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FXを外国株取引の為替ヘッジに活用できる?米国株式を例に解説

FXを外国株取引の為替ヘッジに活用できる?

為替差益とスワップポイント狙いで利用されることが多いFXは、為替変動による損益を回避するための為替ヘッジにも活用できます。
この記事では、為替ヘッジの仕組みと為替ヘッジが有効な商品、為替ヘッジを行う際の注意点を解説します。

これからはじめたい人の日興FX

為替ヘッジとは、為替の変動による資産価値の変化を回避すること

為替ヘッジとは、為替取引等を利用して、円高や円安などの為替変動による資産価値の損失を回避することです。
外国株式をはじめとする外貨建ての金融資産は、為替変動による損失が値上がり益や配当益を上回ってしまうかもしれないリスクがあります。このリスクを回避する手段のひとつが、FXによる為替ヘッジです。

為替ヘッジの説明図

株価は上がっているのに、資産価値は上がらないのはなぜ?

外貨建て資産を持つ上で、為替の変動による資産価値の変化はとても厄介なものです。

たとえば、USD/JPY130円のときに、1株100米ドルの米国株を100株購入したとしましょう。この時点で、株式の米ドルでの資産価値は100米ドル×100株=1万米ドル、日本円での資産価値は130円×1万米ドル=130万円です。
1年後に、株価は1株120米ドルにまで上がり、この時点で米ドルでの資産価値は120米ドル×100株=1万2,000米ドルに増えました。しかし、この半年の間に為替相場が動いてUSD/JPY100円になると、円ベースでの資産価値は100円×1万2,000米ドル=120万円となります。株価は25%も上がったのに、為替相場の変動による損失が株の値上がり益を上回り、円ベースで見た資産価値は購入時より10万円も低くなってしまうのです。

外国株式を購入し、狙い通りに株価は上がったのに、せっかくの利益が為替変動によって消えてしまうかもしれないのでは、安心して取り引きできません。そのため、FXなどの為替取引を利用して、為替ヘッジを行うことが必要になるのです。

為替ヘッジの仕組み

では、どのようにFXを使えば、為替の変動による資産価値の変化を回避できるのでしょうか。為替ヘッジの仕組みについて、米国株式を購入する場合を例に説明しましょう。

たとえば、値上がりが期待できる米国株式があり、USD/JPY130円で、1株=100米ドルの株式を100株購入するとします。このとき、購入の際にかかる費用は、130円×100米ドル×100株=130万円です。
1年後、狙いどおり株価は1株=120米ドルに値上がりしたとすると、1年後も米ドル円相場がUSD/JPY130円のままなら、円ベースでの資産価値は130円×120米ドル×100株=156万円となります。
この場合、購入費130万円との差し引きで26万円の利益が確保できる計算になります。

しかし実際には、1年後も為替相場が同じということはほとんどありません。為替相場の変化によって、円ベースでの資産価値と利益は大きく変わってきます。

為替相場による購入金額との損益の説明図

円高になるとその分利益は減少します。今回の場合は、為替相場がおおよそUSD/JPY109円よりも円高だと、為替変動による損失が株の値上がり益を上回ってしまう計算になります。

このケースで為替ヘッジを行うには、USD/JPY130円のときに100株の株式を購入すると同時に、FXで株式の購入額と同額の130万円分にあたる1万米ドルの売りポジションを建てておきます。このポジションを保持しておき、1年後に、1株120米ドルに値上がって株式を売却するタイミングで決済します。
そうすると、株式とFXそれぞれの決済損益は以下のようになります。

為替ヘッジを行った場合の購入金額との損益の説明図

つまり、FXで「米ドル売り円買い」の取引を行うことで為替変動による影響が打ち消され、株価が上昇したケースにおいては、為替がどう動いても利益を確保することが可能となるのです。

FXによる為替ヘッジが有効な商品

FXによる為替ヘッジは、外国株式や外貨建て投資信託など海外の金融商品を購入する際に有効です。
なお、株式購入分の金額と同額分の為替ヘッジを行う例と同様、半額分だけ為替ヘッジを行うといったことも可能です。その場合は、円高に振れた際に損失を軽減する効果は小さくなりますが、円安に振れた際はより利益を得ることができます。

FXで為替ヘッジを行う際の注意点

FXによる為替ヘッジは、安定した利益を求める投資家にとって損失を少なくするための手段のひとつですが、利用する上では注意点もあります。ここでは、特に気をつけたい4つの注意点について説明します。

スワップポイントがマイナスになる場合がある

FXはポジションを保持している間は、毎日スワップポイントが発生しますが、このスワップポイントがマイナスになる場合があるため注意が必要です。
スワップポイントは取り引きする通貨間の金利差で決まり、低金利通貨で高金利通貨を購入するポジションではプラスになりますが、高金利通貨を売って低金利通貨で買い戻すポジションの場合はマイナスとなり、逆に支払うことになります。為替ヘッジのために、米ドルを売って円で買い戻すと、スワップポイントの支払いが発生します。

たとえば、2023年7月11日現在、USD/JPY1万通貨の米ドルを売って円で買い戻す場合のスワップポイントは、1日あたりマイナス223円です。FXによる為替ヘッジを行う場合は、このスワップポイントによる支払い分も考慮する必要があります。

スワップポイントについて詳しくは下記の記事をご参照ください。

スワップポイントとは|概念とFX取引で知っておくべきポイントを解説

追加証拠金が必要になったり、ロスカットが行われたりする可能性がある

FXで為替ヘッジを行う際には、追加証拠金が必要になったりロスカットが行われたりする可能性がある点にも注意しましょう。
FXでポジションを維持するには、証拠金として、保有通貨量相当額の25分の1以上の金額を口座に入れておかなければいけません。FXでは最大で25倍のレバレッジをかけた取引が可能ですが、高レバレッジで取り引きしていると、少しの為替変動で取引金額が大きく変動します。日興FXでは多くのFXサービス提供業者同様に、為替変動によって証拠金が保有通貨量相当額の25分の1(証拠金維持率100%)を下回ると追加証拠金が必要になり、50分の1(証拠金維持率50%)を下回るとポジションを強制的に決済するロスカットが行われます。そのため、レバレッジを抑えて取り引きするのがおすすめです。
たとえば、USD/JPY130円でUSD/JPY1万通貨の米ドル売りポジションを建てた場合、レバレッジ別の追証、ロスカットが発生する為替相場のラインは下記のようになります。

■レバレッジ別の追証とロスカットが発生する為替相場(USD/JPY)のライン

レバレッジ 3倍 5倍 10倍 20倍
入金した証拠金額 43万円 26万円 13万円 6.5万円
追証発生 167.8円 150.8円 137.8円 131.3円
ロスカット発生 170.4円 153.4円 140.4円 133.9円

円安に動いた際の利益は小さくなる

FXで為替ヘッジを行う場合、円安に動いた際の利益は小さくなる点にも注意が必要です。
円安に動いた際の為替ヘッジは、外貨建て資産の円評価額が為替変動の影響を受けることを回避したり軽減したりするものです。為替ヘッジを行うと、マイナスの影響である為替による損失は小さくなりますが、同時にプラスの影響である為替による利益も小さくなります。

ここでは先述した「為替ヘッジの仕組み」の見出しの中で挙げた、USD/JPY130円で1株=100米ドルの株式を100株購入し、1年後に株価が1株=120米ドルに上がったところで売却する例を見てみましょう。
1年後、為替相場がUSD/JPY150円になっていれば、為替ヘッジを行わない場合の円ベースでの売却価格は150円×120米ドル×100株=180万円となります。このとき、購入金額の130万円を差し引いた最終的な利益は50万円です。
為替ヘッジを行っていた場合は、FXの決済損益分の20万円と通算するため、最終的な利益は50万円から20万円を差し引いた30万円となります。

リスクをとっても円安で大きな利益を狙った方がいいと考えるなら、あえて為替ヘッジをせずに外国株式を購入する方法を選ぶことも可能です。

FXでの利益は課税対象になる

FXの利益は課税対象となるのも注意点のひとつです。為替差損益とスワップポイントを合計した総収入金額から必要経費を引いた金額が、先物取引に係る雑所得等の扱いになります。先物取引に係る雑所得等にかかる税率は、法令によって一律20.315%と定められています。この内訳は、所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%です。そのため、FXで為替ヘッジを行うには、税金分も計算に入れる必要があります。
なお、FXによる所得は、ほかの所得とは分離して税額を計算する申告分離課税になっています。つまり、ヘッジをしても実質は80%程度しかカバーができないこととなります。また、給与所得等との通算ができない点と、株式や投資信託との損益通算もできない点に注意しましょう。

■各所得の税法上の区分と損益通算できる範囲

税法上の区分 損益通算できる範囲
株式や投資信託の譲渡損益、配当 譲渡所得、配当所得 申告分離課税扱い。国内や外国上場株式の売却損益、国内や海外上場ETFの売却損益、公募株式投信の売却損益、特定公募債の売却損益などは損益通算が可能(配当所得は総合課税とすることも可能ですが損益通算は不可)。FXとの損益通算は不可。
FX 先物取引に係る雑所得等 申告分離課税扱い。ほかのFX口座での取引の損益、商品先物取引の損益、オプション取引の損益は、同じ「先物取引」にあたるので損益通算が可能。株式や投資信託の売却損益とは、損益通算できない。

FXに課せられる税金について詳しくは下記の記事をご参照ください。

FXの税金

日興FXでのメリット

外国株式の取引は、日本にはない魅力的な銘柄に投資できる、大きな利益が狙えるといったメリットがあります。一方で、為替変動リスクがあるほか、国内株式に比べて情報収集の難易度は高く、手数料などの取引コストが割高になりがちです。そのため外国株式取引では、証券会社選びが大切です。

そんな中、SMBC日興証券は2023年2月27日から米国株のネット売買サービスを開始しました。大手証券で初めて、日本時間の夜間や休日、祝日のリアルタイム取引に対応し、業界最低水準の手数料で約2,200銘柄の売買が可能になりました。大手総合証券ならではの安心感とサポート体制、情報提供体制も整っており、米国株取引をしたい人にはぴったりといえます。

日興イージートレード米国株式の詳細についてはこちらをご確認ください。

日興イージートレード米国株式│米国株式

SMBC日興証券が提供する日興FXは、100通貨単位からはじめることができる、小さくはじめて、実際に取り引きしながら慣れていきたい方にぴったりのFXサービスです。たとえば、USD/JPY124.76円から149.75円の場合、証拠金は500円台から取り引きできます。28通貨ペアの豊富な選択肢があり、スワップポイントを多くもらえるペアもそろっているので、いろいろと試してみることも可能です。
日興FXは使いやすいシンプルなウェブベースの取引ツールであるため、FX取引に不慣れな方でも手軽に利用できるFXサービスです。コールセンターやチャット、メールなどを通じたサポート体制も整っています。大手総合証券会社が提供するサービスならではの安心感で、ストレスなくお使いいただけます。

これからはじめたい人の日興FX

FXと外国株取引をうまく組み合わせて、為替変動リスクを軽減しよう

外国株取引で、円ベースの資産価値が為替相場の変動の影響を受けるリスクは、FXで該当する外貨と円の通貨ペアを選び、外貨売りのポジションを持つことで回避・軽減できます。外国株取引を行う際は、FXを使った為替ヘッジをうまく活用しましょう。

<監修>
志摩力男(しま・りきお)

志摩力男(しま・りきお)の画像

慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダー、その後香港にてマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現在も現役トレーダーとして活躍。市場参加者の動向やヘッジファンドの動き、外資系トレーダーなどの動きは、メルマガ「志摩力男のグローバルFXトレード!」で詳しく配信中。

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