FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」
【第9回】

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(2014年12月26日)

【第9回】実家を誰が相続するかで相続税額は変わってくる!?

FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」では、毎月1回、相続に関連したお役立ち情報から最新の話題までをお伝えしております。第9回目のコラムは、誰が実家を相続するかによって、相続税額が変わってくるということについてのお話です。

“相続税改正”土地への課税は緩和方向!?

いよいよ来月から相続税が大幅に改正されます。改正後は、相続税を計算する際の非課税枠である基礎控除額が現行より40%引き下げられ、最高税率の引き上げを含めた税率構造も見直されることになります。これらの改正で、基礎控除額以上の財産を保有している方の多くの方が増税になることが予想されています。

しかし、そのままだと土地の評価が高いエリアにお住まいの方や資産の大半を土地が占めている方等にとっては、改正により、保有している土地を売却しないと相続税を納めることが困難になるケースが出てくる可能性があります。そのため、自宅や事業用の敷地に供している宅地の承継にかかる相続税の負担の軽減を図る目的で、土地の相続税評価額を減額できる特例“小規模宅地等の特例”の適用範囲が緩和されることになりました。

土地の相続税評価額を80%〜50%減額できる小規模宅地等の特例とは?

「小規模宅地等の特例」は、被相続人等が所有していた居住用の宅地や、事業用の宅地、不動産貸付用の宅地等に適用することができます。居住用の宅地については、最大330m2(今月迄の相続・遺贈については240m2が上限)までの適用面積に対して、80%の評価減が可能になります。例えば、評価額1億円、330m2の自宅の土地であれば、その20%の2,000万円が相続税の課税対象となります。

本特例は、今年から二世帯住宅や老人ホームに入所してしまった場合の適用ルールが緩和されており、来月からは自宅への適用(330m2)と併せて事業用の宅地(最大400m2)を完全併用できるように改正されます。

実家を誰が相続するかで土地の相続税評価額は変わってきます

実家の土地に「小規模宅地等の特例」を適用するためには、実家を誰が相続するかによって適用条件が変わってきます。適用できるケースは3パターンです。

  • 配偶者が相続した場合は無条件に適用できます。そして、その取得後、すぐに売却しても、あるいはそこに居住しなくても適用が可能です。
  • 同居の親族が相続した場合は、相続税申告期限まで(相続発生から10ヵ月後)売却せずに住み続けた場合に適用できます。申告期限を過ぎた後については、売却しても居住しなくても構いません。
  • 同居していない親族が相続した場合は、原則特例の適用はありません。ただし、配偶者が先に亡くなって1人暮らしをしている方が亡くなり、他に同居の親族がいない場合には、本人またはその配偶者に持ち家が無い相続人(相続発生前3年以内に当該持家に居住していない)が相続した場合に適用できます。この場合には、相続税申告期限までは保有し続ける必要があります。

しかし、持ち家がある相続人についても、相続発生前から準備しておく方法もあります。

一つ目は引越して同居するか二世帯住宅にして同じ敷地内に住むという方法です。これにより②の同居親族に該当することになります。ただし、生活の本拠はどこかという問題もあり、それぞれの家族の事情等もあって現実的には難しいかも知れません。

二つ目は自身の家の建物部分のみを子(孫)へ贈与する方法です。居住部分の建物を子(孫)へ贈与することで持ち家がなくなります。ただし、建物を子(孫)へ贈与することで贈与税が課税されます。(建物部分の贈与税評価額は固定資産税評価額になります。)

また、持ち家を借家として貸し付けて、ご自身は借家住まいになった場合も特例適用の対象となります。ただし、これらの対策を講じる場合でも、対策してから3年以内に相続が発生してしまった場合には、適用できませんので注意が必要です。

いずれにしても、特例適用の有無により相続税納税負担は大きく異なってきます。実家を誰に相続させるか、どうやって相続させるか、増税を見据えて検討してみてはいかがでしょうか。

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