ばれ、公職の選挙が実施される日となっている。来年、2020年の11月3日(火)には、米大統領選・議会選・知事選が実施されるが、今年も11月5日(火)には、各州で選挙が実施された。

その中には、来年の大統領選の前哨戦となる重要な選挙も含まれる。具体的には、ケンタッキー州知事選、ミシシッピ州知事選、バージニア州上下両院選などだ。

ケンタッキー州知事選は、民主党新人のアンディ・べシア州司法長官(41)が、共和党現職のマット・べビン州知事(52)を僅差で破り勝利した模様だ。但し、得票差は約5,000票で、べビン氏は「不正があった」と異議を申し立てており、確定が遅れている。ケンタッキー州は、「レッド・ステート(赤い州)」と呼ばれる共和党地盤州であり、共和党にとって痛手だ。トランプ大統領も4日に現地入りし、応援演説を行っていた。

一方、同じく共和党地盤州のミシシッピ州知事選は、共和党のテイト・リーブス州副知事が、民主党のジム・フッド州司法長官を僅差で破り勝利した。同州は過去20年間、共和党が知事職を確保している。

他方、大統領選ではスイング・ステート(激戦州)の一つとして注目されるバージニア州上下両院選では、共和党が多数を占めていた上下両院を何れも民主党が奪還した。民主党が同州の上下両院を制するのは1994年以来25年ぶり。同州の知事は民主党のラルフ・ノーサム氏であり、今後、選挙区割の見直し等、重要な州法の改正が行われる可能性もある。

16日に実施された南部ルイジアナ州知事選の決選投票でも、民主党の現職ジョン・エドワーズ氏が共和党新人の実業家エディー・リスポーニ氏を破り、再選を果たした。同州もケンタッキー州同様、「レッド・ステート」でトランプ大統領も応援に入っていたが、連敗を喫した。再選を1年後に控えたトランプ氏にとって11月の選挙は苦い結果となったようだ。

トランプ大統領に対し、民主党の大統領候補が支持率でリードを拡げる

なお、本選でのトランプ大統領と民主党の大統領候補の支持率に関し、足元では、民主党候補がリードを拡げているとの調査結果が、ワシントン・ポストとABCニュースが10月27-30日に実施した世論調査から明らかになった。

「明日、大統領選があれば誰に投票するか」との問いに対し、トランプ大統領は、ジョー・バイデン前副大統領に対しては39対56、エリザベス・ウォーレン上院議員に対しては40対55、バーニー・サンダース上院議員に対しては41対52、インディアナ州サウスベンド市長のピート・ブティジェッジ氏に対しては41対52、カマラ・ハリス上院議員に対しては42対51と何れも、二桁ないし二桁近い差で劣後する結果となった。

2020年の大統領選・議会選・知事選は、親トランプか反トランプかが問われる選挙に

7月時点の同様な調査では、バイデン氏を除くとその差は一桁だった。差が拡がった背景として、WP紙は無党派層が民主党支持に動いたとの分析をしているが、無党派層ではバイデン氏が相手の場合で、39対56と、全体の支持と同じ格差が生じている。2020年の大統領選・議会選・知事選は、良くも悪くも、親トランプか反トランプかが問われる選挙となりつつあると言えそうだ。

そういう意味では、民主党が大統領選や議会選を制することが出来るか否かは、民主党支持者や無党派層の投票率次第と言えそうだ。

投票率に関しては、「怒り」が重要ともされる。現状維持で良ければ、野党サイドの支持者は敢えて投票所に赴く必要はない。

トランプ大統領が2016年の共和党予備選や本選で、対立候補を厳しく批判したように、今後、民主党は、下院で10月31日に可決した大統領弾劾調査決議を駆使して、トランプ政権の暗部を詳らかにすることになりそうだ。大統領弾劾に関しては、逆効果との見方もあったが、米国がここまで、親トランプか反トランプで二分化された状況では、反トランプ勢力の糾合のため、民主党にとって有効な選挙キャンペーンとなるかもしれない。

12月上旬にも下院でトランプ大統領弾劾訴追へ、上院では無罪判決の可能性

民主党は現在、下院情報特別委員会での公聴会でウクライナ疑惑に関する公開の証言等を行い、弾劾に向けた証拠集め・理論武装・世論対策を行っている。クリスマス休会前の12月上旬にも、民主党の賛成多数で、トランプ大統領を弾劾訴追する方向だ。上院での弾劾裁判は年明けの1-2月頃と見込まれるが、弾劾訴追が下院の単純過半数で可能であるのに対し、有罪判決には上院で3分の2の多数が必要。上院の勢力は共和党53に対し、民主党は47。67票の賛成票を集めるには、共和党から20人の造反が必要であり、現時点では無罪判決となる可能性が高い。

歴代44人の大統領で、弾劾訴追されたのは2人、何れも無罪に、弾劾訴追されて再選に挑んだ大統領はいない

ドナルド・トランプ氏は第45代米国大統領だが、グロバー・クリーブランド氏が第22代と第24代の大統領を務めたことから、歴代大統領の総数は44人。そのうち、弾劾訴追された大統領は第17代のアンドリュー・ジョンソン氏(弾劾裁判は1868年)と第42代のビル・クリントン氏(1999年)の2人のみ。何れも無罪判決となったが、ジョンソン氏はレームダック化し、党の候補者指名を得られず、クリントン氏は2期を終え退任。

弾劾訴追された大統領として、再選に向けた選挙キャンペーンに挑むのは、トランプ氏が史上初めてとなりそうだ。トランプ氏は政治家の経験も軍人の経験もない史上初の米大統領だが新たな歴史を作ることになる。

なお、第37代のリチャード・ニクソン氏は弾劾訴追前に、大統領を辞任したが、下院での弾劾調査決議の採決結果が賛成410、反対4と、超党派の賛成多数となったため観念したということだろう。一方、10月31日に下院で可決されたトランプ大統領に対する弾劾調査決議の採決結果は賛成232、反対196、棄権4となり、共和党で賛成票を投じた議員はいなかった。

1840年以降に西暦で20の倍数の周期に選出された大統領は悲運に見舞われるというジンクスも

来年は2020年、米大統領選に関しては、嫌なジンクスもある。1840年以降に西暦で20の倍数の周期に選出(再選含む)された大統領は悲運に見舞われるというジンクスだ。

1840年選出のウィリアム・ハリソン氏(病死)から1960年のジョン・F・ケネディ氏(暗殺)まで、何れも在任中に死去(病死か暗殺)している。1860年エイブラハム・リンカーン氏(暗殺)、1880年のジェームズ・ガーフィールド氏(暗殺)、1900年のウィリアム・マッキンリー氏(暗殺)、1920年のウォーレン・ハーディング氏(病死)、1940年のフランクリン・ルーズベルト氏(病死)だ。「テカムセの呪い」「ティピカヌーの呪い」「20年の呪い」「大統領の呪い」等とも言われる。但し、1980年のロナルド・レーガン氏及び2000年のジョージ・W・ブッシュ氏は、何れも暗殺未遂に見舞われたが、無事2期を務めあげた。

異形の大統領であるトランプ氏にとっては、関係ないことかもしれないが、米国内での党派やイデオロギー、宗教、人種・民族等の対立が深刻化していることは事実だ。2020年の大統領選が相当、混沌とした状況に陥る可能性には留意する必要がありそうだ。

各国の投票日、欧州大陸諸国は日曜が主流だが、英国は木曜、北米は平日、オセアニアは土曜日

選挙の大勢は投票率にも左右される。一方、投票率に関しては、投票日の天候等からも影響を受ける。以下では各国の選挙投票日を概観したい。

まず、米国では、前述のように、大統領や連邦議会の選挙は、「11月の第1月曜日の次の火曜日:on the Tuesday next after the first Monday in the month of November」と、1845年1月23日に成立した「選挙日統一法:An Act to Establish a Uniform Time for Holding Elections for Electors of President and Vice President in all the States of the Union」に定められている。

なお、「11月の第1月曜日の次の火曜日」となった背景には諸説あるが、当時、米国はキリスト教徒が大半の農業国であり、春から秋の農繁期や教会に行く日曜日を避けたとされる。また、当時、投票所の数は少なく、都市部等に置かれていたことで、最も速い交通手段である馬車を使っても投票所に行くのも1日がかりだった。月初の1日を避けたのは、ビジネスの決算が1日だったことに加え、11月第1火曜日が1日の場合、選挙人団が州議事堂で投票する12月の第1水曜日の間が34日以上開き選挙人団法に反することになるため、11月の2日から8日までに投票日が設定されるように定められたようだ。

結果、現在でも、米国の大半の州では、平日に選挙が実施されるが、デラウェア州、ハワイ州、ケンタッキー州、モンタナ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、オハイオ州、ウエストバージニア州などは、投票日を休日にする地域もある。また、カリフォルニア州では、勤務の前後のどちらか2時間を選挙のための有給休暇とするよう定めている。

一方、英国下院の前倒し総選挙は12月12日(木)に実施される。英国では2016年6月のEU離脱の是非を問うた国民投票や2017年6月の総選挙も木曜日に実施された。但し、木曜日に行われているのはあくまで慣例で、ジョンソン首相も9月には2度、10月15日火曜日に総選挙を前倒し実施する動議を提出し、何れも否決されている。法律上は「クリスマスや祝祭日以外の平日」と定められている。

なお、2011年に制定された議会固定任期法(Fixed-term Parliaments Act 2011)により、解散がない場合は、5年目の第1木曜日に実施されることになった。

慣例で投票日が木曜日となった背景は、日曜日は礼拝、月曜日は神父の説教の余韻が残っており、火、水曜は商店が開いている。金曜日は給料日で酒を飲み、土曜日は二日酔い、消去法で木曜日となったとされるが、真偽は不明。

他の欧州諸国は、投票日は大半が日曜日だ。但し、ノルウェーは月曜日、オランダが水曜日、キプロス、アイスランド、マルタ、スロバキアとラトビアが土曜日、デンマークは水曜日ないし火曜日が多いのは例外か。

カナダは10月21日(月)に総選挙が実施されたばかりだが、月曜日に実施される。

オーストラリアとニュージーランドは土曜日に実施される。

韓国は大統領選や総選挙は水曜日に実施されるが祝日となる。なお、2004年までは木曜日だった。

投票日には各国の歴史や文化等も反映されている。諸外国では事前の有権者登録が必要な国も多いが、我が国では住民票がある役所から自動的に投票所入場券が郵送されてくる(入場券がなくとも投票可)。選挙権は有効に行使したい。

クリスマス映画が続々公開、我が国歴代興収3位の続編に加え、SF大作の完結編も

以下は恒例の映画特集。今月号では、注目のクリスマス映画をご紹介する。我が国歴代興収3位の続編に加え、いよいよ「a long time ago in a galaxy far far away:遠い昔、遥か彼方の銀河系」で始まる一世を風靡したSF大作の完結編も公開される。

前週末(11月16-17日)の国内観客動員ランキングでは、前述のロナルド・レーガン元大統領同様、米カリフォルニア州知事をかつて務めた俳優の出世作の続編が第1位に(興行通信社調べ、以下同じ)。

2週連続で第1位となった『ターミネーター ニュー・フェイト』は、ジェームズ・キャメロン監督が生み出したSFアクション『ターミネーター』のシリーズ通算6作目で、キャメロン氏が直接手がけ、名作として人気の高い『ターミネーター2』の正当な続編。リンダ・ハミルトンさん演じるサラ・コナーが28年ぶりにシリーズ復帰。シリーズの顔である「T-800」を演じるアーノルド・シュワルツェネッガーさんも共演し、主要な役どころを演じている。

リンダ・ハミルトンさんも既に63歳、アーノルド・シュワルツェネッガーさんは何と72歳だが、何れも年齢を全く感じさせない「元気高齢者」だった。

第2位は『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』。「日本キャラクター大賞 2019」でグランプリを受賞したサンエックス株式会社の大人気キャラクター「すみっコぐらし」の劇場版アニメーションとのことだが、全くその存在を知らず、前月号でも紹介できていないが、前週の3位スタートからランクアップ。お子さんに大人気の模様。

第3位は『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』。興収では第2位につけている。

第4位は『ジョーカー』。累計では動員317万人、興収46億円を突破。

第5位の『マチネの終わりに』は、東京、パリ、ニューヨークを舞台に音楽家とジャーナリストの愛の物語を描いた芥川賞作家の平野啓一郎氏の同名ベストセラー小説を福山雅治さん、石田ゆり子さん主演で映画化。

この1年、『ボヘミアン・ラプソディ』『ロケットマン』『蜜蜂と遠雷』『イエスタディ』と、音楽関連の映画が多数公開されたが、本作は予想以上の出来。ストーリーや映像も良いが特にメインテーマ曲の「幸福の硬貨」などのギターの音色が良かった。

前作は世界最後の公開で大ヒット、今回は日米同時公開に

11月22日公開の『アナと雪の女王2』は、日本で2014年に公開されるや、「レット・イット・ゴー」の歌声があふれ、歴代3位となる興行収入255億円を記録した大ヒットディズニーアニメ『アナと雪の女王』の続編。

前作『アナと雪の女王』は、米国等海外では、クリスマス映画として2013年11月に公開されたが、なぜか日本公開は世界最後の2014年3月となった。但し、やや大人向けストーリーで大ヒット、ゴールデンウィークでもトップの観客動員を誇った。

本作の海外での原題は『FrozenⅡ』だが、今回は日米同時公開となり、国内でもクリスマス映画として楽しめることとなった。観客動員数や興収にも注目したい。

同じく22日公開の『決算!忠臣蔵』は、「忠臣蔵」を題材に、限られた予算の中で仇討を果たそうとする赤穂浪士たちの苦労を描いた時代劇コメディ。時節柄の作品ではあるが、過去に「忠臣蔵」を扱った作品とは内容は大きく異なる。堤真一さんと岡村隆史さんがダブル主演し、監督・脚本を『殿、利息でござる!』の中村義洋監督が務めた。

29日公開の『ドクター・スリープ』は、スタンリー・キューブリック監督がスティーブン・キング氏の小説を原作に描いた1980年公開の傑作ホラー『シャイニング』の40年後を描いた続編。

40年前の惨劇を生き延びたダニー(ユアン・マクレガー)は、心に傷を抱えた孤独な大人になっていた。父親に殺されかけたトラウマ、終わらない幼い日の悪夢。そんな彼のまわりで起こる児童連続失踪事件。ある日、ダニーのもとに謎の少女アブラからメッセージが届く。彼女は「特別な力(シャイニング)」を持っており、事件の現場を目撃していたのだ。事件の謎を追う二人。やがて二人は、ダニーにとって運命の場所、あの「呪われたホテル」にたどり着く。

ジャック・ニコルソンさん主演の『シャイニング』は当時大きな反響を呼び、現在ではホラーの古典の域に達し、スティーブン・スピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』(2018年公開)にも登場した。但し、キューブリック監督が原作を大幅に改編したことで、キング氏との間で係争が生じたことでも有名。今回も、キング氏は当初、続編の製作に反対したとのことだが、監督・脚本を務めたマイク・フラナガン氏が説得。『シャイニング』と原作のギャップを埋めるような設定で『ドクター・スリープ』の結末を執筆したことで、ゴーサインが出たとのこと。

同じく29日公開の『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』は、北条司氏の漫画「シティーハンター」をフランスで実写映画化。

ボディーガードや探偵を請け負う凄腕のスイーパー「シティーハンター」こと冴羽は、相棒の槇村香と日々様々な依頼を受けている。ある日、ふたりに危険な依頼が舞い込む。それは、その香を嗅いだ者を虜にする「キューピッドの香水」の奪回。これが悪用されたら世界は大変なことに。タイムリミットは48時間。冴羽と香は、時間内に香水を取り戻すことができるのか。元傭兵の海坊主、美人刑事の冴子を巻き込みシティーハンターの香水奪回作戦がはじまる。

フランスの大ヒットコメディ映画『世界の果てまでヒャッハー!』を手がけたフィリップ・ラショー氏が監督・脚本・主演。日本語吹き替え版は、リョウ役を山寺宏一さん、カオリ役を沢城みゆきさんが担当。アニメ版オリジナルキャストの神谷明さんと伊倉一恵さんはスペシャルゲストとして、アニメ版とは異なる役の吹き替えで参加。

ルパン三世 THE FIRST

『ルパン三世 THE FIRST』
2019年12月6日(金)全国東宝系にてロードショー
©モンキー・パンチ/2019映画「ルパン三世」製作委員会

12月6日公開の『ルパン三世 THE FIRST』は、モンキー・パンチ氏原作による国民的アニメ「ルパン三世」を初めて3DCGアニメーション化して描いた劇場版。『STAND BY ME ドラえもん』などの山崎貴氏が監督・脚本を担当。

かのアルセーヌ・ルパンが唯一盗むことに失敗した秘宝ブレッソン・ダイアリー。その謎を解き明かしたものは莫大な財宝を手にするといわれている。そんな伝説のターゲットを狙うルパン(栗田貫一)は考古学を愛する少女レティシア(広瀬すず)と出会い、2人で協力して謎を解くことに。しかし、ブレッソン・ダイアリーを狙う秘密組織の研究者ランベール(吉田鋼太郎)と、組織を操る謎の男ゲラルト(藤原竜也)が2人の前に立ちはだかる。

屍人荘の殺人

『屍人荘の殺人』
2019年12月13日(金)全国東宝系にてロードショー
©2019「屍人荘の殺人」製作委員会

12月13日公開の『屍人荘の殺人』は、今村昌弘氏のデビュー作で、国内主要ミステリー賞を総なめにしたミステリー作「屍人荘の殺人」を神木隆之介さん、浜辺美波さん、中村倫也さんの共演で実写映画化。監督はドラマ「99.9-刑事専門弁護士-」や「民王」などの木村ひさし氏。主題歌はPerfumeが担当。

神紅大学のミステリー愛好会に所属する葉村譲(神木隆之介)と明智恭介(中村倫也)は学内の事件を推理する自称「ホームズ」と「ワトソン」。

しかし葉村はミステリー小説オタクなのに全く推理が当たらない万年助手。事件の匂いを嗅ぎつけては首を突っ込む会長の明智に振り回される日々を送っていた。そんなある日、2人の前に剣崎比留子(浜辺美波)という謎の美人女子大生探偵が現れ、ロックフェス研究会の合宿への参加を持ちかける。部員宛てに謎の脅迫状が届いたこと、去年の参加者の中に行方知れずの女子部員がいることを伝え、葉村と明智の興味をひく。

13日公開の『ジュマンジ/ネクスト・レベル』は、テレビゲームの世界に吸い込まれた高校生たちが、本来の姿とかけ離れたゲームキャラクターのアバターになって冒険を繰り広げる姿を描き、大ヒットを記録したアドベンチャー『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』の続編。主演の「ザ・ロック」ことドウェイン・ジョンソンさんほか、ジャック・ブラックさん、カレン・ギランさん、ニック・ジョナスさんらメインキャストが再結集。監督もジェイク・カスダン氏が続投。

「ジュマンジ〜」と叫んで、ジャガー像に宝石をブチ込み、ゲームクリアしたのが2年前。当時高校生だったスペンサー、マーサ、フリッジ、ベサニーもそれぞれの道を進み今は大学生。しかし、あの時の興奮が忘れられず、粉々に破壊したはずのジュマンジをこっそり修理し始めるスペンサー。その瞬間、またしてもゲームの中に吸い込まれてしまった。スペンサーを救出する為に、再びジュマンジにログインする3人。しかし、壊れたゲームの世界はバグっており、なぜかスペンサーのお祖父ちゃん達もジュマンジの中に。そこはジャングルのみならず、砂漠、氷山など新たなステージが追加され難易度もアップ。

ヒックとドラゴン 聖地への冒険

『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』
2019年12月20日(金)TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー
©2019 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.

20日公開の『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』は、クレシッダ・コーウェル氏の同名児童文学を原作に、バイキングの少年とドラゴンの友情と成長を描いたドリームワークス製アニメ『ヒックとドラゴン』シリーズの劇場版第3作。前2作に続き、『リロ&スティッチ』のディーン・デュボア氏が監督・脚本を手がけた。

かつてドラゴンは人間の敵だった。弱虫のバイキングの少年ヒックと傷ついたドラゴン「トゥース」の活躍で彼らは共存する道を選び、バーク島で平和に暮らしていた。だが、ドラゴンが増え続けたバーク島は定員オーバーに。

亡き父の跡を継ぎ、若きリーダーに成長したヒックは、島を捨て、ドラゴンたちと新天地を探し求める決断をする。しかし、大移動の旅の途中、最凶のドラゴンハンターに命を狙われ、「トゥース」の前には白い謎のドラゴン「ライト・フューリー」が姿を現す。そして彼らが辿り着いたのは、人間は住めないドラゴンたちだけの「隠された王国」だった。

既に試写会で鑑賞したが、映像も綺麗で、ストーリーも良く出来ており、家族で楽しめる作品に仕上がっている。

42年に及ぶスカイウォーカー家の「家族の愛と喪失」の物語に幕

同じく20日に日米同時公開される『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は『スター・ウォーズ』シリーズ新たな3部作、『スター・ウォーズ フォースの覚醒』(2015)、『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』(2017)に続く3作目。『スター・ウォーズ』サーガの「エピソード9」にあたり、1977年のシリーズ1作目から語り継がれてきたスカイウォーカー家の物語の完結編。

『フォースの覚醒』を手がけたJ・J・エイブラムス監督が再びメガホンをとった。主人公のレイを演じるデイジー・リドリーさん、ジョン・ボイエガさん、アダム・ドライバーさん、オスカー・アイザックさんら3部作の主要キャラクターを演じてきたキャストが集結。『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』(1980)、『スター・ウォーズ ジェダイの帰還』(1983)に登場したビリー・ディー・ウィリアムズさん演じるランド・カルリジアンが再登場。2016年12月に急逝したキャリー・フィッシャーさん演じるレイア・オーガナも未使用の映像を用いて登場する。

善と悪が入り混じり、喜びと哀しみに彩られ、平和と戦争が織り成す怒涛の銀河宇宙の歴史に名を刻んだ42年に及ぶスカイウォーカー家の「家族の愛と喪失」の物語は2019年12月、ついに幕を下ろす。

『スター・ウォーズ』は当時のSF映画界に一種の映像革命を起こした

1978年公開の『スター・ウォーズ』(米国公開は1977年)や1991年公開の『ターミネーター2』などは、筆者の青春時代の思い出の映画だが、最近の世界興収は、『アベンジャーズ』シリーズ等には及ばない。背景に、当時は冷戦期ないし冷戦終結局面で、市場が旧西側諸国に限られていたという事情がある。

それでも、『スター・ウォーズ』、現在の名称は『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の大ヒットは、物価上昇分を換算した米国内の興収ランキングにも表れている。インフレ調整後の米国内の歴代興収第1位は原題『Gone with the Wind』(米国公開1939年、邦題『風と共に去りぬ』日本公開1952年)だが、第2位は『スター・ウォーズ』だ(Box Office Mojo調べ、以下同じ)。インフレ調整後で約16.1億ドルと、歴代世界興収第1位の『アベンジャーズ:エンドゲーム』の米国内興収約8.6億ドルの2倍近い。なお、『エンドゲーム』のインフレ調整後米国内歴代順位は第16位。

『スター・ウォーズ』は当時のSF映画界に一種の映像革命を起こしたと言われている。ジョージ・ルーカス監督は、同氏が設立したインダストリアル・ライト&マジック社(ILM)で有名となったストップモーション・アニメーションなどSFX(特殊撮影)技術を多用。宇宙での戦闘シーン等でかつてない視覚効果を生み出した。ちなみに『スター・ウォーズ』の撮影に使われた宇宙船の材料は「タミヤ」など日本製プラモデルの部品が多用されたと、当時報道されていた。

但し、その『スター・ウォーズ』も当初の3部作である『エピソード4〜6』の1977年、1980年、1983年の公開の後、エピソード7の1999年の公開まで16年の歳月を要している。背景には撮影技術上の限界の問題があったとされるが、ルーカス氏がスティーブン・スピルバーグ監督の『ジュラシック・パーク』(1993年公開)の撮影を手伝っていた際、ILMのCG(コンピュータグラフィックス)技術に惚れ込み、『エピソード1〜3』の新3部作の製作を決断したとされている。『ジュラシック・パーク』は、CGとアニマトロニクス、いわばロボット恐竜の新技術でSF映画の世界を新たに切り開いたが、ILM社が当時、ほぼ同時に撮影技術を提供していたのが1991年公開の『ターミネーター2』だった。

「10年一昔」と言うが、さすがに30-40年経つと、当時斬新と思われた映像も、今ではやや陳腐化する。但し、それがイノベーションだろう。

過去の50年間、人類はあまり進歩していないのかも?

イノベーションに関しては、映画やIT、航空宇宙技術等に加え、現在問題となっている「GAFA」の台頭を含め、「人種のるつぼ」である米国に見倣うところは多い。

然るに、その米国でも移民や難民の規制が大統領選等の大きな争点となり、欧州では移民・難民問題は、英国のEU離脱問題やイタリアの政権交代、2大政党制の衰退等、政治混乱の大きな要因ともなっている。

今から約50年前に開催された1970年の大阪万博のテーマは『人類の進歩と調和』(Progress and Harmony for Mankind)だったが、筆者の人生の大半も占める過去の50年間、実は、人類はあまり進歩していないのかもしれない。

末澤 豪謙 プロフィール

末澤 豪謙

1984年大阪大学法学部卒、三井銀行入行、1986年より債券ディーラー、債券セールス等経験後、1998年さくら証券シニアストラテジスト。大和証券SMBC金融市場調査部長、SMBC日興証券金融市場調査部長等を経て、2012年よりチーフ債券ストラテジスト。2013年より金融財政アナリスト。2010年には行政刷新会議事業仕分け第3弾「特別会計」民間評価者(事業仕分け人)を務めた。日経債券アナリストランキング、14年連続10位内ランクイン。日経財政アナリストランキング2位(2004年〜2006年)。財政制度等審議会委員、国の債務管理の在り方懇談会委員、地方債調査研究委員会委員。趣味は、映画鑑賞、水泳、スキューバダイビング、アニソンカラオケ等。

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