FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」【第2回】
【第2回】“エンディングノート”のすすめ
2014年5月22日
FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」では、毎月1回、相続に関連したお役立ち情報から最新の話題までをお伝えしてまいります。第2回目のコラムは、“エンディングノート”についてのお話です。
終活とエンディングノート
最近、テレビや週刊誌等で“終活”という言葉を目にする機会が増えています。この“終活”の意味は、「人生の最終章を迎えるにあたって行うべきことをする」ということのようです。一昔前であれば、こういった話はタブー視されていましたので、たとえ家族間といえども、話題になりづらい風潮があったかと思います。ところが、最近はこの“終活”が注目を集めており、時代の流れに伴い、『相続』に対する価値観も変化しているように感じます。いつ起こるか分からない『相続』に備え、これからは、年齢を問わず、自分の『相続』は自分で準備するということが当たり前の時代になってくるのかもしれません。
さて、“終活”における活動にはさまざまなことがありますが、その代表的な活動のひとつとされているのが、“エンディングノート”の作成です。
エンディングノートとは
“エンディングノート(ending note)”は直訳すると「終わりのノート」となってしまい、意味がよく分からない言葉になってしまいますが、これは和製英語であり、一般的には“人生の最終章を自分らしく迎えるためのノート”であるといわれています。具体的には、人生の最終章に関する様々な事柄について、ご自身の希望や想いを記入するようになっています。
エンディングノートと遺言の違い
人生の最終章に関する事柄についての大切なテーマのひとつに、ご自身の財産を誰にいくら引き継ぐかということがあります。“エンディングノート”にもこういった記入欄が設けられていることが多いかと思いますが、ここでご注意いただきたいのは、“エンディングノート”にご資産の分け方について記入したとしても、“エンディングノート”は“遺言”と異なり財産処分についての法的な効力は一切ないということです。“遺言”は形式が決められていたり、公正証書で作成すると費用がかかったりするものであるため、なかなか気軽に作成できるものではないのかもしれませんが、やはり大切なご資産のことについては、“遺言”を作成することに意味があるようです。
ただし、“エンディングノート”の財産欄に法的な効力がないからといって、意味がないわけではありません。実際に相続が発生すると、遺されたご家族は金融機関や不動産についての名義変更手続きをしなければならないことになります。その際、どこの金融機関で取引をしていたのかさえ分からないといった事態も起こりえます。核家族化が進行している現在では、ご家族といえども、取引先金融機関がわからないといったことは珍しくないのかもしれません。そういったことも想定し、“エンディングノート”にご資産について記入しておけば、いざというときに、ご家族が困らないで済んだり、また、“遺言”を作成する事前準備として利用するのもひとつの方法であるかと思います。
ご家族のため、ご自身のためのノート
“エンディングノート”を作成する目的は、人それぞれ異なるかと思いますが、主に、2つに集約されそうです。
1つ目は、万が一のときに、ご家族が困らないようにするためのノートであるということです。前述した財産欄についてだけでなく、“エンディングノート”にはご自身の情報や希望を記入する欄がたくさんあります。万が一の場面になった際に必要となるこれらの情報を、ご家族が調べることになっては、大変な負担となることもあります。また、ご自身の希望が明確になっていると、ご家族も行動しやすいこともあるかと思います。
そして2つ目は、ご自身の今までの経験や体験の記入を通じ、これまでの人生を振り返り、同時にこれからの人生を考えるきっかけになるということです。日常生活ではなかなか思い出すことがないようなことも、“エンディングノート”には記入欄として設けてあったりします。こういった項目の記入を通じて、自分らしさの発見あるいは再認識につながることがあるようです。このようにして自分らしさを確認することで、人生の最終章を自分らしく迎えることにつながっていくのではないかと思います。
最後に
“エンディングノート”は大型書店を覗いたり、インターネットで検索してみると、たくさんの種類のものがあることが確認できます。その中から1冊だけを選ぶというのは難しいことかもしれませんが、まずは、気軽に記入できそうなものを入手し、書き進めていくなかでご自身にあったノートを見つけるのもひとつの方法かと思います。
ご自身の思いをご家族に遺す方法にはいろいろとありますが、そのひとつの方法である“エンディングノート”を作成し、世界にたった1冊しかないご自身に関するノートを作成してみてはいかがでしょうか。
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