FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」
【第19回】

日興で相続対策

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(2015年10月22日)

【第19回】生命保険とは別枠で相続税非課税枠が適用可能!?

FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」では、毎月1回、相続に関連したお役立ち情報から最新の話題までをお伝えしております。第19回目のコラムは、相続税対策のお話です。

死亡保険金(生命保険等)は、一定額まで相続税が非課税

本年1月より相続税が改正され増税になったことから、相続税対策として生命保険を活用される方が増えています。生命保険の死亡保険金は、残された遺族の生活保障という面もあるため、相続人が受け取った場合、一定額までは非課税財産として相続税の課税価格に算入する必要がありません。

非課税金額は、『500万円×法定相続人の数』の算式で計算した金額になります。法定相続人が3人のお子様の場合、1,500万円(500万円×3人)が非課税金額になります。

死亡保険金と同じように非課税金額が認められている死亡退職金

生命保険を活用した相続税対策は、一般的にかなり浸透してきていると思われますが、死亡保険金の非課税金額とは別に、同様の算式で計算した金額まで非課税となる『死亡退職金』については、まだ、ご存知でない方が多いように思われます。

『死亡退職金』とは、被相続人の死亡により支給された退職手当金や功労金等、一定の要件を満たしたもので、死亡保険金と同じように『500万円×法定相続人の数』の算式で計算した金額を非課税金額とすることができます。法定相続人(3人のお子様)が、死亡保険金と死亡退職金を非課税枠分受け取った場合、合計で3,000万円(死亡保険金1,500万円+死亡退職金1,500万円)が非課税金額になります。

個人事業主や賃貸アパート経営者も比較的簡単に死亡退職金の準備が可能

死亡退職金と聞くと、亡くなるまで会社に属していないと対象にならないイメージがありますが、個人事業主や事業的規模で賃貸アパートを所有(貸家5棟もしくは貸部屋10室以上)して賃貸収入を得ているような個人の方でも一定の要件を満たしていれば死亡退職金の準備が可能です。個人事業主の方等がよく利用されるものに『小規模企業共済』というものがあります。

小規模企業共済は、国が全額出資している中小企業基盤整備機構が運営している事業主のための退職金制度で、都銀・地銀・信金等の金融機関の窓口で加入することができます。

主な特徴としては、一定の要件を満たせば掛け金の全額を所得控除の対象にできますので、不動産所得等に対する所得税・住民税を軽減する効果があります。また、共済金を死亡退職金として相続人が受け取れば、前項の非課税金額が適用されます。掛金は、月払(1,000円〜7万円)、半年払や年払も可能です。年末12月に加入して年払掛金84万円(上限額)を一括して払い込むことも可能で、この場合でも全額が所得控除の対象となります。また、毎年掛金を変更することもできます。単純に10年間満額掛けた場合、死亡退職金として約903万円受け取ることができます。

死亡退職金を活用した場合の相続税軽減効果

法定相続人(3人のお子様)、相続財産2億円、法定相続分通りに3分割する場合、何も対策を講じていないと概算相続税額は約2,459万円ですが、死亡保険金の非課税枠(1,500万円)を活用した場合の概算相続税額は約2,139万円になります。さらに死亡退職金の非課税枠(1,500万円)を活用した場合の概算相続税額は約1,839万円になります。死亡保険金だけでは軽減額は320万円ですが、死亡退職金が加わると軽減額は約2倍の620万円になります。

今回ご紹介した小規模企業共済の活用は、時間を掛けて掛金を積み上げていく必要はありますが、軽減効果は前述の通りです。個人事業主や賃貸アパート経営者の方等は、生命保険の活用に加えて死亡退職金を活用した相続税対策についても早めに計画的に検討してみてはいかがでしょうか。

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