2025/11/27 17:30

◇外為17時　円相場、４日続伸　156円台前半　米利下げ観測根強く 　27日の東京外国為替市場で、円相場は４日続伸した。17時時点は前日の同時点に比べ26銭の円高・ドル安の１ドル＝156円11～12銭だった。米連邦準備理事会（ＦＲＢ）が12月に利下げするとの観測が根強く、円買い・ドル売りが優勢となった。

　日銀の野口旭審議委員による大分県金融経済懇談会での発言は当初は円買い材料とみなされた。だが、その後は警戒していたほど正常化に積極的な「タカ派」ではなかったとの受け止めが次第に増え、円の上値を抑えた。

　26日発表の11月の米シカゴ購買部協会景気指数（ＰＭＩ）は前月から低下し、市場予想も下回った。一方、同日発表の週間の米新規失業保険の申請件数は市場より少ない水準にとどまった。米経済指標は強弱が入り交じる内容となったが、米金利先物市場ではＦＲＢが利下げするとの予想確率が高止まりしており、対ドルでの円相場を支えた。

　円相場は午前中に一時155円72銭近辺まで上昇したが、円買いは続かなかった。日銀の野口委員は27日、大分県金融経済懇談会に出席した。午前の挨拶では、２％の物価安定目標が見通し期間後半に達成されるなら、日銀による政策金利の調整も「適切なペースで行われていくべきだ」と述べた。ただ午後の記者会見では金融政策運営を巡り「調整ペースはデータ次第」と語った。市場では野口氏が慎重に政策判断していく姿勢を保っていることが意識され、円買いの勢いを鈍らせた。
　
　円は対ユーロでは反発した。17時時点は同11銭の円高・ユーロ安の１ユーロ＝180円96～99銭で推移している。対ドルでの円高が波及した。

　ユーロは対ドルで続伸した。17時時点は同0.0013ドルのユーロ高・ドル安の１ユーロ＝1.1592ドル近辺で推移している。

〔日経ＱＵＩＣＫニュース（ＮＱＮ）〕

2025/11/27 15:59

◇東証大引け　日経平均は３日続伸　608円高、5万円台回復　ハイテク高い 　27日の東京株式市場で日経平均株価は３日続伸し、終値は前日比608円03銭（1.23％）高の５万0167円10銭だった。終値ベースで５万円台に乗せるのは17日以来。米利下げ観測を手掛かりに前日の米主要株価指数がそろって上昇した流れを受け、日本株にも海外勢による買いが優勢だった。このところ調整が目立っていた値がさの半導体関連株などが見直し買いを集めたことも日経平均を押し上げ、上げ幅は一時700円を上回った。

　前日の米株式相場の上昇は、低調な米経済指標を受けて米連邦準備理事会（ＦＲＢ）の追加利下げ観測が強まったことが背景で、海外短期筋を中心に投資家心理が急速に上向いている。日本株の値動きの良さに着目した海外短期筋が、日経平均先物に断続的な買いを入れたことが日経平均を押し上げた面も大きい。不動産や建設など内需関連株の一角には、出遅れを意識した物色が続いた。

　日経平均は上げ幅を縮小する場面もあった。５万円の大台を上回った水準では個人投資家などによる達成感を意識した利益確定や戻り待ちの売りが出やすかった。

　東証株価指数（ＴＯＰＩＸ）は続伸した。終値は13.07ポイント（0.39％）高の3368.57だった。一時は13日の最高値（3381.72）を上回った。ＪＰＸプライム150指数は続伸し、4.57ポイント（0.32％）高の1454.60で終えた。

　東証プライムの売買代金は概算で４兆9659億円と９月18日以来約２カ月ぶりの低水準だった。27日は感謝祭の祝日で米国のすべての市場が休場となるため、午後に入ってからは積極的な売買を手控える動きが広がった。売買高は19億186万株。東証プライムの値上がり銘柄数は969と全体の６割を占めた。値下がりは566、横ばいは68だった。

　値がさのアドテストや東エレク、ソフトバンクグループ（ＳＢＧ）が買われた。ＴＤＫやイビデンも高い。パナＨＤの上昇も目立った。一方、中外薬や第一三共など医薬品株が売られた。テルモやＨＯＹＡも安い。
　
〔日経ＱＵＩＣＫニュース（ＮＱＮ）〕

2025/11/27 15:55

◇新興株27日　グロース250が続伸　新規上場のヒュマメイド初値上回る 　27日の新興企業向け株式市場で東証グロース市場250指数は続伸した。終値は前日比10.38ポイント（1.52％）高の695.05だった。前日の米株式市場でハイテク株などが上昇した流れを引き継ぎ、日経平均株価が５万円台を回復した。個人投資家がリスク選好姿勢を強め、新興市場でも買いが優勢だった。市場では「新規株式公開（ＩＰＯ）銘柄が呼び水となり、新興市場にも資金が流れている」（国内証券の情報担当者）との声が聞こえた。

　27日に東証グロース市場に新規上場したヒュマメイドは９時19分に公開価格（3130円）を310円（9.90％）上回る3440円で初値を付けた。終値は初値比105円（3.05％）高の3545円だった。

　グロース市場ではＦＦＲＩやタイミーが上昇した。一方、Ａｉロボや情報戦略テクは下落した。

〔日経ＱＵＩＣＫニュース（ＮＱＮ）〕

2025/11/27 15:16

◇債券15時　長期金利、1.795％に低下　中期債に買い 　27日の国内債券市場で長期金利は低下（債券価格は上昇）した。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.005％低い1.795％で取引された。日銀の野口旭審議委員の発言が金融引き締めに積極的な「タカ派」ではなかったとの受け止めから、国内債には買いが増える場面があった。米連邦準備理事会（ＦＲＢ）の利下げ観測を背景に米長期金利が低下基調となっているのも、国内債相場を支えた。

　日銀の野口委員は27日、大分県金融経済懇談会に出席した。27日午前の挨拶では、２％の物価安定目標が見通し期間後半に達成されるなら、日銀による政策金利の調整も「適切なペースで行われていくべきだ」と話した。午後の記者会見では金融政策の判断を巡り「調整ペースはデータ次第」と語り、市場では「12月利上げを決め打ちしておらず、タカ派的な発言ではない」（国内銀行の債券担当者）と受け止められた。12月の金融政策決定会合に向けて利上げの地ならしをするとの見方が一部にあったことから、利上げ観測がやや後退し、国内債に買いが入った。

　中期債も買われ、新発５年債利回りが前日比0.010％低い1.315％、新発２年債利回りが同0.005％低い0.965％をつけた。

　超長期債では、新発40年債利回りが前日比0.020％低い3.660％をつけた。財務省が26日実施した40年債入札が投資家需要を一定程度集めたと受け止められ、超長期債の需給引き締まりを意識した買いが入った。

　債券先物相場は３営業日ぶりに反発した。中心限月の12月物は前日比18銭高の135円14銭で取引を終えた。

　短期金融市場では大阪取引所の無担保コール翌日物金利（ＴＯＮＡ）先物が上昇した。中心限月の12月物は前日の清算値比0.0025高い99.3400で終えた。全銀協ＴＩＢＯＲ運営機関が発表した日本円の東京銀行間取引金利（ＴＩＢＯＲ）３カ月物は、前日から横ばいの0.80636％だった。

〔日経ＱＵＩＣＫニュース（ＮＱＮ）〕

2025/11/27 15:13

◇＜東証＞パナソニックが17年ぶり高値　みずほ証券が目標株価2540円に上げ （15時10分、プライム、コード6752）パナソニックが続伸している。前日比144円（7.82％）高の1984円を付け、年初来高値を更新した。2008年９月以来、約17年ぶりの高値となる。みずほ証券が26日付で目標株価を2400円から2540円に引き上げた。今年から進める構造改革の成果や今後の株主還元の拡大余地を踏まえて株価は割安との判断を示し、材料視した買いが入っているようだ。

　みずほ証券の中根康夫シニアアナリストはパナソニックの構造改革について「順調に進捗し、足元で加速感もあり、来期以降の固定費の削減効果が顕現する確度が上昇している」との見解を示した。加えて、人工知能（ＡＩ）サーバー向けの収益が想定以上に拡大していると指摘し、新たな中期経営計画の開始と同時に増配や自社株買いなど株主還元を強化していくと予想。株価は「割安感が強く上昇余地が大きい」とした。投資判断は３段階で最上位の「買い」を維持した。

〔日経ＱＵＩＣＫニュース（ＮＱＮ）〕