アナリストの忙中閑話【第117回】

アナリストの忙中閑話

(2021年2月18日)

【第117回】日経平均株価、30年半ぶりに3万円の大台回復、2020年の映画興収▲45%も邦画は堅調、対COVID戦争は新たなフェーズに

金融経済調査部 金融財政アナリスト 末澤 豪謙

日経平均株価は2月15日、3万0,084円と、1990年8月2日以来、30年6カ月ぶりに、3万円の大台を回復

日経平均株価は2月15日には、3万0,084円と、1990年8月2日以来、30年6カ月ぶりに、3万円の大台を回復して引けた。

米国での1.9兆ドル規模の追加経済対策の成立期待やわが国の市場予想を上回った2020年10-12月期の実質GDP成長率、17日にスタートしたワクチン接種等が買い材料として挙げられている。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックを受けた2020年春の暴落以降の反発の背景は、世界的な未曾有・空前絶後の規模の金融緩和・財政出動

但し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを受けた2020年春の暴落以降の反発の背景には、パンデミックの対策のための世界的な未曾有・空前絶後の規模の金融緩和・財政出動があることは疑いようがなく、金融相場、過剰流動性相場の色彩が強いのは否めない。

1984年に銀行に入行、1986年初からバブル期を債券ディーラーとして過ごした筆者の感覚としても、現在と当時とは、日本国の勢い、国民の高揚感は明らかに異なっている。

1990年夏と比較すると、不動産価格等は低迷したまま

実際、1990年の水準に回復したのは、株価のみであり、当時と比較すると、実質実効為替レートは円安水準(1990年8月95.34⇒2000年12月75.94、日本銀行)にあり、長期国債先物は大幅上昇(金利は大幅低下)、全国市街地価格指数は大幅下落(全用途平均1990年9月249.9⇒2000年9月88.8、日本不動産研究所)したままだ。

我が国の国力、特に世界各国と比較した相対的な国力は1990年当時と比較すると、低下したままだが、株価のみが回復したとも言えそうだ。

実質実効為替レートのピークは1995年4月、我が国の生産年齢人口もピーク

ちなみに、実効為替レートのピークは、実質が1995年4月。ちょうど、我が国の生産年齢人口がピークで、阪神淡路大震災の直後だった。

一方、名目実効為替レートのピークは、2012年1月で、2010年までに総人口がピークをつけ、東日本大震災後の円高局面となっている。

株高は世界共通の現象だが、我が国株式市場のマイクロストラクチャーの変化も影響

パンデミックに対応した大胆な政策対応以降、株価が大幅上昇しているのは世界共通の現象だが、我が国株式市場の個別の事情としては、株式保有構造、マイクロストラクチャーの変化も影響していると考えられる。

バブル崩壊後、長らく株価の下落局面が継続した背景には、人口減少等国力の低下要因もあるが、1960年代の資本自由化後に形成された金融機関と事業法人の株式持ち合いが、銀行の自己資本比率規制や時価会計の導入もあり、解消傾向となったことが大きかった。

銀行・保険の保有比率はピークの4分の1に低下

かつては合計で30%超を占めていた長銀・都銀・地銀と生保、損保の上場株式保有比率は、バブル崩壊、時価会計導入等を受けて低下、ピークの1988年度末の32.3%が、2019年度末には7.1%と4分の1の水準に低下した。

また、持ち合い株式の受け皿として期待された年金(私的年金)の保有比率も、退職給付債務への時価会計導入や、BC(確定給付)からDC(確定拠出)への移行促進もあり、2001年度末をピークに低下傾向に転じている。

一方、海外投資家はバブル崩壊後、日本株投資を再開。特に2003年度から2006年度、及び2012年度から2014年度に日本株投資を積極化、2013年暦年の買い越し額は15兆1,196億円に達した。

保有比率も2013年度末には30.8%と30%の大台を突破した。過去最高は2014年度末の31.7%。なお、2019年度末は29.6%に低下。2020年10月以降は買い越しに転換。

バブル期と比較すると投資部門別株式保有比率には大きな変化

バブル期の1988年度末と比較すると、投資部門別株式保有比率には大きな変化が見られる。

1988年度末(1989年3月末)時点では、金融機関(除く投信・年金)と事業法人等で69.0%と全体の約7割を占めていたが、2019年度末(2020年3月末)時点では、42.1%と4割強の水準に低下している。

なお、金融機関には退職給付信託分、有価証券管理信託分に加えて、日銀保有分(原物株等)、公的年金保有分等も含まれているため、実態は同比率以上の変化とみられる。

個人は1989年3月末の保有比率19.9%が2020年3月末は16.5%に低下、過去最低を更新

個人に関しては1989年3月末の保有比率19.9%が2020年3月末は16.5%に低下、過去最低を更新した。

一方、投資信託に関しては、1989年3月末の3.1%が2020年3月末は8.7%に上昇、投信を通じて、「貯蓄から投資」への動きが進んだようにも見えるが、実際は、比率上昇分は、日銀保有ETFが大半を占める。

日銀の資金循環統計によると、2010年10月から2020年9月までの10年間における、投資信託による上場株式取得額は33.9兆円。一方、その間の日銀の投資信託取得額が34.8兆円に上る。

30年半ぶりの日経平均株価の3万円台回復は、海外及び公的資金主導

過去10年間の投資信託取得額の大半は日銀のETF分と言え、特に2019年以降は、日銀の投資信託取得額が投信による株式取得額を大幅に上回っている。

近年の投資信託の株式保有率の上昇の実態は、日銀ETF保有分だ。

30年半ぶりの日経平均株価の3万円台回復は、海外及び公的資金主導と言えそうだ。

株高と生活実感のズレも当然か

TVの取材等でも、多くの個人が、バブル期と異なり、株高と生活実感のズレについて、コメントしているが当然だろう。

COVID-19のパンデミックを受けて、賃金は上昇せず、失業者は増加。保有不動産も大都市部等一部の地域を除いては、バブル期と比較し、大きく下落したままだ。

今後の課題は、コロナ禍からの実体経済の回復と、少子化対策や生産性の上昇等による潜在成長力の向上

また、個人の株式保有比率が2020年3月末段階で過去最低となったことは、株高による、いわゆる「資産効果」も限定的ということになる。

海外では、2019年までの好景気局面においても政治不安が拡大したが、背景には、所得・資産の格差拡大と移民・難民の流入問題があった。

我が国でも、今後の課題は、コロナ禍からの実体経済の回復と、少子化対策や生産性の上昇等による潜在成長力の向上と言えそうだ。

長期の株式投資家を育成する努力も必要、個人投資家への税制・教育面での支援が引き続き重要

また、次のベア・マーケット(弱気相場)に備えた長期の株式投資家を育成する努力も必要だろう。

個人投資家への税制・教育面での支援が引き続き重要と言えそうだ。

米国の追加経済対策は民主党単独で成立を目指すことに

足元の株高の背景となっている米国の追加経済対策に関して、バイデン大統領は当初目指した超党派での法案策定を諦め、民主党単独での成立に舵を切ったようだ。

背景には、2月13日に上院で評決が行われた弾劾裁判でトランプ氏が無罪になったことも影響している。

米議会上院はトランプ氏の弾劾裁判の評決を行い、有罪57票、無罪43票で無罪の判決

米議会上院は2月13日、ドナルド・トランプ氏の弾劾訴追決議「H.Res.24 - Impeaching Donald John Trump, President of the United States, for high crimes and misdemeanors」に対する評決を行い、有罪(Guilty)57票、無罪(Not Guilty)43票で、無罪の判決を出した。有罪の判決には出席議員の3分の2、67人の有罪票が必要だった。

民主党は50人全てが有罪、共和党は43人が無罪、7人が有罪の判断

トランプ氏の弾劾裁判は2020年2月に続き、2回目。大統領経験者の2度の弾劾訴追は初。

前回も無罪判決が出たが、評決は、権力乱用が有罪48:無罪52、議会妨害が有罪47:無罪53と、何れも、無罪票が多数だった。

今回、裁判長は、上院仮議長のパトリック・レーヒー上院議員が務めた。前回はジョン・ロバーツ連邦最高裁長官が裁判長を務めたが、トランプ氏が大統領退任後のため、上院議員の代行が可能となった。

党派別の内訳は、民主党(民主党系無所属2含む)は50人全てが有罪、共和党は43人が無罪、7人が有罪の判断を示した。

有罪の判断を示した共和党上院議員は、リチャード・バー議員(ノースカロライナ州)、ビル・カシディー議員(ルイジアナ州)、スーザン・コリンズ議員(メーン州)、リサ・マカウスキ議員(アラスカ州)、ミット・ロムニー議員(ユタ州)、ベン・サス議員(ネブラスカ州)、パット・トゥーミー議員(ペンシルベニア州)の7人。

2020年2月の弾劾裁判では、有罪票を投じた共和党議員はロムニー氏だけだった。

ウクライナ疑惑等、事実認定が複雑だった前回の弾劾裁判と異なり、今回は連邦議事堂乱入への扇動が訴追理由で、議員自らが被害者となり、事実認定には疑義は生じにくかったと考えられるが、改選時の共和党予備選での対抗馬の擁立等を警戒、無罪票を投じた議員が多かったとみられる。

上院共和党トップのマコネル院内総務は党が割れるリスクを懸念か

「反乱の扇動」を主因とした弾劾訴追決議は1月13日に下院本会議で採決に付され、賛成232(民主222、共和10)、反対197(民主0、共和197)、棄権4(民主0、共和4)の賛成多数で可決されている。

上院に下院が訴追決議を送付したのは1月25日で、下院での可決から上院への送付に、12日間を空けたのは、閣僚等大統領指名人事や追加経済対策法案の審議時間を確保するとともに、共和党の協力を得ることが背景にあった。

上院では2月9日から弾劾裁判を開始することで与野党が22日に合意したが、上院共和党トップのミッチ・マコネル院内総務のトランプ氏弁護団の準備が必要との要請を考慮した結果だ。

マコネル氏は、一時、弾劾裁判で有罪票を投じる可能性を匂わせる発言も行っていたが、最終的には、退任大統領の弾劾裁判は合憲か違憲かを問う動議で、違憲判断を2度示し、最終評決時にも無罪票を投じた。

やはり、共和党支持者におけるトランプ人気が依然強く、仮に、トランプ氏を弾劾ないし、弾劾する行動に出た場合、党が割れるリスクを懸念したとみられる。

無罪判決が出たことで、トランプ氏を弾劾後、上院の決議で公職追放し、2024年の大統領選への再出馬を阻止することは不可能に

基本的に、大統領選も知事選も、連邦及び州の上院選も下院選も、小選挙区制の米国では、第3党の結党は、主張の近い既存政党にとって、大打撃になりかねない。

一方、今回、無罪判決が出たことで、トランプ氏を弾劾後、上院の決議で公職追放し、2024年の大統領選への再出馬を阻止することは不可能になった。

4年ぶりに、ホワイトハウスを奪還し、下院に続き上院でも多数派を形成(上院は民主50:共和50、上院議長を兼ねるカマラ・ハリス大統領が採決で50対50等同数の場合、1票を投じる)、いわゆる「トリプルブルー」を実現した民主党としては、COVID-19を早期に収束させるとともに、追加の経済対策で、米経済を浮揚させ、2年後の中間選挙で勝利する戦略に出るしかないだろう。

民主党は財政調整制度を活用、総額1.9兆ドルの追加経済対策を可能な限り早期に大きく実現し、その後は、第2弾の経済対策の策定を急ぐことに

弾劾裁判の結果からも超党派の対策実現の可能性は低下したと考えられる。

民主党としては、まずは、財政調整制度を活用、財政調整法(Budget Reconciliation Act)を早期に成立させ、バイデン氏が打ち上げた総額1.9兆ドルの追加経済対策を、可能な限り早期に、かつ、大きな規模で実現することに勢力を注ぐことになろう。

なお、財政調整法の前提となる、上下両院共同の予算決議は2月5日に可決済。

その後は、気候変動対策やインフラ投資等、第2弾の経済対策の策定を急ぐことになりそうだ。

2020年の映画興収は前年比▲45.1%の大幅減、過去最高となった2019年から環境一変

映画製作配給大手4社で構成される一般社団法人日本映画製作者連盟(以下「映連」)は1月27日、2020年の興行収入が前年比45.1%減の1,432億8,500万円と、現在の方式で興収統計を発表し始めた2000年以降で最低となったと発表した。

2019年は2,611億8,000万円と過去最高となったが、業界を取り巻く環境は一変した。

COVID-19のパンデミックで、映画館が一時休業、大作洋画が相次いで公開延期

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの影響で、2020年春には映画館が一時休業、また、大作洋画が相次いで公開延期となったことが大きく影響した。

興収に占める洋画比率は23.7%に大幅低下

内訳は邦画が前年比23.1%減の1,092億7,600万円、洋画は同71.4%減の340億0,900万円だった。

構成比は邦画の76.3%に対し洋画は23.7%と、前年(54.4%:45.6%)比、邦画比率が大幅上昇し、洋画比率は4分の1未満に低下した。なお、邦画の興行収入は13年連続で洋画を上回った。

入場人員数は▲45.5%と、1955年以降で最低に

スクリーン数は3,616(シネコン3,192)と、前年の3,583(3,165)から増加、1968年以来の高水準。

公開本数は1,017本(前年1,278本)と、2015年以来5年ぶりに前年比減少。内訳は邦画が506本(689本)、洋画が511本(589本)。

平均入場料金は1,350円と前年(1,340円)比、10円上昇し、過去最高更新。

平均料金の上昇は、IMAX、ドルビー、4D、MX4D等、高付加価値スクリーンの拡大が貢献か。

入場人員数は前年(1億9,491万人)比▲45.5%の1億0,613万7千人で、映連が発足した1955年以降で最低となった。

洋画比率が23.7%と、1961年以来の水準に低下したのは二つの要因、ハリウッドの大作の公開延期と『鬼滅の刃』の大ヒット

2020年に興収に占める洋画比率が23.7%と、1961年の22.8%以来の水準に低下したのは、二つの要因がある。

一つ目は、ハリウッドの大作が軒並み公開延期となったことだ。

我が国で2020年春以降に公開されたハリウッドの大作(実写映画)は、クリストファー・ノーラン監督の『テネット』とDCの大作『ワンダーウーマン 1984』のみ。

アニメの大作ではピクサーの『2分の1の魔法』が8月に公開されたが、映画館は10月16日の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』公開まで、定員の2分の1で運営していたこともあり、集客は限定的だった。

結果、2020年の興収10億円以上の番組は、洋画は4作品にとどまった。一方、邦画は21作品。2019年には洋画は25本が10億円を超えたが6分の1に減少。邦画も前年は40本で半減した。

二つ目は、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(上映中)の大ヒットだ。

同作品は興収が2021年2月14日時点で374.9億円に達し、『千と千尋の神隠し』(2001年公開)の316.8億円(2020年再上映分含む)を抜いて、歴代興収第1位を更新中だ。

2020年12月27日時点の興収は324.8億円であり、2020年の興収総額1,432億円の約22.7%を占めたことになる。

2020年の映画輸出実績は、2000年以降で最高に

映画界にとっては極めて暗い年となった2020年だが、明るい話も一部あった。

映連に加盟する東映、東宝、松竹、KADOKAWAの2020年の映画輸出実績は、3億7,644万9,000ドルと、前年比15%増となり、2000年以降で最高となった。

一部のアニメは、世界同時配信されるようになったことで、海外から大きな反響

コロナ禍の中、世界的にいわゆる「巣ごもり需要」の一環で、映画やアニメ等の映像配信サービスが伸びたことが影響している。

我が国は、特に、アニメの分野で世界に冠たるコンテンツを保有し、世界中に多くのファンを擁しており、特に大々的な宣伝をせずとも、『ドラゴンボール』等の新作や旧作が2020年は人気を博した。

また、現在放映中の『呪術廻戦』(TBS系)など、一部のアニメは、世界同時配信されるようになったことで、海外からの反響が大きくなっている。

日本の漫画やアニメ等をビジネス化して、映画や観光等に結びつけることは、少子高齢化が進展する中でも、有力でかつ持続可能性の高い成長戦略

世界的に、良質なアニメや漫画への需要が増加しており、膨大なコンテンツを誇る我が国においては、ビジネスチャンスが拡大していると言えそうだ。日本の漫画やアニメ等の素晴らしいコンテンツをビジネス化して、映画や観光等に結びつけることは、少子高齢化が進展する中でも、有力でかつ持続可能性の高い成長戦略と言ってよいだろう。

政府も「クール・ジャパン」を推進してきたが、当初期待したほど成果があがっていないのが実情だ。

このあたりは、映画ビジネスの本場の米国や国内でもヒットした『愛の不時着』を製作した韓国等を見習うべきだろう。

大作洋画の公開再延期続く

我が国でも17日から、医療従事者を対象に、ワクチンの接種がスタートしたが、2020年12月開始と先行している欧米では、感染者も減少に転じている。

但し、変異株の感染拡大もあり、ロックダウン実施中の国も多く、映画館の再開は限定的だ。

結果、大作洋画の公開再延期が続いている。

当初、昨年4月公開予定だった『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の世界公開は2021年4月2日から10月8日に再度延期された。当初公開予定日からは1年半遅れとなる。

一部に動画配信サービスでの公開を検討している作品もあるが、大半の大作洋画がワクチン接種効果等に期待し、夏以降に延期されている。

なお、当初、2020年5月1日に日米同時公開予定だったマーベルの『ブラック・ウィドウ』は、日本公開予定日は4月29日となっている。

我が国でも、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』『キネマの神様』『夏への扉 -キミのいる未来へ-』などの公開が延期されているが、昨年と違い緊急事態宣言下でも、今春は多くの作品が既に公開され、今後も公開が予定されている。

毎回、シリーズが大ヒットとなっている『名探偵コナン 緋色の弾丸』も、当初の2020年4月17日から1年遅れの2021年4月16日に公開予定だ。

観客動員ランキング、『花束』が3週連続第1位に

前週末(2月13日-14日)の観客動員ランキングでは、『花束みたいな恋をした』が3週連続で第1位を獲得した(興行通信社調べ、以下同じ)。

既に、鑑賞したが、パステル色の紙芝居を見ているような柔らかな感じの作品。筆者のように、同年代の子供を持つ親が、彼ら彼女らの恋愛観を理解するには必見の作品か?

名探偵コナン 緋色の不在証明

『名探偵コナン 緋色の不在証明』
2021年2月11日全国東宝系にてロードショー
©青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996

第2位は初登場の『名探偵コナン 緋色の不在証明』。前述の通り、4月16日に公開予定の『名探偵コナン 緋色の弾丸』でもキーパーソンとなる「赤井ファミリー」に焦点を当て、コナンによるナレーション収録や音響も新たに編集したTVシリーズ特別総集編。こちらは、『緋色の弾丸』の予習的作品か。

第3位は『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。累計では動員2,727万人、興収374億円を突破。歴代興収記録更新中。

第4位は、前月号で特集した『ファーストラヴ』、第5位は、『樹海村』となった。

邦画は新作公開続く

緊急事態宣言が3月7日(日)まで延長されたことで、東京等では、映画館での上映は8時までに終了されているが、その他は座席配置も含め、通常通りの営業で飲食等も提供されており、邦画主体に新作映画の公開も続いている。

3月5日公開の『太陽は動かない』は、吉田修一氏のサスペンス小説を藤原竜也さん主演で映画化。『海猿』『MOZU』などを手がけた羽住英一郎監督がメガホンをとった。

24時間ごとに秘密組織AN通信へ定期連絡しなければ爆発する爆弾を心臓に埋め込まれたエージェントの鷹野(藤原竜也)は相棒の田岡(竹内涼真)とともに、死の危険を抱えながら「全人類の未来を決める次世代エネルギー」の極秘情報をめぐって、各国のエージェントたちとの命がけの頭脳戦を繰り広げる。

3月12日公開の『ブレイブ−群青戦記−』は、集英社「週刊ヤングジャンプ」で連載された笠原真樹氏原作の人気コミック「群青戦記」を実写映画化。監督は『踊る大捜査線』シリーズの本広克行氏。

退屈な授業と、常勝を義務付けられた部活。「その日」は、彼らにとっていつもと同じ学校生活だった。自分に自信が持てない弓道部の西野蒼(新田真剣佑)は、部活にも力が入らないでいて、幼なじみの瀬野遥(山崎紘菜)と松本孝太(鈴木伸之)も、そんな蒼のことを気にかけていた。いつもと変わらない日々の中だったが、一本の雷が校庭に落ちて、彼らの日常が一変する。学校の外の見慣れた風景は、見渡す限りの野原となり、校内には刀を持った野武士が襲来して、学校生徒はパニックに!次々に生徒が倒れていく中、歴史オタクの蒼は、学校がまるごと戦国時代までタイムスリップしてしまったことに気付く。

奥様は、取り扱い注意

『奥様は、取り扱い注意』
2021年3月19日全国東宝系にて近日公開
©2020映画「奥様は、取り扱い注意」製作委員会

3月19日公開の『奥様は、取り扱い注意』は綾瀬はるかさんと西島秀俊さんが元特殊工作員と公安の夫婦を演じた2017年放送のヒットドラマの劇場版。『カイジ ファイナルゲーム』の佐藤東弥監督がメガホンをとった。

元特殊工作員だった秘密を持つ新米主婦・伊佐山菜美と、実は現役の公安警察であり菜美を監視する優しい夫・伊佐山勇輝の二人は、桜井久実と裕司に名前を変えて、小さな地方都市・珠海市で新しい生活を始めていた。実は半年前、ある出来事がきっかけで菜美は記憶喪失になっていたのだった。

「過去なんて捨てて、あなたとの今を大事にして生きていく」。二人が新生活を送る珠海市は、新エネルギー源「メタンハイドレード」の発掘に活気づいていたが、美しい海を守ろうとする開発反対派と、市長をはじめとする推進派の争いが日に日に激化。実は新エネルギー源開発の裏で、ロシアと結託した国家レベルの陰謀が潜んでいることを突き止めた公安。

ワクチン接種は痛くないとのことで一安心、但し、一般接種は夏以降?

テレワークが増えると、昼間のワイドショーを見る機会も増える。

仕事柄、ニュース等を確認するため、BGM的に聞いているのだが、2月17日は、朝から、日本で初めて、ワクチン接種が始まった東京目黒区の国立病院機構東京医療センターを生中継していた。

筋肉注射と聞いて、痛いのかと思ったが、接種を受けた人は皆、痛くなかったと答えていたので一安心。

但し、65歳未満の一般人に、接種の機会が訪れるのは、夏以降となりそうだ。

あるAIアプリで筆者の情報を入力してワクチン接種のタイミングを予測すると、「約5ヶ月〜7ヶ月以内」と出た。アプリが正しければ、筆者の接種は7月〜9月となるが、実際は?

対COVID戦争は、V対LからV対Vに、第3次はV対Vか

欧米では、ファイザー・ビオンテック及びアストラゼネカのワクチン生産には遅れが生じている。一方、モデルナは増産に成功しつつあるようだ。

我が国でワクチン接種がスタートした2月17日には、南アフリカで、米ジョンソン・エンド・ジョンソン製のワクチンを使用した接種計画がスタートした。治験(臨床試験)以外でJ&J製ワクチンの使用は世界初だ。

ワクチンが「ゲームチェンジャー」になることに期待したいが、南アフリカ由来の変異株「B.1.351」やブラジル由来の「P.1」、英国で最近確認された「B.1.525」には、何れも「E464K」という変異が確認された。

この変異は、ウイルスが人体の免疫機能を回避できるようにする可能性、つまり、ワクチンの効果を減殺する可能性が指摘されている。

南アフリカは当初、アストラゼネカ製の接種を予定していたが、「B.1.351」の感染拡大で、J&J製に急遽切り替えた経緯がある。

なお、英国由来で欧州で広範囲に感染している変異株は「B.1.1.7」。

そうした変異に対応したワクチン開発も始まっているが、変異株の発生は、2週間に一度程度とされ、上記のように大きく変異し、感染力等が強まった変異株は半年程度で発生している。

既に、COVID-19の感染者は1億人を超えたが、WHOの試算(2020年10月)に基づけば、無症候性者等を含めた感染者は実際には10億人を超えている可能性もありそうだ。

人類は、インフルエンザウイルスや風邪コロナウイルスには、毎年のように感染している。

2020年12月までの対COVID戦争は、V(VIRUS:ウイルス)対L(LOCKDOWN:都市封鎖)だった。

死者が180万人(現在は243万人)を超え、2020年の世界の経済成長率がリーマン・ショックを上回り大恐慌以来のマイナスとなったことを勘案すると、完全に人類の負けだ。

現在は、V(VIRUS)対V(VACCINE:ワクチン)の戦いに移行しつつあり、人類が反撃に成功、緒戦では勝利しているようにも見える。

但し、COVIDも狡猾で手強い。次は、V(VACCINE)対V(VARIANT:変異株)の第3次大戦に備える必要があるのかもしれない。

末澤 豪謙 プロフィール

末澤 豪謙

1984年大阪大学法学部卒、三井銀行入行、1986年より債券ディーラー、債券セールス等経験後、1998年さくら証券シニアストラテジスト。大和証券SMBC金融市場調査部長、SMBC日興証券金融市場調査部長等を経て、2012年よりチーフ債券ストラテジスト。2013年より金融財政アナリスト。2010年には行政刷新会議事業仕分け第3弾「特別会計」民間評価者(事業仕分け人)を務めた。日経債券アナリストランキング、14年連続10位内ランクイン。日経財政アナリストランキング2位(2004年〜2006年)。財政制度等審議会委員、国の債務管理の在り方懇談会委員、地方債調査研究委員会委員。趣味は、映画鑑賞、水泳、スキューバダイビング、アニソンカラオケ等。

このページの関連情報