FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」
【第29回】

日興で相続対策

FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」バックナンバーへ

(2016年8月25日)

【第29回】遺される配偶者について考える

FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」では、毎月1回、相続に関連したお役立ち情報から最新の話題までをお伝えしております。第29回目のコラムは、配偶者の将来に関するお話です。

相続法制の改正が議論されており、配偶者の取り分を厚くする方向で検討されています

現在総務省では、相続に関する民法の改正について審議されています。平均寿命が延び高齢化が進む中、相続人となる配偶者も高齢であることが多く、相続後の生活を保障する必要性が高まってきていることから、遺された配偶者を法律面でサポートする方向の内容が盛り込まれています。具体的には、以下の二つがあります。

一つ目は、配偶者が引き続き自宅に住み続けることができるようにすることです。遺産分割次第では必ずしも配偶者が自宅を相続するとは限りません。そこで、「居住権」を創設し、配偶者に認めることで、自宅という資産を引き継がなかった場合でも住み続けられるようにしようということです。

二つ目は、遺産分割に関する見直しとして、婚姻期間が長期にわたる配偶者の貢献を相続分に反映させることがあります。ただし、貢献をどのようにはかるのかといった大きな課題があるため、複数案が検討されています。法定相続人が配偶者と子の場合における、配偶者の法定相続分は、1980年に「1/3」から「1/2」に改正されて以来、ずっと据え置かれていましたが、35年以上ぶりに変わることになるかもしれません。

他にも、自筆証書遺言や遺留分の取り扱いについて見直しが検討されています。
これらの改正があった場合には、税制にも影響を及ぼすことが考えられるため、今後の改正の動向には注目したいところです。

遺される配偶者のことを考える

前述のとおり、ご夫婦の一方が亡くなられた後に遺される配偶者の生活については、法律面で整備されつつありますが、長年連れ添った配偶者のために、ご自身でも準備しておきたいところです。その方法のひとつが遺言書を作成し配偶者の取り分を指定しておくことです。

そして、遺言書の作成にあたっては、ご夫婦で話し合いを行い、お互いに心配なこと、不安に思うことを共有しておくことをおすすめします。たとえば、配偶者の生活費は十分に足りるのかどうか、住まいに困ることなく生活できるのかどうかといったことが考えられます。また、遺された配偶者が子供たちから大切にしてもらえるのかどうかといったことも気になるところかと思います。ご夫婦間で想定される様々なことを話し合うことで、遺言書作成にあたって配慮するべきことも次第に見えてくるのではないでしょうか。また、遺言書はご夫婦それぞれが作成し、お互いに内容を確認しておくことで、配偶者の安心にもつながります。

ご夫婦の話し合いをご家族間の話し合いの第一歩に

将来のことについては、相続や財産分与のことだけでなく、介護のこと等も含めご家族全員で話し合いを行い、あらかじめ決めておくのが理想的です。ご本人もご家族も含めて話し合えば、それぞれの想いも確認でき、万が一の相続争いの回避にもつながる可能性があるからです。しかしながら、いきなりご家族全員で話し合いを行うことが難しいという場合には、まずはご夫婦間で話し合いを行うことから始めてみてはいかがでしょうか。

ご留意事項

このページの関連情報