FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」【第33回】
【第33回】「口座集約」のすすめ
2016年12月20日
FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」では、毎月1回、相続に関連したお役立ち情報から最新の話題までをお伝えしております。第33回目のコラムは、「口座集約」についてのお話です。
家族の負担を減らすためにも「口座集約」を
就職、結婚、出産、住居購入等、数々の人生のイベントを経験するにしたがい、銀行口座も増えていくことが多いと思います。給与入金や生活費のためのメイン口座、貯蓄用の口座、教育費・住居購入積立・自動車購入積立口座、カード・ローン・公共料金等の引き落とし用口座等。しかし時がたつにつれ不要となる銀行口座もあるのではないでしょうか。そのままたくさんの銀行口座を保有したまま相続が発生した場合、のこされた家族には大きな負担となります。
相続が発生すると
相続が発生すると銀行口座は凍結されてしまいます。名義変更や預金の引き出しには、通常、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本と、相続人全員の戸籍謄本が必要となります。銀行口座がたくさんあれば金融機関ごとにすべての戸籍謄本(原本)の提出と返却をくりかえさなければなりませんので大変な負担になります。
また、相続税申告手続きを行った後で新たに銀行口座があることが発覚すると、修正申告が必要となる場合もあります。仮に税務署からの指摘により発覚した場合は過少申告加算税や、延滞税が課されてしまう場合もあります。このように口座が複数あることによるデメリットは多いです。銀行口座は1つか2つくらいにしておくと、のこされたご家族への負担は軽減されます。(ペイオフには注意が必要です。)
証券会社での口座集約のメリット
証券会社口座も相続が発生した場合、名義変更等のためには戸籍謄本の提出が必要となります。こちらも銀行口座同様に集約しておくことで相続手続き負担を減らすことができます。さらに、証券会社の口座の場合、単に有価証券を1つにまとめるだけでなく、1社の「源泉徴収ありの特定口座」に集約させることによって、以下の様な税務メリットをご本人が享受することができます。
- 1上場会社等や公社債の譲渡(償還)の損益通算を、確定申告することなく、口座内で行うことができる。
- 2「上場株式等・公社債等の譲渡(償還)損失」と「上場株式等の配当等・公社債等の利子等」との通算を、確定申告することなく、口座内で自動的に通算することができる。
- 31、2のメリットにより確定申告が不要なため、国民健康保険料や医療費負担率等に影響を及ぼさない。(複数の特定口座間での損益通算によりプラスとなる申告や、前年までの繰越損失と今年の譲渡益を相殺するために申告する場合等は、その金額により国民健康保険料等に影響することがあります。)
なお、証券会社の口座を1社に集約する際の移管の手続きには移管手数料等がかかる場合があります。また、公社債や投資信託は銘柄により移管できないものもありますのでご注意ください。
エンディングノートもご活用ください
いきなり口座を集約するのも大変です。まずは金融機関の口座保有状況を把握するうえでもエンディングノートに記録してみてはいかがでしょうか。エンディングノートに記録しておけば口座の管理もできますし、いざというときご家族が口座保有状況がわかるので相続手続き負担が減ることになります。また、お正月などにご家族が集まった時にエンディングノートのことを話しておくことも大切です。
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