FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」
【第41回】

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(2018年12月25日)

【第41回】民法改正C被相続人の介護等をしていた「相続人の妻など親族の貢献を考慮するための方策」

FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」では、相続に関連したお役立ち情報から最新の話題までをお伝えいたします。第41回目のコラムは、「相続人以外の親族の貢献を考慮するための方策」についてのお話です。

「相続人以外の親族の貢献を考慮するための方策」が創設されました

2018年7月6日に成立した「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」により、「相続人以外の親族の貢献を考慮するための方策(特別の寄与) 」として、一定の要件のもとで、相続人に対して金銭の請求をすることができる制度が創設されました。今回のコラムでは制度の内容についてお伝えします。

被相続人の介護等をしていた相続人の妻も金銭の請求が可能に

被相続人の療養看護や事業の手伝い等をしていた相続人がいる場合、遺産分割の際に、法定相続分により取得する額を超える額の遺産を取得する権利があります。しかし、療養看護等をしていたのが相続人以外の親族であった場合、遺産分割協議に参加することはできず、相続人に対して金銭の請求をすることもできませんでした。

今回の改正により、相続人以外の親族が被相続人の療養看護等を無償で行っていた場合には、一定の要件のもとで、相続人に対して金銭の請求をすることができます。
(注)2019年7月1日から施行

以下のイメージ図をご覧ください。例えば、同居の長男夫妻が父の介護をしていたが、長男が不慮の事故で先に他界した後も亡長男の妻が一人で父(義父)の介護をつづけていたとします。この家族構成の場合、父の相続が発生したときの相続人は長女と次男の2人です。長女と次男は父の介護をしていなくても、父が遺言により亡長男の妻に遺贈しない限り、亡長男の妻はその介護の貢献に相当する金銭を取得することができませんでした。このようなケースでも、改正後は亡長男の妻が長女と次男に対して、その貢献に相当する金銭の請求をすることが可能になります。

親族間では話しにくいことも、被相続人になる方が遺言で遺してみては

上記のケースにおいて、今回の改正により、「貢献に相当する金銭の請求をすることが可能」となりますが、亡長男の妻の立場では「長女や次男には言いづらい」「金額はどこまで請求したらいいか分からない」という悩みや、長女や次男としては「無償で父の介護をしてくれたのは感謝をしているものの、どのくらいの金額を渡せばいいのか」という悩みが出てくるかもしれません。

被相続人の立場になる方は、ご自身の財産をめぐって、親族が不公平感や悩みを持つことがないよう遺したいと考えていると思います。そのような方は、介護等で貢献してくれた親族も含め、遺言で財産を遺すことを検討してみてはいかがでしょうか。
なお、遺言を作成するのは面倒、できるだけ手間をかけたくないという方には、遺言書作成の相談から、遺言書の保管、そして、遺言の執行まで相続に関する手続きをしてくれる「遺言信託」を利用する方法もあります。

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