初めてでもわかりやすい用語集

資産担保証券/ABS (しさんたんぽしょうけん/エービーエス)

資産担保証券(ABS:Asset Backed Securities)とは、商業用不動産担保ローンや住宅ローン、自動車ローン、リース、クレジットカード等に関する貸付金銭債権等の資産を裏付けとして発行される証券の総称です。典型的なスキームとしては、ある企業が特定目的会社(SPC:Specific Purpose Company)に特定の資産を譲渡し、SPCがその資産を裏付けとして証券を発行する「証券化」の仕組みにおいて発行される証券です。わが国ではSPCの代わりに信託が用いられることが多く、現在ではほとんどのABSが信託受益権の形で発行されています。
ABSのうち、社債や企業向け貸付債権等を裏付けとするものを債務担保証券(CDO:Collateralized Debt Obligation)といいます。
CDOに分類されない自動車ローン債権、リース料債権、クレジットカード債権等の主にノンバンクが保有する金銭債権を裏付けとするものは、単にABS(狭義のABS)といいます。

ワンポイント

資産担保証券(ABS)の市場は、近年、世界で急拡大しました。しかし、米国で発生したサブプライムローン問題の際に、証券化商品の適正な価格付けや信用度の評価などの問題点が指摘され、米国のABS市場は一時的に縮小しました。日本国内ではもともとABS市場の規模が小さかったこともあって米国のような信用収縮は起こりませんでしたが、世界的な市場の縮小と同様に日本国内でも発行額が縮小しました。
その後、規制強化等により同様の問題の再発対策が講じられ、世界的に市場は回復基調にあります。

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