2025/05/03 06:38

◇ＮＹ円相場、反発　１ドル144円90銭～145円00銭　持ち高調整の円買い優勢 【ＮＱＮニューヨーク=稲場三奈】２日のニューヨーク外国為替市場で円相場は４日ぶりに反発し、前日比45銭円高・ドル安の１ドル=144円90銭～145円00銭で取引を終えた。前日までの３営業日で円売り・ドル買いが続いたあとで、連休や週末を控えた持ち高調整の円買い・ドル売りが優勢となった。半面、投資家のリスク回避姿勢の後退は円相場の重荷となった。

　中国商務省は２日、米国から交渉を求めて複数の打診があったことを認めたうえで、その内容について「評価を進めている」という報道官談話を発表した。米中の関税交渉が進展するとの期待から、台湾ドルや韓国ウォンなどアジアや太平洋の通貨が対ドルで上昇した場面で、円にも買いが波及した。

　市場では「（東京やロンドンなどの）祝日を控え薄商いとなるなか、持ち高調整の円買い・ドル売りが入った」（ジェフリーズのブラッド・ベクテル氏）との声も聞かれた。日本の輸出企業などによる円買いが相場を支えたとの指摘もあった。

　一方、主要メディアは２日、中国政府が違法薬物フェンタニルの米国への流入について対応できる方法があるかを検討していると伝えた。米中の対話が本格化するとの思惑は投資家のリスク回避姿勢を和らげ、同日の米株式市場でダウ工業株30種平均が９連騰した。米債券市場では長期金利が上昇（債券価格は下落）し、日米金利差の拡大による円売り・ドル買いを促した面もあった。

　２日発表の４月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数が前月に比べ17万7000人増えた。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想（13万3000人増）以上だった。失業率は３月から横ばいの4.2％で、平均時給の伸びは0.2％と市場予想（0.3％）を下回った。

　総じて労働市場の底堅さを示す内容で、米経済の下振れ懸念が後退したとの受け止めが円売り・ドル買いにつながった。「米連邦準備理事会（ＦＲＢ）の利下げが６月から７月に後ずれする」（バノック・バーン・グローバル・フォレックスのマーク・チャンドラー氏）との見方が広がり、円の上値を抑えた。

　円の高値は143円73銭、安値は145円08銭だった。

　円は対ユーロで反発し、前日比30銭の円高・ユーロ安の１ユーロ=163円85～95銭で取引を終えた。東京市場の取引時間帯に一時164円57円と2024年12月下旬以来の円安・ユーロ高水準を付けたあとで、次第に対ドルでの円買いが対ユーロに波及した。

　ユーロは対ドルで４日ぶりに反発し、前日比0.0010ドルのユーロ高・ドル安の１ユーロ=1.1295～1305ドルで取引を終えた。米中の関税交渉の進展期待から、リスク選好時に買われやすいユーロが上昇した。２日発表の４月のユーロ圏消費者物価指数で前年同月比の上昇率が市場予想を上回った。同日発表のドイツとフランスの４月の製造業購買担当者景気指数（ＰＭＩ）改定値も速報値から上方修正され、経済指標を受けたユーロ買い・ドル売りも膨らんだ。
　
　ユーロの高値は1.1381ドル、安値は1.1293ドルだった。

2025/05/03 06:10

◇ＮＹ債券、長期債続落　10年債利回り4.31％　予想上回る雇用者数の伸び受け 【ＮＱＮニューヨーク＝戸部実華】２日のニューヨーク債券市場で長期債相場は続落した。長期金利の指標となる表面利率4.625％の10年物国債利回りは前日比0.09％高い（価格は安い）4.31％で終えた。朝発表の４月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を上回った。雇用減速への警戒が和らぎ、米連邦準備理事会（ＦＲＢ）は利下げに慎重な姿勢を続けるとの観測から幅広い年限の債券に売りが広がった。

　４月の雇用統計で非農業部門の雇用者数は前月比17万7000人増と、増加幅はダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想（13万3000人）を上回った。失業率は前月から横ばいの4.2％と、市場予想と一致した。「まだ底堅くみえる労働市場を背景にＦＲＢは追加の（実績値を示す）ハードデータを忍耐強く待つ」（ＴＤ証券）と受け止められた。

　「市場は早期の景気悪化や利下げを見込んでいただけに、見方を修正する債券売りが広がった」（オックスフォード・エコノミクスのジョン・キャナバン氏）との声が聞かれた。ゴールドマン・サックスとバークレイズはＦＲＢによる利下げ時期の予想を従来の６月から７月に変更した。

　前週は4.4％台で推移する場面があった10年債利回りが今週は4.1％台まで下げるなど、債券買いが進んだ後で週末を控えた持ち高調整の売りも出やすかった。来週には３年物、10年物、30年物の国債入札を控える。債券需給が緩むとの観測も相場の重荷となった。

　米中貿易摩擦が緩和に向かうとの期待が市場心理を改善させ、相対的にみて安全資産とされる米国債の売りにつながった。中国商務省が２日、米国から交渉を求めて複数回打診があったことを認めたうえで、内容の「評価を進めている」という報道官談話を発表した。関税引き下げに向けた交渉が進展するとの観測から米株式相場は上昇。多くの機関投資家が運用指標とするＳ＆Ｐ500種株価指数は2004年11月以来となる９連騰を記録した。

　金融政策の影響を受けやすい２年債の利回りは前日比0.12％高い3.82％で終えた。

2025/05/03 05:36

◇米国株、ダウ９日続伸し564ドル高　米中交渉に期待　Ｓ＆Ｐ500は20年ぶりの９連騰 【ＮＱＮニューヨーク=横内理恵】２日の米株式市場でダウ工業株30種平均は９日続伸した。前日比564ドル47セント（1.38％）高の４万1317ドル43セントと、４月２日以来の高値で終えた。９連騰は2023年12月以来、約１年４カ月ぶり。関税政策などを巡って米中の協議が進み、米中貿易摩擦が緩和に向かうとの期待が投資家心理を支えた。２日発表の４月の米雇用統計が労働市場の底堅さを示したことも買いを誘った。

　中国商務省が２日、米国から交渉を求めて複数回打診があったことを認めたうえで、内容の「評価を進めている」という報道官談話を発表した。主要メディアは２日、中国政府が違法薬物フェンタニルの米国への流入について対応できる方法があるかを検討していると伝えた。米中の対話が本格化し、関税引き下げに向けた交渉が進展する可能性が意識された。

　４月の雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比17万7000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想（13万3000人増）を上回った。失業率は4.2％と３月から横ばいで、平均時給の伸び率は0.2％と市場予想（0.3％）を下回った。総じて雇用情勢の健全さを示す内容となり、過度な米景気への懸念が和らいだ。

　トランプ政権は２日、26会計年度（25年10月～26年９月）の予算について大統領の要望を示す予算教書の一部を公表した。現在、米議会が25年末に期限を迎える所得税減税（トランプ減税）の延長などを盛り込んだ歳出法案を調整している。トランプ大統領が公約している大型減税への期待が株価を支えているとの見方もある。

　ダウ平均は630ドルあまり上げる場面があった。米関税政策を巡る不透明感などで４月８日に直近安値を付けた後、短期的な戻りを見込んだ買いが続いている。週間では1200ドルあまり上げた。

　ダウ平均の構成銘柄ではナイキやスリーエム、アメリカン・エキスプレス、キャタピラーなど景気敏感株が買われた。エヌビディアやマイクロソフトも上昇した。マイクロソフトやメタプラットフォームズ、アマゾン・ドット・コムが１日までに発表した四半期決算で人工知能（ＡＩ）投資が勢いを保っていることが確認され、ハイテクや半導体株の見直し買いにつながっている。

　一方、アップルが３％あまり下げた。１日夕に発表した25年１～３月期決算は市場予想を上回ったが関税の先行きへの影響が懸念され、複数のアナリストが投資判断を引き下げた。１日夕に四半期決算とあわせて発表した見通しがやや慎重と受け止められたアムジェンも安い。

　ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。前日比266.988ポイント（1.50％）高の１万7977.728（速報値）と３月下旬以来の高値で終えた。メタプラットフォームズが高い。ブロードコムなど半導体株の上昇も目立った。

　多くの機関投資家が運用指標とするＳ＆Ｐ500種株価指数は９日続伸した。前日比82.53ポイント（1.47％）高の5686.67（速報値）と３月下旬以来の高値で終えた。９連騰は2004年11月以来、およそ20年半ぶりだった。

2025/05/03 05:01

◇米国株、ダウ９日続伸　米中交渉に期待　雇用統計も好感 【ＮＱＮニューヨーク=横内理恵】２日の米株式市場でダウ工業株30種平均は９日続伸し、前日比564ドル47セント高の４万1317ドル43セント（速報値）で終えた。９連騰は2023年12月以来。関税政策などを巡って米中の協議が進み、米中貿易摩擦が緩和に向かうとの期待が投資家心理を支えた。２日発表の４月の米雇用統計が労働市場の底堅さを示したことも買いを誘った。

　中国商務省が２日、米国から交渉を求めて複数回打診があったことを認めたうえで、内容の「評価を進めている」という報道官談話を発表した。主要メディアは２日、中国政府が違法薬物フェンタニルの米国への流入について対応できる方法があるかを検討していると伝えた。米中の対話が本格化し、関税引き下げに向けた交渉が進展する可能性が意識された。

　４月の雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比17万7000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想（13万3000人増）を上回った。失業率は4.2％と３月から横ばいで、平均時給の伸び率は0.2％と市場予想（0.3％）を下回った。総じて雇用情勢の健全さを示す内容となり、過度な米景気への懸念が和らいだ。

　ダウ平均の構成銘柄ではナイキやスリーエム、アメリカン・エキスプレス、キャタピラーなど景気敏感株が買われた。エヌビディアやマイクロソフトも上昇した。マイクロソフトやメタプラットフォームズ、アマゾン・ドット・コムが１日までに発表した四半期決算で人工知能（ＡＩ）投資が勢いを保っていることが確認され、ハイテクや半導体株の見直し買いにつながっている。

　一方、アップルが下げた。１日夕に発表した25年１～３月期決算は市場予想を上回ったが関税の影響が懸念され、複数のアナリストが投資判断を引き下げた。１日夕に四半期決算とあわせて発表した見通しがやや慎重と受け止められたアムジェンも安い。

　ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比266.988ポイント高の１万7977.728（速報値）で終えた。メタプラットフォームズやテスラが高い。ブロードコムなど半導体株も上げた。

2025/05/02 22:59

◇米国株、ダウ続伸で始まる　米中交渉の進展への期待　アップルは安い 【ＮＱＮニューヨーク=三輪恭久】２日の米株式市場でダウ工業株30種平均は９日続伸して始まり、午前９時35分現在は前日比482ドル41セント高の４万1235ドル37セントで推移している。米国の関税政策を巡って、米中間の協議が進むとの観測が投資家心理を支えている。２日朝発表の４月の米雇用統計が市場予想を上回ったことも株買いにつながっている。ダウ平均の上げ幅は500ドルを超える場面がある。

　中国商務省は２日、米国から交渉を求めて複数の打診があったことを認めたうえで、その内容について「評価を進めている」という報道官談話を発表した。一方、米国のルビオ国務長官は同日の米ＦＯＸニュースで「中国が対話を求めている」と語り、近く米中間の協議が実施されるとの認識を示した。関税交渉が進展するとの期待が高まり、株式市場には安心感が広がっている。

　４月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月に比べ17万7000人増えた。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想（13万3000人増）を上回った。失業率は前月から横ばいの4.2％だった。平均時給の伸びは前月から鈍化したものの、総じて底堅い内容だった。米経済の下振れ懸念が後退し、株買いにつながっている。

　個別銘柄ではアップルの下げが目立つ。１日夕に発表した2025年１～３月期決算では売上高と１株利益が市場予想を上回った。ただ、事業別の売上高では収益性の高いサービスが市場予想に届かなかった。関税関連の費用が25年４～６月期に９億ドルに達するとし、収益への影響を懸念した売りが出ている。新たに発表した自社株買い枠が1000億ドルと、前年より少なかったことも弱材料となっているとの見方もある。

　そのほかのダウ平均の構成銘柄ではナイキやアメリカン・エキスプレス、キャタピラーといった消費関連株や景気敏感株に買いが入っている。エヌビディアやマイクロソフトも高い。一方、１日夕に決算を発表したアマゾン・ドット・コムが安い。

　ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸して始まった。ブロードコムやマイクロン・テクノロジーといった半導体関連が高い。