2025/04/30 06:45

◇ＮＹ円相場、反落　１ドル=142円30～40銭　貿易交渉進展との見方で 【ＮＱＮニューヨーク=川上純平】29日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反落し、前日比30銭の円安・ドル高の１ドル=142円30～40銭で取引を終えた。関税を巡る米政権の貿易交渉が進展しているとの観測が広がり、投資家の間で値動きの大きくなりやすい資産を避ける姿勢が後退したことから低リスク通貨とされる円に売りが出た。

　ラトニック米商務長官は29日、米ＣＮＢＣの番組で貿易交渉について「一つの合意が成立した」と述べた。具体名を明かさなかったが「相手国の首相と議会の承認を待つ必要があり、それは間もなくだろう」と語った。トランプ米大統領も同日に「インドと合意できると思う」と述べたと伝わった。米株式市場では交渉進展への期待などを背景にダウ工業株30種平均が６日続伸し、円相場の重荷となった。

　もっとも、円の下値は堅かった。米調査会社コンファレンス・ボードが29日に発表した４月の消費者信頼感指数は前月比7.9ポイント低い86.0と2020年５月以来の低水準となった。収入や雇用情勢などの短期的な見通しを示す「期待指数」は11年10月以来の低さだった。関税が米経済を冷やすとの懸念は根強く、円売り・ドル買いは勢いを欠いた。

　円の安値は142円72銭、高値は141円97銭だった。

　円は対ユーロで続伸し、前日比20銭の円高・ユーロ安の１ユーロ=162円05～15銭で取引を終えた。

　ユーロは対ドルで反落し、前日比0.0040ドルのユーロ安・ドル高の１ユーロ=1.1380～90ドルで取引を終えた。米国の関税を巡る貿易交渉が進展するとの見方からユーロ売り・ドル買いが優勢だった。

　ユーロの安値は1.1370ドル、高値は1.1418ドルだった。

2025/04/30 06:05

◇ＮＹ債券、長期債続伸　10年債利回り4.17％　消費者心理の悪化で 【ＮＱＮニューヨーク＝川上純平】29日のニューヨーク債券市場で長期債相場は６日続伸した。長期金利の指標となる表面利率4.625％の10年物国債利回りは前日比0.04％低い（価格は高い）4.17％で終えた。同日発表の景気指標が消費者心理の悪化を示し、相対的に安全な資産とされる債券の買いを促した。

　米調査会社コンファレンス・ボードが29日に発表した４月の消費者信頼感指数は前月比7.9ポイント低い86.0と2020年５月以来の低水準となった。収入や雇用情勢などの短期的な見通しを示す「期待指数」は11年10月以来の低さだった。市場では「米政権による関税政策で米経済に対する消費者の期待が落ち込んでいる」（ウェルズ・ファーゴのティム・クインラン氏）との指摘があった。

　ラトニック米商務長官は29日、米ＣＮＢＣの番組で貿易交渉について「一つの合意が成立した」と述べた。具体名を明かさなかったが「相手国の首相と議会の承認を待つ必要があり、それは間もなくだろう」と語った。トランプ米大統領も同日に「インドと合意できると思う」と述べたと伝わった。貿易交渉が進展すれば、米国のインフレ圧力が和らぐとの見方も債券相場を下支えした。

　ただ、貿易交渉の進展への期待などを背景に29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は６日続伸した。投資家の間で値動きが大きくなりがちな資産を避ける動きが和らいでいるのは債券相場の重荷となった。

　金融政策の影響を受けやすい２年債の利回りは前日比0.04％低い3.65％で終えた。

2025/04/30 05:46

◇米国株、ダウ続伸し300ドル高　関税巡る交渉の進展期待　ナスダックは反発 【ＮＱＮニューヨーク=矢内純一】29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は６日続伸し、前日比300ドル03セント（0.74％）高の４万0527ドル62セントで終えた。６日続伸は昨年７月以来となる。米国と貿易相手国との関税交渉の進展期待が引き続き相場を支えた。決算を発表した銘柄に買いが入ったことも指数を押し上げ、ダウ平均の上げ幅は400ドルを超える場面があった。

　ベッセント米財務長官は29日朝の記者会見で、貿易交渉を巡りインドとの取引成立が近づいていると語った。日本との交渉についても実質的な協議を進めていると説明した。ラトニック米商務長官は同日午後の米ＣＮＢＣの番組で、具体名に言及しなかったものの、「一つの合意が成立した」と述べた。

　トランプ米政権は29日、自動車・部品関税の負担軽減措置を発表した。米国内で生産する完成車を対象に、生産に使った輸入部品にかかる関税を一部免除する。市場では「米政権の関税に対する強硬姿勢が和らいでおり、株買いの安心感につながっている」（マーフィー・アンド・シルヴェスト・ウェルス・マネジメントのポール・ノルティ氏）との指摘があった。

　ハネウェル・インターナショナルが5.3％高で終えた。29日朝に発表した2025年１～３月期決算で売上高と特別項目を除く１株利益が市場予想を上回った。25年12月期通期見通しがほぼ市場予想の範囲にとどまったことも好感された。決算を発表したシャーウィン・ウィリアムズも4.7％上昇した。

　ダウ平均は伸び悩み、小幅に下げる場面があった。29日午前発表の４月の米消費者信頼感指数は86.0と前月から悪化し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想（87.3）も下回った。関税政策を巡る不透明感が消費者心理を悪化させているとの見方は相場の重荷だった。

　そのほかのダウ平均の構成銘柄では、アムジェンやメルクが上昇した。ＩＢＭも買われた。半面、ユナイテッドヘルス・グループとマクドナルドが下げた。

　ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。前日比95.185ポイント（0.54％）高の１万7461.318（速報値）で終えた。メタプラットフォームズやテスラが上昇した。

2025/04/30 05:02

◇米国株、ダウ続伸　一時400ドル高　関税交渉の進展期待が継続 【ＮＱＮニューヨーク=矢内純一】29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は６日続伸し、前日比300ドル03セント高の４万0527ドル62セント（速報値）で終えた。米国と貿易相手国との関税交渉の進展期待が引き続き相場を支えた。決算を発表した銘柄に買いが入ったことも指数を押し上げ、ダウ平均の上げ幅は400ドルを超える場面があった。

　ベッセント米財務長官は29日朝の記者会見で、貿易交渉を巡りインドとの取引成立が近づいていると語った。日本との交渉についても実質的な協議を進めていると説明した。ラトニック米商務長官は同日午後の米ＣＮＢＣの番組で、具体名に言及しなかったものの、「一つの合意が成立した」と述べた。

　ハネウェル・インターナショナルが一時5.8％上昇した。29日朝に発表した2025年１～３月期決算で売上高と特別項目を除く１株利益が市場予想を上回った。25年12月期通期見通しがほぼ市場予想の範囲にとどまったことも好感された。決算を発表したシャーウィン・ウィリアムズも上昇率が６％を超える場面があった。

　そのほかのダウ平均の構成銘柄では、アムジェンやメルクが上昇した。ＩＢＭも買われた。半面、ユナイテッドヘルス・グループとシェブロンが下げた。

　ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比95.185ポイント高の１万7461.318（速報値）で終えた。

2025/04/29 23:18

◇米国株、ダウ続伸で始まる　ハネウェルとシャーウィンに買い 【ＮＱＮニューヨーク=稲場三奈】29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は６日続伸して始まり、午前９時35分現在は前日比95ドル03セント高の４万0322ドル62セントで推移している。四半期決算を発表した主力銘柄の一部に買いが入り、指数を押し上げている。トランプ米政権が自動車関税の負担軽減策を検討していると伝わったことも投資家心理の支えとなっている。

　ダウ平均の構成銘柄では、ハネウェル・インターナショナルが高い。29日朝に発表した2025年１～３月期決算では、売上高と特別項目を除く１株利益が市場予想を上回った。25年12月期見通しがほぼ市場予想の範囲にとどまったことも好感されている。決算を発表したシャーウィン・ウィリアムズにも買いが入っている。

　トランプ米大統領が自動車関税の影響を軽減する見通しだと米紙ウォール・ストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）が28日夕に報じた。米国で生産する自動車に使う外国製部品の関税も一部軽減することなどを検討しているという。５月３日に発動する輸入自動車部品に対する25％の関税を修正するとの観測もある。

　ただ、関税交渉を巡る不透明感はくすぶる。30日以降に四半期決算を発表する大型ハイテク企業の収益見通しや幹部発言を見極めたいとの姿勢もある。個別では、アマゾン・ドット・コムが下げている。レビット米大統領報道官が29日朝の記者会見で、アマゾンが小売価格に関税の費用を明示するとの一部報道を巡って、「敵対的で政治的だ」と指摘し、売り材料となっている。

　ダウ平均の構成銘柄ではないが、ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）も下落している。朝発表の2025年１～３月期決算は売上高などが市場予想を上回ったが、25年12月期通期の見通しの詳細の公表を５月１日に延期した。従来の見通しには関税による影響を織り込んでいなかったという。

　そのほかのダウ平均の構成銘柄では、メルクやＩＢＭ、ホーム・デポが高い。一方、シェブロンやユナイテッドヘルス・グループ、キャタピラーは安い。

　ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は一進一退で始まった。