FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」
【第40回】

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(2018年10月26日)

【第40回】民法改正B 遺留分に関する制度が見直されます

FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」では、相続に関連したお役立ち情報から最新の話題までをお伝えいたします。第40回目のコラムは、遺留分制度に関する民法改正についてのお話です。

遺留分制度に関する法律が改正されました

2018年7月6日に成立した「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」により、(1)遺留分減殺請求権から生ずる権利を金銭債権化することとされ、併せて、(2)遺留分の計算上算入される贈与(生前贈与)の範囲についての見直しも行われました。今回のコラムではこれらの遺留分に関する制度の改正についてお伝えします。

遺留分減殺請求権から生ずる権利を金銭債権化することとされます

被相続人が相続人へ承継するための自社株や事業用資産を保有していた場合には、遺留分減殺請求権の行使によって、これらの財産が他の相続人との共有状態となり、事業承継の支障になっているという指摘もありました。そこで、今回、この共有状態の問題を回避するために、金銭による請求のみを認めること(金銭債権化)となります。

☆長男に会社の土地と建物(評価額1億1,000万円)、長女に預金1,000万円を相続させる旨の遺言があった場合に遺留分減殺請求が行われると以下のようになります。

  • (注)2018年7月13日から1年以内の政令で定める日から施行(施行日前にされた遺贈・贈与については適用されません)

遺留分の算定方法の見直しが行われます。

従来は、相続人に対する生前贈与(特別受益にあたるもの)は、遺留分の計算にあたって、原則、期間の期限を設けず、全てを算入することとされていました。しかし、今回の改正で、原則、相続開始前10年以内のものに限り算入するものとされます。

  • (注)当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って行った贈与については、期間制限はありません

☆会社経営者である被相続人が、長男に対して20年前に自社株式(贈与時の評価額5,000万円、相続発生時の評価額2億円)の生前贈与を行っており、今般、相続が発生しました。この場合の遺留分の算定は以下のようになります。なお、相続財産は1億円、相続人は長男と長女の2人とします。

  • 20年前の贈与が「遺留分権利者に損害を加えることを知って行った贈与」には該当しないものと仮定しています。

(改正前)(2億円+1億円)×1/2×1/2=7,500万円
(改正後)1億円×1/2×1/2=2,500万円

  • (注)2018年7月13日から1年以内の政令で定める日から施行(施行日前にされた遺贈・贈与については適用されません)

(遺留分とは)
遺留分制度とは、被相続人が遺贈や生前贈与により、特定の者に財産を遺した場合であっても、一定の相続人には、最低限度の生活を保障するため等の理由により、一定の取り分が認められています。この制度を遺留分といいます。各人の具体的な取り分は下表の通りです。

  • (注)相続人が最低限度もらえる遺留分を侵害されていても、他の相続人に請求しない選択肢も当然にあります。
順位 組み合わせ 各人の遺留分
配偶者 血族相続人

1

配偶者と子

1/4 1/4

子のみ

1/2

2

配偶者と直系尊属 1/3

1/6

直系尊属のみ

1/3

3

配偶者と兄弟姉妹 1/2 なし
兄弟姉妹のみ なし
  • (注)血族相続人が複数いる場合には、頭数で案分します

ご留意事項

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