納税資金が不足（ケーススタディ）
相続財産の種類別価額と構成比
相続税は原則現金で納付することになっていますが、国税庁の統計によれば、申告書が提出された相続では現金化が困難な財産が約5割を占めています。
- 注:上記は、2016年中に開始した相続において、2017年10月31日までに提出された申告書に基づき、相続財産種類別の合計額とその構成比を示したものです。
- 出所:国税庁「統計年報」
ケーススタディ
ケース1 保有財産は換金しにくい財産ばかりなので納税資金が不足しそう
相続税の納税は原則現金で納めなければなりません。しかし、相続財産の大半を換金しにくい財産が占めていると、現金での納付が困難になる可能性があります。
＜影響＞
不動産や自社株式の売却、延納・物納を検討しないと相続税を捻出することができません。
自社株を売却することになれば会社経営にも影響します。
資産の組み換え・生前贈与・保険商品による納税資金の準備などが効果的です。
ケース2 長男に自宅だけを相続させると納税資金が不足しそう
相続税の納税は原則現金で納めなければなりません。しかし、換金しにくい財産だけを相続した場合、現金での納付が困難になる可能性があります。
＜影響＞
長男は納税資金（現金等）を自分で準備する必要があります。
資産の組み換え・生前贈与・保険商品による納税資金の準備・各相続人の納税資金余力を考慮した遺言書の作成などが効果的です。