INTERVIEW 03 投資銀行ビジネスの魅力とその可能性

インダストリアルズ・グループの最前線で活躍するメンバーに、投資銀行ビジネスの魅力とその可能性について聞きました。

お客さまのニーズが変わると、自分たちの動き方も変わる

─SMBC日興証券のGIB部門で働くようになった経緯を教えてください

新卒で日興證券(当時)に入社し、最初の配属は支店のリテール営業でした。将来は法人営業に携わりたいと考えておりまして、日興ソロモン・スミス・バーニー証券会社が設立されるタイミングで転籍したのがきっかけです。当時、投資銀行部門を部門ごと日興ソロモン・スミス・バーニー証券に移すという話だったので、未経験でしたが飛び込みました。その後、日興コーディアル証券(当時)に転籍して、現在に至ります。

─どのような業務を担当していますか

インダストリアルズ・グループでは、重厚長大の製造業や素材メーカー、総合商社、電力・ガス、石油などのエネルギー事業者、運輸事業者をカバーしています。チーム自体は大きいですが担当者は細分化されていて、私は素材メーカー、エネルギー事業者、機械メーカーなどを担当しています。

最近は、カーボンニュートラルが成長分野として注目されていますので、事業自体をモデルチェンジするための投資や資金調達のご相談も増えています。製造業でもハードを売るだけではなく、ハードが集めてくる情報を活用したサービスやリカーリングビジネスに乗り出す企業もあります。お客様のニーズが変わると、自分たちの動き方も変わりますよね。例えばM&Aの提案では、以前だったら興味を持ってもらえなかった業種でも、今なら興味を持ってもらえるかもしれません。そういう変化はおもしろいと思います。

ブレークスルーできたときに楽しさを感じる

─仕事をする上で大切にしていることを教えてください

お客さまとの日々の会話です。お客さまへの提案で一番スムーズなのは、「課題がこうだから、これについて提案して」と依頼されるケースです。でも、そんなことは滅多にありません。一方的に「これがいいです」と提案しても、お客様が合理性を感じなければミスマッチなわけですから、お客さまの優先する合理性を意識しています。体のコンディションも本人が一番理解しているように、会社のコンディションもその会社が一番理解しているもの。日々の会話の中から課題を見つけるようにしています。

─どんなときに仕事のやりがいを感じますか

提案前から案件執行支援まで、さまざまな局面で決め手に欠いたり、膠着状態に陥ったりすることがあります。中には、最初の提案から1年以上経って、動き出す案件もあります。チームの誰よりもお客さまを理解し、案件全体を俯瞰して見ているカバレッジバンカーだからこそ、気づけるポイントや出せるアイデアがあって、それをきっかけにブレークスルーできたときは楽しさを感じますね。

まだまだ斬新なアイデアが生まれる可能性がある

─GIB部門でユニークだなと思うことを教えてください

日興証券出身者、三井住友銀行出身者、同業他社からの転職者、私のように日興ソロモン・スミス・バーニー証券から戻ってきた者など、多様なバックグラウンドを持つ社員がいることです。どんな仕事でも少なからず過去の成功体験を生かそうとしますよね。経験を積んできた環境が違うので、やり方もいろいろですし、「投資銀行ビジネスはこうあるべき」という考え方も違います。「そういうアプローチがあったか」という新たな発見がありますし、会社としての提案の幅広さにつながっていると思います。

─投資銀行を目指す方にメッセージをお願いします

「投資銀行ビジネスはコモディティ化している」という人もいますが、私はそうは思っていません。例えば、出てきた当時はみんな斬新だなと思っていたリキャップCBという手法も、従来行われていた2つの手法の組み合わせなのです。当たり前に行われている別々の手法も、組み合わせ次第で斬新なアイデアになる。お客さまの課題が変わると解決のアプローチも変わるわけで、まだまだ斬新なアイデアが生まれる可能性があると思います。そこにチャレンジしていくのも、やりがいになると思います。

また、おかげさまで現在、多くの企業が投資銀行を必要としています。お客さまのタイプもいろいろなので、投資銀行ビジネスに携わる人もいろんなタイプがいてしかるべきだと思います。「こういう人じゃないと務まらない」という画一的な素養もないので、興味がある人はどんどん飛び込んできてほしいですね。

住川 健太郎

コーポレート・ファイナンス本部
インダストリアルズ(IND)グループ
Managing Director