FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」
【第13回】

日興で相続対策

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(2015年4月23日)

【第13回】不動産の登記を放置していませんか?!

FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」では、毎月1回、相続に関連したお役立ち情報から最新の話題までをお伝えしております。第13回目のコラムは、登記を放置している不動産がある場合の影響についてのお話です。

不動産を相続により取得した場合

不動産を取得した場合、通常はその不動産に対する自身の権利を保全するために登記(いわゆる名義変更)することになりますが、『相続』により不動産を取得した場合には、自身の名義に登記していないことが少なくありません。登記は、相続税の申告・納税と異なりいつまでに済ませなければいけないという期限はありませんし、そもそも義務でもありませんので、手続きを行う手間や費用を考えると、ついつい後回しにしてしまう方が多いのではないかと思います。固定資産税がきちんと納付されていれば、役所も登記をせかさないのが現状です。

登記していなかった場合の影響

相続により取得した不動産が未登記であっても差し当たり支障はありませんが、第三者への対抗という点ではそうではありません。遺言があり、その遺言が「○○不動産を○○に相続させる」という内容であれば、その相続人は登記がなくても第三者へ対抗できますが、それ以外の場合には登記していないと対抗できないことがあります。第三者が権利主張してくることは全くないとは言いきれませんので、万一のことを考えると、登記を放置しておくことは望ましくありません。

また、当該不動産を何かしらの理由で売却することになった際にも、売却前に相続登記が必要になります。その後、相続人から買主への所有権移転登記となります。

不動産の登記手続き

登記の際に必要となる書類は、当該不動産を遺言により取得した場合と、遺産分割協議により取得することとなった場合で下記のとおり異なります。

「相続させる遺言」により取得した場合

  • 遺言書(公正証書以外の場合には検認済み証明書付きのもの)
  • 被相続人が死亡した事実が分かる被相続人の戸籍(または除籍)謄本
  • 相続人であることが分かる戸籍謄本
  • 不動産を取得する相続人の住民票
  • その他の書類が必要となる場合もあります。

遺産分割協議により取得した場合

  • 遺産分割協議書(実印が押印されているもの)
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍(また除籍)謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 不動産を取得する相続人の住民票
  • その他の書類が必要となる場合もあります。

遺言があり、その遺言が「相続させる」内容であれば、他の相続人を巻き込まずに登記申請できますが、遺言が「遺贈する」内容だと遺言執行者(いない場合は相続人全員)と双方で申請しなければなりません。

遺言書がない場合には、遺産分割協議を行うことになりますが、登記のためにそれなりの手間がかかることになります。まずは遺産分割協議書を作成し、各相続人から署名捺印してもらうことから始めなければなりません。このとき、相続時から時間が経過してしまっていると、相続人にも相続が発生していることも考えられます。そうなると、亡くなられた相続人の相続人たちから署名捺印してもらわなければなりません。複数の不動産を所有されている場合や複数の相続人がいる場合にはその手間も相当なものになってきます。

登記しないまま財産を遺すことになった場合

登記をしないまま、ご自身に相続が起こると、上記のことをお子様方が行わなければならないことになります。つまり、先延ばししていた不動産登記の手間や費用はご家族に降りかかることになってしまうのです。お子様方からみれば、祖父母世代の相続までさかのぼらなければならないことになるうえ、遺産分割協議の内容自体も世代が変わると曖昧になってしまっていることも考えられます。(ただし、不動産を登記していない場合でも20年間占有し続けた場合には、時効により取得が認められる場合があります。)

お子様方に未登記の不動産を遺すことは、大きな負担を遺すことにつながります。相続により不動産を取得した場合に、速やかに登記をすることは、財産を取得し、子々孫々に遺す方の責務といえるのではないでしょうか。お子様方が困らないためにも、未登記の不動産をお持ちでしたら、今すぐにでも登記されることをおすすめします。

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