FXのチャートの見方

FXのチャートとは

チャートとは、過去の値動きを、価格や時間を軸としてグラフにしたものです。
FXでは、売買の判断をするために欠かせないものとなっています。


外国為替では、ドルやユーロ、円といった、さまざまな通貨を売買します。
土日を除きほぼ24時間世界中で取引をされているので、それぞれの通貨の需給によって価格が変動します。

外国為替の特徴は、価格が毎秒何回も変化することです。
この変化の記録を、時系列にそって見えるようにしたものが、為替チャートです。

FXのチャートの種類には、どんなものがあるの?

FXや株式も含め、チャートの仕組みは同じです。
チャートには複数の種類がありますが、代表的なものを3つご紹介します。
優劣はないので、ご自身が見やすいと思うものをご利用ください。

ローソク足チャート

ローソク足とは、一定期間の始値、安値、高値、終値を、ひとつの線であらわしたものです。
FXのチャートの中でも、世界中で最も使われています。


始値と終値の間の長方形を「実体」と呼びます。

ローソク足チャートの図

ラインチャート

ラインチャートは、終値を結んだシンプルなチャートです。
長期で取引をしたい場合、トレンド(値動きの大きな流れ)を読みやすいことが特徴です。

ラインチャートの図

バーチャート

始値、安値、高値、終値をバー(棒)で表現したチャートです。
ローソク足と仕組みは同じですが、よりシンプルな見た目になっています。


「4本値」と「3本値」の2種類があり、「4本値」は「始値」「終値」「高値」「安値」を示しています。
「3本値」は、始値を除いた「終値」「高値」「安値」を示しています。

バーチャートの図

FXチャートの見方のコツ

全体像を把握するためには、期間の短いチャート(1分足や5分足)よりも、期間の長いチャート(日足や週足)のほうが適しています。

本当は割高なのに、なんとなく買ってしまうと、その分下落リスクが高まります。


まずは期間の長いチャートを見て、今のレートは割高なのか割安なのか、トレンドは上昇なのか下降なのか、長期的な視点で確認しましょう。

相場観を持ったところで、期間の短いチャートを確認して注文するタイミングを見計らうとよいでしょう。

FXチャートのよくあるパターン

過去のチャート形状を細かくみていくと、いくつかのパターンがあることがわかります。
パターンを把握しておくと、判断を間違える可能性が低くなります。

代表的なものを3つご紹介します。

ヘッドアンドショルダー

ヘッドアンドショルダーとは、チャートが3つの山を形成した後、ネックライン(トレンドの転換点を示すライン)を上抜け、または下抜けしたタイミングで注文すると、その方向に相場が向かいやすいパターンのことです。


例えば上昇局面で上がりにくくなってきて、そろそろ下がりそうな雰囲気が出てきたと仮定します。
このような場合、下記のようにネックラインを下に抜けると、下落トレンドのサインになります。

ヘッドアンドショルダーの図

下落サインを確認後、売りの新規注文をしたり、買いでポジションを持っていた場合に損切りしたりすると、トレンドに沿った取引となります。

ダブルトップ、ダブルボトム

ダブルトップ、ダブルボトムとは、チャートがローマ字のM、Wを形成した後、ネックライン(トレンドの転換点を示すライン)を上抜け、または下抜けしたタイミングで注文すると、その方向に相場が向かいやすいパターンのことです。


例えば下降局面において、同じ水準で安値を2回つけたあとに徐々に反発してきたと仮定します。
このような場合、下記のようにネックラインを上抜けると上昇トレンドのサインとなり、ダブルボトムと呼ばれています。

ダブルトップ、ダブルボトムの図

上昇サインを確認後、買いの新規注文をしたり、売りでポジションを保有していた場合は損切りしたりすると、トレンドに沿った取引となります。

三角持ち合い

三角持ち合いとは、チャートが上下の変動幅をせばめながら小動きになった後、上値抵抗線を上抜け、または下値支持線を下抜けすると、その方向に相場が動きやすいパターンのことです。


例えば下降局面終了後、方向感なく上下のレンジを行ったり来たりを繰り返し、上値抵抗線を上抜けた場合、上昇トレンドのサインになります。

上昇サインを確認後、買いの新規注文をしたり、売りポジションを持っていた場合は損切りしたりすると、トレンドに沿った取引となります。

三角持ち合いの図

FXチャートのテクニカル分析

チャートの動きを数学的に分析したチャートのことを「テクニカル」といいます。
テクニカルには色々な種類があり、どれを参考にしたらいいのか迷うことがあると思います。

相場の状況に応じて使い分けることが望ましいので、状況別におすすめのテクニカル分析を紹介します。

トレンドが分かる!移動平均線

移動平均線とは、一定の期間における終値を平均して、線で結んだものです。
テクニカル分析の中でも最も有名であり、相場のトレンド(方向性)を知るために、よく使われています。


期間の長さによって、「短期・中期・長期」の3本で表示するものが多いです。
期間は、ご自身で自由に設定できます。

トレンドが分かる!移動平均線の図

長期の移動平均線を短期の移動平均線が下から上に突き抜けた場合、上昇トレンドのサインとされ、ゴールデンクロスと呼ばれています。

反対に、長期の移動平均線を、短期の移動平均線が上から下に突き抜けた場合、下落トレンドのサインとされ、デッドクロスと呼ばれています。

売られすぎ、買われすぎが分かる!移動平均乖離率

移動平均乖離率とは、移動平均線から今の為替がどれだけ離れているかを示したものです。

一時的に相場が大きく動いたときに、どのあたりが底または天井なのかを判断するために、参考になります。


移動平均乖離率のプラス値が高いほど、買われすぎで売りのタイミングとなります。
逆にマイナス値が高いほど売られすぎで買いのタイミングとなります。

移動平均乖離率の図

トレンドの強さを判断する!ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは、下値、上値の目安や、トレンドの転換点を知るために役立ちます。
中心にある移動平均線と周りを囲む線(バンド)で構成されており、線の範囲内で値動きが収まる確率が高いです。


中心にある緑の線を移動平均線と呼び、中心線に一番近い2つの線を平均+1σ(シグマ)と平均-1σ、さらに外側にある線を平均+2σと平均-2σと呼びます。

ボリンジャーバンドの図1

為替の値動きは、一般的に、下記の確率でこの線の中に収まると考えられています。

  • 約68.3%は+1σと-1σの間
  • 約95.2%は+2σと-2σの間

ボリンジャーバンドの図2

値動きに方向性がなく一定の値幅を行ったり来たりする相場では、ボリンジャーバンドを下値支持線、上値抵抗線として活用できます。

ボリンジャーバンドは収束と拡大を繰り返すので、収束している場合、ボラティリティ(値動きの大きさ)が低く、トレンドが弱いと見られます。
拡大している場合、ボラティリティが高く、どちらかの方向に強くトレンドが発生しています。

また、為替がバンドを突き抜けると、トレンドを転換するサインとなります。

ボリンジャーバンドの図3

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