アナリストの忙中閑話【第121回】

アナリストの忙中閑話

(2021年6月17日)

【第121回】G7サミット、2年ぶり対面開催も議長国のロックダウン解除は4週延期、ワクチンとバリアント・デルタの攻防、映画館再開で注目作品続々公開

金融経済調査部 金融財政アナリスト 末澤 豪謙

新型コロナウイルス感染症のパンデミック以降、初めて対面での開催となったG7サミットが13日に閉幕

英国で開催された「2021 G7コーンウォール・サミット」は6月11日から3日間の日程を終え、13日に閉幕した。

今回のサミットは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック以降、初めて対面での開催となった。

米国のバイデン大統領の選挙時の公約と重なるが、議長のボリス・ジョンソン英国首相が掲げた「Build Back Better:より良い再建」という全体テーマの下、G7首脳間、テーマによっては、アウトリーチ国(ゲスト国)や国際機関からの参加も得て、議論が行われた。

国際協調主義、人権重視の姿勢が強調されており、米国における政権交代の影響が色濃く反映

最終日、総括として発表された首脳コミュニケは、前文、保健、経済回復及び雇用、自由で公正な貿易、将来的な先端領域、気候変動・環境、ジェンダー平等、グローバルな責任及び国際的な行動、結語で構成されている。

全体として、国際協調主義、人権重視の姿勢が強調されており、気候変動問題にも多くのページを割くなど、「アメリカ・ファースト」「地球温暖化はでっち上げ」とするトランプ氏から「国際協調」「気候変動対策重視」のバイデン氏への米国における政権交代の影響が色濃く反映された形となった。

台湾海峡の平和と安定の重要性を強調、香港、新疆ウイグル問題等にも言及

バイデン政権が「最大の脅威」ととらえる中国に関しては、気候変動問題等では協力するとしつつも、非市場志向の政策や慣行への対応、新疆や香港との関係で人権や基本的自由を尊重するようG7として、中国に求めることを表明。

また、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促すとし、東シナ海及び南シナ海における状況を引き続き深刻に懸念し、現状を変更し、緊張を高めるあらゆる一方的な試みにも強く反対するとしている。

中国が核心的利益とする台湾や香港、新疆ウイグル自治区の問題等にも直接言及しており、中国の反発は必至だろう。

なお、7月23日に開会式が行われる東京オリンピックに関しては、結語の部分で「新型コロナウイルスに打ち勝つ世界の団結の象徴として、安全・安心な形で2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催することを改めて支持」を表明。

G7の意義・持続可能性が問われるのは2022年のサミットか

今回のG7では、共同声明の採択を拒否したり、会議の途中で帰国した、トランプ前大統領時とは大きく異なり、会議の雰囲気も穏やかで、協調ムードが強く演出された。

バイデン氏にとっては、今回の欧州訪問は、大統領就任後最初の歴訪でもあり、来年の中間選挙に向けた外交分野での選挙キャンペーンでもあることから、成功が不可欠であったが、初期の目的は達成したと言えそうだ。

但し、G7の意義・持続可能性が問われるのは来年2022年のサミットだろう。

因みに、2022年の議長国はドイツ。但し、メルケル首相は9月の総選挙には出馬せず、政界から引退する予定のため、後任の首相、具体的には「キリスト教民主同盟(CDU)」のラシェット党首や「緑の党」のベーアボック共同党首らが議長となることが予想される。

2022年春にはフランスで大統領選が実施される。前回同様、「共和国前進」のマクロン大統領と「国民連合」のル・ペン党首との決戦投票となる可能性が高いが、マクロン氏の支持率は低迷しており、極右に近いル・ペン氏が雪辱を果たす可能性もある。

その場合、EUとの関係や対米、ロシア政策等に変化が生じる可能性が想定される。

また、フランスは原発立国であり、気候変動対策を推進しているものの、他の欧米諸国とは微妙に政策が異なる。

我が国では7月頃に第26回参議院議員通常選挙が予定されている。但し、参院選よりも、まずは、本年秋(9月解散、10月投票の可能性)と予想される第49回衆院総選挙の結果が重要。

一方、10月には、中国で共産党全国代表大会が開催される。

習近平党中央委員会総書記(国家主席)は慣例では、いわゆる「チャイナ7」、中央政治局常務委員会委員を退任する年齢だが、筆者の予想では、終身の共産党主席を復活させ、就任する可能性がある。

2月には北京冬季オリンピック、3月には北京冬季パラリンピックが開催されるので、そこまでは、中国も国際協調的な姿勢を維持する可能性が予想されるが、その後は、国内向けに対外強硬姿勢に転ずる可能性がある。

一方、11月8日には米国で中間選挙が実施される。米国でも、軍事及び経済面での覇権争いに加え、国内向けに、人権面も含め、対中強硬姿勢が一段と強まる可能性があろう。

G7が、対中国や対ロシアを含め、グローバルな問題に一致して、取り組むことが出来るか否かはむしろ、2022年の会合が重要と言えそうだ。

英国では21日に予定されていたロックダウンの全面解除を4週間延期

今回のG7サミット、議長国は英国であり、EUからの離脱で孤立感を深めた同国にとっては、久々の表舞台でリーダーシップを示す形になった。

ジョンソン首相は13日のG7の閉幕を受けた記者会見で、世界全体にワクチンを提供することで、G7各国の民主的価値観の長所を世界に示すことができるとし、「G7の勝利」と述べた。

但し、ジョンソン首相、翌14日の会見では、イングランドで21日に予定されていたロックダウン(都市封鎖)の全面解除について、7月19日まで、4週間延期すると発表。

新型コロナウイルスに打ち勝つことが容易ではないことも示す結果になった。

イングランドでは3月以降、段階的にロックダウンが緩和されており、次回が最終段階で、施設やイベントでの法的な人数制限が21日に解除される予定だった。ナイトクラブなども営業再開の予定だった。

ジョンソン氏は記者会見で、延期は2週間後に見直すが、全体で4週間を超えないことに「自信がある」(14日付けBBC)と述べたが、さらなる延期の可能性も排除できないとした。

英国ではアルファ株に代わり、インド由来のデルタ株が新規感染者の約9割に、感染が再拡大

また、現在の制限を21日以降も続けるのは、新型コロナウイルスがワクチンに勝っており、今後さらに数千人の死者が出る「現実の可能性」(同)を示唆するものだと話した。

英国では、昨年末から感染が急拡大した英国由来のバリアント(変異株)のアルファ株に代わり、現在では、インド由来のデルタ株が新規感染者の約9割を占めている。

WHOは5月31日、差別を助長する可能性があるとして、変異株に関し地域名を含む呼び方をやめるよう呼びかけ、ギリシャ文字での名称を発表

なお、WHOは5月31日、差別を助長する可能性があるとして、変異株に関し、英国株やインド株といった地域名を含む呼び方をやめるよう呼びかけ、ギリシャ文字での名称を発表した。

具体的には、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の懸念すべき変異株(Variant of Concern :VOC)は、アルファ(B.1.1.7)、ベータ(B.1.351)、ガンマ(P.1)及びデルタ(B.1.617.2)と名称が変更された。

関心ある変異株(Variant of Interest:VOI)はイプシロンからラムダまで。詳細は以下の通り。

図表1. WHOの変異株(バリアント)の分類

〇WHOのバリアントの分類

・懸念すべきバリアント(VOC)

WHO名 系統名 最初の検出 E484K変異 N501Y変異 L452R変異 E484Q変異
アルファ B.1.1.7 英国(2020年9月)
ベータ B.1.351 南アフリカ(2020年8月)
ガンマ P.1 ブラジル/日本(2020年12月)
デルタ B.1.617.2 インド(2020年10月)

・関心あるバリアント(VOI)

WHO名 系統名 最初の検出 E484K変異 N501Y変異 L452R変異 E484Q変異
イプシロン B.1.427、B.1.429 米国(2020年6月)
ゼータ P.2 ブラジル(2020年4月)
エータ B.1.525 英国/ナイジェリア等(20年12月)
テータ P.3 フィリピン(2021年2月)
イオタ B.1.526 米国(2020年11月)
カッパ B.1.617.1 インド(2020年10月)
ラムダ C.37 ペルー(2020年8月)

出所:WHO資料よりSMBC日興証券作成

英保険当局によると、デルタ株の感染力はアルファ株の1.4倍から1.6倍で、従来株の2倍以上となる。結果、英国の新規感染者も足元、再度増加に転じている。

英国では13日、新たに7,490人が感染。新規感染報告の7日間平均は、前の7日間に比べて49%増加。また、デルタ株は重症化率も高いとされる。

一方、ワクチンの完全接種者は、感染率も重症化率も低下することが確認されており、英国政府は全面解除を延期した4週間の間にワクチン接種を進める考えだ。

現在、英国で重症化が確認されているのはワクチンを打っていない人か1度しか打っていない人

エドワード・アーガー保健次官は14日、デルタ株の感染者の「増加には懸念を感じている」(14日付けBBC)と述べたほか、入院患者数も「増え始めている」(同)と指摘した。一方で、現在、重症化が確認されているのはワクチンを打っていない人、あるいは1度しか打っていない人だと説明している。

英国は、G7諸国の中で、ワクチン接種を最も早く開始、接種率も高いが、1回目の接種を優先したことと、自国で開発した1回目と2回目の接種の間隔が長いアストロゼネカ製のワクチンを多用していることで、完全接種者の人口に対する比率は米国(43.59%)並みの44.5%(6月14日現在、Our World in Data)にとどまっている。

なお、完全接種とは、米CDCの基準では、ファイザー・ビオンテック製やモデルナ製は2回接種後、ジョンソン&ジョンソン製は1回接種後、2週間経過した時点となる。

英国の状況は他人事ではない、我が国における完全接種者の人口に対する比率は6%程度に過ぎない

英国の状況は他人事ではない。我が国における完全接種者の人口に対する比率は6%程度(5.62%、6月15日現在、同)に過ぎない。

季節的には、初夏となり、気温・湿度・UV(紫外線)の上昇でウイルスの半減期は短くなるが、デルタ株(B.1.617.2)は、最高気温が40度に達する4-5月のインドで感染爆発が起きており、安心はできない。前述の通り、デルタ株は従来株の約2倍の感染力を持つ。

我が国でもデルタ株の発生割合が上昇

ワクチン接種が加速している我が国ではあるが、足元の感染は大半が英国由来のアルファ株に置き換わり、インド由来のデルタ株の感染も全国に広がっている。

東京都ではクラスターの発生の影響もあるが、5月31日から6月6日の週のデルタ株の割合は31.6%に急上昇している。

一方、米国では5月9日から5月22日までの期間においては、アルファ株が69.2%と大半を占める。デルタ株の割合は2.5%にとどまっている。但し、足元では10%程度に上昇しているとの見方もある。

懸念すべきバリアント(VOC)の感染拡大で、ワクチン接種が遅れている国では、懸念すべき状況に

対COVID戦争は、V対L、VIRUS(ウイルス)対LOCKDOWN(都市封鎖)の戦いから、V対V’、VIRUS(ウイルス)対VACCINE(ワクチン)の戦いに、徐々に移行しているが、3つ目のV、筆者は「V”」と命名しているが、VARIANT(変異株)の出現により、事態は複雑化している。

特に、懸念すべきバリアント(VOC)の感染拡大で、ワクチン接種が遅れている国では、懸念すべき状況になりつつある。具体的には南アメリカやアフリカ、アジアの諸国だ。

また、世界的な比較では、我が国のワクチン接種率は、依然、劣後している。

我が国では緊急事態宣言解除後の感染動向に要注意

先行してワクチン接種が進んだ国でも、最近は頭打ちとなっており、人口の6割程度が上限になりつつある。集団免疫の達成は微妙な状況とも言える。

デルタ株の感染拡大で、英国では再度、感染が拡大、ロックダウンの全面解除が延期となった。

我が国では、現在、10都道府県に発出されている緊急事態宣言が沖縄を除き20日に解除され、東京などは「まん延防止等重点措置」に移行する見込みだ。

既に東京都では新規感染者が下げ止まりつつある。アナウンスメント効果含め、解除後の感染動向を注視する必要があろう。

6月に入り、東京や大阪では、映画館再開、新作が続々と公開

3度目の緊急事態宣言の発令で、4月25日から東京都や大阪府では、映画館が1年ぶりに休館となったが、6月1日から20日までの期限延長に際し、観客数上限50%での再開が認められた。博物館、美術館等も同様で、百貨店等大型商業施設も時短営業で全面的に再開された。

結果、公開延期となっていた新作映画が続々、公開され、7月に向けても注目作品が多数公開される。

4月号で特集した『ゴジラvsコング』(原題:Godzilla vs. Kong)も7月2日公開となった(後掲)。

観客動員ランキングで3月8日公開の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』が9週間ぶりに首位を奪還

前週末(6月12日-13日)の映画の観客動員ランキングでは、3月8日公開の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』が9週間ぶりに首位を奪還した(興行通信社調べ、以下同じ)。

6月12日からの入場者プレゼントや細かなカットの差し替え等を行った「EVANGELION:3.0+1.0」バージョンでの上映等が奏功した結果だ。累計では動員586万人、興収89.7億円。庵野秀明総監督が目標とする「ロボットアニメとして初の100億超え」が視野に入ってきた。筆者は既に5回鑑賞したが、再トライの予定。作品の詳細は3月号(第118回)をご参照。

【第118回】緊急事態宣言解除、伊仏は3度目のロックダウン、ドイツも延長、米国は映画館再開、V’対V”の攻防、さようなら、エヴァ

第2位は、前週、首位スタートとなった『るろうに剣心 最終章 The Beginning』。4月26日公開の『るろうに剣心 最終章 The Final』との完結編2部作の第2弾。

第3位は、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が初登場。「機動戦士ガンダム」シリーズの富野由悠季監督による同名小説をアニメ映画化した3部作の第1部で、映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』から12年後の世界が描かれる。

キャラクター

『キャラクター』
2021年6月11日全国東宝系にてロードショー
©2021 映画「キャラクター」製作委員会

第4位は、『キャラクター』。菅田将暉さんと本作が俳優デビューとなるSEKAI NO OWARIのボーカルFukaseさん共演によるダークエンタテインメント。長崎尚志氏によるオリジナル脚本で『帝一の國』の永井聡監督がメガホンをとった。

既に鑑賞したが、主人公の漫画家・山城(菅田将暉)がモデルとした殺人鬼・両角役を演じたFukaseさんの演技は鬼気迫るものがあった。

第5位は4月号で特集した『るろうに剣心 最終章 The Final』。

第6位は『名探偵コナン 緋色の弾丸』。累計興収69.4億円。

因みに、公開中の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の累計興収は401.3億円と、わが国で初めて400億円の大台突破。

筆者のお薦め作品

なお、筆者のお薦めは上記作品に加え、第8位となった『クルエラ』と5月22-23日に首位スタートした『いのちの停車場』。

『クルエラ』はディズニーアニメ『101匹わんちゃん』に登場したヴィラン(悪役)、クルエラの誕生秘話を『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンさん主演で実写映画化したもの。

但し、ダルメシアンは100匹どころか、数匹しか登場せず、ディズニーアニメの原作とは相当異なるストーリーとなっている。ファッションや音楽を含め「クール」で、是非、若い女性にみてほしい映画。勿論、ディズニーだけに、老若男女、家族で楽しめる作品に仕上がっている。

いのちの停車場

『いのちの停車場』
2021年5月21日全国ロードショー
©2021「いのちの停車場」製作委員会

一方、『いのちの停車場』は、作家としても活躍する現役医師・南杏子氏による同名医療小説を、映画出演作122本目にして初の医師役に挑戦した吉永小百合さん主演で映画化。監督は『八日目の蝉』の成島出氏。

長年にわたり大学病院の救命救急医として働いてきた白石咲和子(吉永小百合)は、父・達郎が暮らす石川県金沢の実家に戻り、在宅医療を行う「まほろば診療所」に勤めることに。

咲和子を追って診療所で働き始める青年・野呂を松坂桃李さん、訪問看護師・星野を広瀬すずさん、院長・仙川を西田敏行さん、咲和子の父・達郎を田中泯さんが演じる。「いのち」との向き合い方を問う作品。変異株同様、他人事ではないテーマだ。

明日18日以降の公開作品

ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜

『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』
2021年6月18日全国東宝系にてロードショー
©2021映画『ヒノマルソウル』製作委員会

明日、6月18日公開の『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』は、1998年長野冬季オリンピックでのスキージャンプ団体の金メダル獲得を陰で支えたテストジャンパーたちの知られざる実話を田中圭さんの主演で映画化。

長野オリンピック・ラージヒル団体で日本初の金メダルを狙うスキージャンプチーム。そこに、エース原田のジャンプを複雑な想いで見つめる男、元日本代表・西方仁也がいた。前回大会・リレハンメルオリンピックで、西方は原田とともに代表選手として出場するも、結果は銀メダル。

4年後の雪辱を誓い練習に打ち込んだが、代表を落選。失意の中、テストジャンパーとしてオリンピックへの参加を依頼され、屈辱を感じながらも裏方に甘んじる。そして迎えた本番。団体戦の1本目のジャンプで、日本はまさかの4位に後退。しかも猛吹雪により競技が中断。メダルの可能性が消えかけた時、審判員たちから提示されたのは、「テストジャンパー25人全員が無事に飛べたら競技を再開する」という前代未聞の条件だった。命の危険も伴う悪天候の中、金メダルへのかすかな希望は西方たち25人のテストジャンパーに託された。

同じく18日公開の『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』はエミリー・ブラントさん主演で、音に反応して人類を襲う「何か」によって文明社会が荒廃した世界を舞台に、過酷なサバイバルを繰り広げる一家の姿を描いたサスペンスホラー『クワイエット・プレイス』(2018年公開)の続編。

監督・脚本は前作同様、ブラントさんの夫で前作で夫婦共演もしたジョン・クラシンスキー氏。全米ではパンデミック後、最大の興収をあげている。

18日公開の『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』は、南勝久氏の人気コミックを岡田准一さん主演で実写映画化した『ザ・ファブル』(2019年公開)のシリーズ第2作。当初は2月5日公開予定だったが、緊急事態宣言の発出で公開延期が続いていた作品。

やはり、18日公開の『モータルコンバット』は、世界的人気を誇る対戦型格闘ゲームで、1995年にも一度映画化された『モータルコンバット』を新たに実写映画化。

胸にドラゴンの形をしたアザを持つ総合格闘技の選手のコール・ヤングは自らの生い立ちを知らぬまま、金のために戦う日々を送っていたが、ある日魔界の皇帝シャン・ツンがコールを倒すために放った最強の刺客であるサブ・ゼロに命を狙われる。コールは家族の安全が脅かされることを恐れ、特殊部隊少佐ジャックスに言われるがまま同じく特殊部隊所属のソニア・ブレイドという女性戦士と合流し、地球の守護者であるライデンの寺院を訪れる。そこで太古より繰り広げられてきた世界の命運を懸けた格闘トーナメント「モータルコンバット」の存在と、自らが魔界の敵たちと戦うために選ばれた戦士であることを知る。

真田広之さんと浅野忠信さんが、重要キャラクターのスコーピオンとライデンをそれぞれ演じる。

6月25日公開『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』は、ビアトリクス・ポター氏の名作絵本をハリウッドで実写映画化した『ピーターラビット』(2018年公開)の続編。

6月25日公開『夏への扉―キミのいる未来へ―』は、ロバート・A・ハインライン氏の名作SF小説「夏への扉」を山崎賢人さん主演で映画化。

ゴジラvsコング

『ゴジラvsコング』
2021年7月2日全国東宝系にてロードショー
©2021 WARNER BROTHERS ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

7月2日公開の『ゴジラvsコング』は、ハリウッド版『ゴジラ』シリーズの『GODZILLA ゴジラ』(2014)、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)と、『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)をクロスオーバーして描く「モンスターバース」シリーズの第4作で、ゴジラとキングコングという日米の2大モンスターが激突。

モンスターの戦いによって壊滅的な被害を受けた地球。人類が各地の再建を計る中、特務機関モナークは未知の土地で危険な任務に挑み、巨大怪獣(タイタン)の故郷(ルーツ)の手がかりを掴もうとする。そんな中、ゴジラが深海の暗闇からその姿を現し、世界を再び危機へと陥れていく。

その怒りの原因は何なのか。人類は対抗措置として、コングを髑髏島(スカルアイランド)から連れ出す。人類の生き残りをかけた争いは、ゴジラ対コングという最強対決を引き起こし、人々は史上最大の激突を目にすることとなる。

『GODZILLA ゴジラ』『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』で渡辺謙さんが演じた芹沢猪四郎博士の息子・芹沢蓮役で小栗旬さんが出演し、ハリウッドデビューを飾った。

7月8日公開の『ブラック・ウィドウ』は、アベンジャーズの一員、スカーレット・ヨハンソンさん演じるブラック・ウィドウが単独で主役を務めた作品。

孤高の暗殺者だったブラック・ウィドウがなぜアベンジャーズになったのか、知られざる物語が明らかになる。物語の時代設定は『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』と『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』の間で、ブラック・ウィドウがアベンジャーズから離れていた時期にあたる。

7月9日公開の『唐人街探偵 東京MISSION』は、中国で大ヒットを記録している人気シリーズ『唐人街探案』の第3弾。

妻夫木聡さん、長澤まさみさん、染谷将太さん、浅野忠信さん、鈴木保奈美さん、奥田瑛二さん、三浦友和さんら日本人キャストが多数出演し、主人公の探偵コンビ、タン・レン&チン・フォンが、東京を舞台に事件解決に挑む姿を描く。

竜とそばかすの姫

『竜とそばかすの姫』
2021年7月16日全国東宝系にてロードショー
©2021 スタジオ地図

7月16日公開の『竜とそばかすの姫』は『サマーウォーズ』の細田守監督のオリジナル長編アニメーション。

過疎化が進む高知の田舎町で父と暮らす17歳の女子高生・すず。幼い頃に母を事故で亡くし、心に大きな傷を抱えていたすずはある日、「もうひとつの現実」と呼ばれる超巨大インターネット空間の仮想世界<U>と出会い、「ベル」というアバターで参加することに。心に秘めてきた歌を歌うことによってあっという間に世界に注目される存在になっていくベル(すず)の前に、<U>の世界で恐れられている竜の姿をした謎の存在が現れる。

7月23日の東京夏季オリンピックの開会式まで1か月余り、「事実は小説よりも奇なり」

7月23日の東京夏季オリンピックの開会式まで残り1か月余りとなった(サッカー及び野球・ソフトボールは7月21日スタート)。

史上最多の33競技・339種目が42の競技会場で開催される。

前回1964年の東京夏季オリンピックの際(開会式は10月10日、後の体育の日)、筆者は僅か3歳で、当時の記憶は祖母に連れられて、近くの銀行にオリンピック硬貨の交換に向かったことぐらいしかない。

今回を逃すと、終生参加する機会はないと思い、フィールド・キャストと呼ばれるボランティアに応募し、今月初めには、ユニフォームも受けとった。

但し、応募当時の高揚感はCOVID-19のパンデミックの影響で吹っ飛び、現在では極めて複雑な気分だ。

実際、ユニフォームの受け取りに際し、組織委員会が用意した「TOKYO 2020」のロゴ入りバッグではなく、自前の袋に入れ替えて持ち帰る人も多く、感染への不安等も含め、モヤモヤ感はボランティアに共通の気持ちだろう。

乗りかかった船でもあり、また、今回の大会の事実(ファクト)を直接見極めるためにも、参加するつもりだが、後世、振り返ると、今回はどのような記憶になるのであろうか。

2013年に招致に成功した際、まさか、このような展開になると思った人はいないのではないか。当に、「事実は小説よりも奇なり(Fact 《or Truth》 is stranger than fiction.)」だ。

末澤 豪謙 プロフィール

末澤 豪謙

1984年大阪大学法学部卒、三井銀行入行、1986年より債券ディーラー、債券セールス等経験後、1998年さくら証券シニアストラテジスト。大和証券SMBC金融市場調査部長、SMBC日興証券金融市場調査部長等を経て、2012年よりチーフ債券ストラテジスト。2013年より金融財政アナリスト。2010年には行政刷新会議事業仕分け第3弾「特別会計」民間評価者(事業仕分け人)を務めた。日経債券アナリストランキング、14年連続10位内ランクイン。日経財政アナリストランキング2位(2004年〜2006年)。財政制度等審議会委員、国の債務管理の在り方懇談会委員、地方債調査研究委員会委員。趣味は、映画鑑賞、水泳、スキューバダイビング、アニソンカラオケ等。

このページの関連情報