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信用取引の逆日歩とは

信用売りの逆日歩に注意!ポイントと仕組みとは?

逆日歩(ぎゃくひぶ)とは、信用取引の売り方が負担する事前に想定できないコストです。信用売り残高が信用買い残高を上回り、株式の貸し方である証券金融会社が、貸し出せる株の不足を補うために、機関投資家などから株を借りる際に調達費用として発生します。逆日歩について詳しく説明します。

逆日歩が発生する仕組み

証券会社は、信用買いの買付代金や、空売りの株券を保有していますが、信用取引が活発に行われた場合には、証券金融会社を経由して資金、株式を調達してきます。信用売り残高が信用買い残高を上回る「売り長(うりなが)」の状態が続き、証券金融会社でも不足する株を手当できない場合に、逆日歩が発生します。

逆日歩が発生する仕組みの説明図

具体的には、証券金融会社が生命保険会社や損害保険会社などの機関投資家から現物株を調達して株不足の解消に努めます。証券金融会社が機関投資家から株を借りる際に発生する1日あたりのコストが品貸料で、このコストは売り長の状態を招いている売り方が負担し、買い方が受け取る仕組みとなっています。

買い方が売り方に支払う金利を日歩と呼びますが、株不足を招いている売り方が買い方に金利を払うことになるため、逆日歩と呼ばれています。株式取引の受け渡しは2営業日後となっています。逆日歩が発生した翌日に空売りを買い戻した場合でも、月曜日空売り→火曜日買い戻し以外は、受け渡しが行われない土日(祝日含む)をまたぐことになります。品貸日数には、土日のほか祝日も算入されるため、注意が必要となります。

逆日歩発生の条件

「制度信用取引」において大きな役割を担う証券金融会社は、銘柄ごとに空売り(貸株)と信用買い(融資)を毎営業日集計しています。空売りと信用買いを付き合わせ、空売りが上回っていれば、上回っている分だけ株不足となります。

逆日歩発生の条件の説明図

株不足を受けて、証券金融会社は、翌営業日10時までに信用買いを増やす「融資の追加申込」と空売りの残高を減らす「貸株の返済申込」を受け付けて、株不足の解消に努めます。それと同時に、生命保険会社や損害保険会社などの機関投資家に対して、株不足が生じている銘柄の入札受付を行います。

「融資の追加申込」と「貸株の返済申込」で株不足が解消しないケースで、逆日歩が発生します。同時進行の入札で、提示された品貸料の安い順に株を手当して、最終的に株不足が解消された時の品貸料が、その日の逆日歩となり、売り方はこれを負担しなければなりません。

逆日歩が発生しない「満額」や「零銭」とは

株不足となっても、逆日歩が発生しないケースがあります。証券金融会社の調整によって株不足が解消する「満額」と、株不足が発生した際の入札において、必要株数の落札が無料の0銭で完了する「零銭」がこれに該当します。

制度信用取引の段階では、信用買い残高が信用売り残高を上回る買い長(かいなが)の状態になっているのに、日証金の貸借残高では売り長の状態になっていることがあります。この状態で逆日歩が発生した場合は、信用買いの資金は自社で手当し、空売りの株を日証金から調達している証券会社が負担しなければなりません。証券会社は、逆日歩を回避するために、翌営業日の10時までに「融資の追加申込」または「貸株の返済申込」を募る一方、品貸0銭で入札するなどの調整に動きます。

制度信用取引では、信用買い残高が信用売り残高を上回る買い長であっても、日証金の貸借残高で売り長となると、日々品貸入札が行われることを踏まえながら、週1回発表される信用取引の残高を確認するようにしましょう。

逆日歩の計算方法

1株あたり、1日あたりの品貸料は、品貸入札で決定し、「1日、1株あたり○銭若しくは○円」と表記されます。売買単位と貸借値段によって上限の最高料率が設けられ、最高料率早見表は、日証金のホームページに掲載されています。

株式 最高料率早見表(1日・1株当り)

逆日歩は、1株あたりで表記されるため、逆日歩が複数日に渡ったり、まとまった株数だったりすると、思わぬコストをしいられることがあります。

逆日歩の日数の計算方法

逆日歩が発生した場合の日数計算を説明します。

解説図の16日(火曜日)に空売り注文を入れて約定し、翌17日(水曜日)に買い戻し注文が約定したとします。受渡日は、2営業日後となりますから、空売りの受渡日は18日(木曜日)、買い戻しの受渡日は19日(金曜日)となります。

逆日歩が発生した場合の日数計算の説明図

受け渡しが完了するまで、逆日歩2円が発生したとします。逆日歩2円は1株換算の金額なので、1,000株空売りした場合は、1日2円×1,000株=2,000円の逆日歩が発生します。

注意が必要になってくるのは、土日をまたいだ場合の逆日歩の日数です。17日(水曜日)に空売り注文が約定し、翌18日(木曜日)に買い戻し注文が約定した場合は、空売りの受渡日は19日(金曜日)で、買い戻しの受渡日は22日(月曜日)となり、1,000株空売りした場合は、1日2円×3日分×1,000株=6,000円の逆日歩が発生することになります。

土日をまたいだ場合の逆日歩の日数の説明図

逆日歩の注意事項

逆日歩の計算は、取引日ベースではなく、受渡日ベースで計算されます。取引のタイミング次第で、土日祝日や年末年始、5月のゴールデンウィーク、9月のシルバーウィークの連休をまたいでしまい、逆日歩が積み上がってしまうケースがあります。

空売りを継続するのか、早目に買い戻して逆日歩を回避するのか、判断する必要があります。売り方が一斉に逆日歩回避の行動に出た場合、空売りの買い戻しが、株価上昇を後押しすることになります。大型連休の前には、逆日歩取り狙いと売り方の買い戻しを期待する信用買いが入ってくることもあります。

まとめ

逆日歩とは、信用取引の売り方が、支払うコストです。信用売り残高が、信用買い残高を上回る売り長の状態で発生します。逆日歩は、日々の品貸入札の結果で決まり、0銭から銘柄ごとの最高料率の間で決まるとわかっていても、いつ発生するのか、いくら発生するのか、わからない怖さがあります。

逆日歩はどのくらいかかる?

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