米国株のおすすめ銘柄とその選び方 優良株の見極め方を解説

米国株の基本的な特徴、選ぶ際に注目すべきポイント、SMBC日興証券が注目する銘柄を分かりやすく解説します。
この記事を読むことで、米国株の魅力、数ある米国株の中からどのような観点で銘柄を選んだらよいのか、その判断基準についての理解が深まるでしょう。
米国株を買う時、どんな銘柄を選んだらいい?
まずは米国株の2つの特徴を解説し、それらを踏まえたうえで選び方のポイントをご紹介します。
- 高い成長性
- 連続増配企業に注目
そもそも米国株はどんな特徴があるのでしょうか
そもそも米国株とは、主に米国の証券取引所(ニューヨーク証券取引所(NYSE)、ナスダック(NASDAQ))で取引されている株式のことを指します。
アップルやコカ・コーラ、ウォルト・ディズニー、ジョンソン・エンド・ジョンソンなど、グローバルに展開し、日本人にも身近で馴染み深い企業が数多くあります。
それではさっそく、米国株の特徴を確認してみましょう。
特徴①高い成長性
米国の名目GDPとS&P500のEPS(1970〜2024年、年間)

米国株の特徴として、成長性の高さが挙げられます。S&P500構成企業のEPSは長期的に増加しています。
アメリカの名目GDP(国内総生産)が長期にわたり拡大基調にある中、S&P500構成企業のEPS(1株当たり利益)も長期的に増加しています。1970から2024年までの54年間におけるEPSの年平均成長率は約7.21%であり、前年比マイナスとなったのはその期間中16回でした。EPSの成長率が高いほど、企業の成長性や収益性が高く、株価にもよい影響を与えると考えられます。
EPSとは「Earnings Per Share」の略で、1株あたりの利益を指します。当期純利益を発行済株式数で割って算出されるものです。この指標は企業の収益性を評価する際に非常に重要です。EPSが安定的に成長している企業は、健全な経営を行っていることを示し、投資家にとって信頼性の高い投資対象となります。ただし、自社株買いなどによって利益が増えなくても市場での発行済株数が減少することで、EPSが変動することがあります。そのため単独で判断せず、他の指標などと併用して総合的に企業収益性を評価する必要があります。
S&P500とEPSの推移

EPSは企業の収益性を示す重要な指標であり、株価と密接に関係しています。高いEPSは一般的に高い株価をもたらすことが多く、上記の表からも、EPSの上昇に伴い株価(S&P500指数)も上昇していることが確認できます。市場の期待やその他の経済状況も考慮する必要がありますが、投資家はEPSを用いて企業の収益力を評価し、投資判断の重要な材料とすることができます。
日米株式のパフォーマンス(月次)

出所:BloombergよりSMBC日興証券作成
上の図は、2014年から2025年におけるTOPIX(日本株)、S&P500(米国株)、およびS&P500(円建て)の比較チャートです。ご覧の通り、2025年3月末の株価(2014年1月末比)では、S&P500が約3.1倍(円建てでは約4.6倍)、TOPIXは約2.2倍と大きな差があります。配当込みの場合は、S&P500が約3.9倍(円建てでは約5.7倍)、TOPIXは約2.8倍となり、米国株のパフォーマンスは日本株を大きく上回っています。
このことから、ポートフォリオに米国株を一部組み入れることは、資産価値の拡大に有効であったことが分かります。
特徴②連続増配企業に注目
25年以上連続増配中の主な銘柄

出所:Bloomberg、S&P Dow Jones Indices、会社発表資料よりSMBC日興証券作成
2つ目の特徴である連続増配企業について見てみましょう。
連続増配企業とは、毎年継続して配当金を増やし続けている企業のことを指します。特に米国市場には、長期間にわたり連続して配当を増やしている企業が多く存在します。これらの企業は収益性が高く、安定した経営を行っていることが多いため、長期投資に適しているとされています。
連続増配企業の代表格であるジョンソン・エンド・ジョンソンは2024年12月時点で62年連続で増配を続けています。
2000年代後半の金融危機後には、S&P500構成企業の中にも減配を行う企業がありましたが、ジョンソン・エンド・ジョンソンは増配を継続しました。このような企業は、長期で保有し続けることで配当を含めた累積リターンを高めることが可能です。
無配から配当開始へ:マグニフィセント7のEPSと配当動向

- 注1:データは日本時間2024年12月26日時点。EPSは全て希薄化後、NVDAとTSLAは希薄化後かつ調整後ベース。5年間株価騰落率は2019年12月24日〜2024年12月24日
- 注2:1株当たり四半期配当は、直近は2024年12月24日、5年前は2019年12月24日時点でそれぞれ支払い済の直近額
- 注3:期末決算の発表を以て年度が切り替わる扱いとする(例:AAPLの前期=2024年9月期、5期前=2020年9月期、AMZNの前期=2023年12月期、5期前=2019年12月期)
近年、急成長した企業も配当金を支払い始めてます。表にある「マグニフィセント7」のうち、2024年にアルファベットとメタ・プラットフォームズが配当支払いを開始し、5社が配当を行う企業となりました。(2024年12月26日時点)
これらの企業は今後も利益成長が見込まれており、安定した配当支払いと増配が期待されます。
「おすすめ銘柄」を見つけるための2つの観点

米国株の基本的な特徴を踏まえたうえで、ここでは銘柄選定の代表的な以下2つのポイントについて解説します。
- 成長が見込まれている企業・業界を狙う
- 連続増配企業を狙う
成長が見込まれている企業・業界を狙う
株式は個別企業の状況だけでなく、世界情勢や各国の経済状況などの外的要因にも大きく影響を受けます。つまり、今後の成長が見込まれる業界に属する企業は成長する可能性が高くなります。
そして、そのような業界に属する企業のEPS(1株当たり利益)の推移を分析することで、個別銘柄の選定がしやすくなります。その他にも、成長性を測る指標として売上高増加率や経常利益増加率、収益を測る指標としてROEや売上高営業利益率などあり、併せて確認していただくと、さらに個別企業の収益力や成長性を評価することができます。
なお、日興イージートレードの「USナビ」を利用いただくと、上記を含む複数の条件でスクリーニングすることが可能です。「USナビ」では基本条件設定メニューより検索条件を選択して、検索値を設定することや銘柄検索に役立つ基本的な検索条件のパターンである「おすすめスクリーナー」が表示されます。お客さまが設定した検索条件も最大4つまで保存もできます。
連続増配企業を狙う
特徴の項目で述べたように、米国株には連続増配している企業が多く存在します。
インカムゲインは定期的且つ安定的に利益が期待されます。キャピタルゲインに比較し、銘柄選定や売買タイミングに時間を消費しない、というメリットもあります。
インカムゲインを狙うには、配当性向をはじめ、過去の増配記録や、配当利回り、EPSといった指標を参考にしましょう。オンライントレード(日興イージートレード)の「USナビ」活用することで、好配当銘柄を絞りこむことができます。
なお、いくら配当性向、配当利回りが高くても、株価が下落を続けていたり、翌年以降無配になってしまう銘柄では意味がありませんのでご注意ください。
SMBC日興証券が注目する銘柄
米国株ストラテジー・セレクション
当社では、米国株式市場において中長期的に有望と考えられる銘柄を発掘し、「米国ストラテジー・セレクション」として選定しています。
米国市場に上場しているETF
ETF(Exchange Traded Fund)とは、上場投資信託のことを指し、市場全体の動きを示す指数等に連動することを目標に運用される投資信託です。少額の資金で分散投資が可能、通常のアクティブファンドに比べ信託報酬が安いといったメリットがあります。
自分で優良株を見つけるための情報収集のコツ
株式は企業の業績はもちろん、社会情勢や経済動向から影響を受けるため、優良株を見つけるには米国を中心とした経済の流れ、トレンドを掴むことが必要となります。
昨今の社会的なトレンドは、アフターコロナ銘柄として旅行・レジャー関連株や「AI」やChat GPTを代表とした「生成AI」などの拡大で需要が増している半導体関連銘柄、または景気後退が意識されると景気の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄が注目されるなどが考えられます。
常に情報感度を高めておくことで投資のヒントが得られるでしょう。
こうした情報を集める1つの方法として、定期的に発行される当社の米国株式投資情報レポートを読むという方法があります。
日々の米国株式市場の場況や個別銘柄のニュース、米国株式市場の当面の見通しや投資戦略、注目セクターや銘柄情報など、日次・週次・月次や随時レポートを発行しています。
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