信用取引で「下落を味方に」〜現物×空売りでリスクヘッジする賢い方法〜

株式市場は常に変動しているため、保有株が短期的に下落する可能性もゼロではありません。思い入れのある銘柄だからこそ「売りたいわけじゃない、でも下落リスクは避けたい」と感じる方は多いのではないでしょうか。しかし、こうした悩みに対して、信用取引を活用したヘッジ手法が心強い味方となります。

「現物株」と「信用売り」天秤の図

下落を味方に!下落時に対応できる手法を知ろう!

株価が下落する局面において、現物株式を保有している場合、「売りたいわけじゃない、でも下落リスクは避けたい」という思いに対し、どのような行動をとればいいか迷うことがあると思います。

そのようなときは、信用取引の空売り(以下「空売り」)を活用すれば、逆風の投資環境下でも利益を得ることが可能です。空売りは、証券会社から株式を借りて売り建て、決済期日までに買い戻して株式を返却し、その差額で利益を狙う取引です。
しかし、単純な空売りには、理論上「青天井」と呼ばれるリスク、すなわち株価が無限に上昇する可能性が伴うため、初心者にはハードルが高いと言える取引手法です。

ここで紹介したい取引手法が、現物株式と空売りを組み合わせることで、リスクを限定しつつ株価の下落に備えることができるつなぎ売りと呼ばれる手法です。

つなぎ売りとは?

つなぎ売りとは、保有している銘柄の株価の下落が予想される場合に、保有している現物を売らずに、空売りをすることによって値下がりのリスクを回避しようとする手法のことです。空売り後に株価が予想通り値下がりすれば、その後で買い戻すことによって、差額分の利益を得ることができ、現物の値下がりによる評価損をカバーできるわけです。一方、空売り後に株価が値上がりしてしまった場合には、保有している現物株を引き渡すことによって損失の発生を防ぐことができます(現渡し)。

つなぎ売りは近年、株主優待を株価下落による損失リスクを抑えて受け取る方法として人気を集めています。たしかに、保有している現物株と同銘柄を同株数空売りすることで、つなぎ売りによるリスクヘッジの効果が期待できますが、対象が信用取引で売り建てできる銘柄に限られる上、売買委託手数料等のコスト負担や、特に制度信用取引を利用した場合、逆日歩が発生して損失が出る可能性もある等、リスクがないわけではありません。

つなぎ売りは本来、現物株式を保有しながら、同じ銘柄を信用取引で売り建てる投資手法です。本記事においては、リスクヘッジや一時的な価格変動への対応策としてご紹介いたします。

つなぎ売りの図つなぎ売りの図
  • 売買手数料や諸経費は考慮しておりません。

こんな方におすすめ

信用取引を活用したつなぎ売りは、保有株の短期的な価格下落リスクを回避したい方におすすめの手法です。例えば、長期的には株価の上昇を期待しているものの、決算発表やイベント前後など一時的な株価下落が懸念される場合に有効です。

つなぎ売りの実践ポイント

  1. 1現物株を保有したまま、同銘柄を空売りする
  2. 2株価下落時には空売りの利益が現物株の損失をカバー
  3. 3一定期間後に空売りを買い戻すことでポジションを整理

注意点とコスト

信用取引には貸株料や逆日歩などの追加コストが発生しますので、事前に取引内容やコストをしっかり確認しましょう。また、優待クロス(株主優待を狙って、現物株の買いと信用取引の売りを同じ銘柄・同じ株数・ほぼ同値で同時に行う取引)は多くのお客さまが利用されていますが、ご留意いただきたい点がありますので、以下でご案内しています。

  • 逆日歩の発生リスク: 制度信用取引を利用したつなぎ売りでは、売りたい投資家が多すぎて証券会社が株を調達できなくなった場合、「逆日歩(ぎゃくひぶ)」という追加コストが発生することがあります。この逆日歩は、取引時には金額が分からず、高額になる可能性もあり、想定外の損失につながるリスクがあります。
    一方、一般信用取引を利用したつなぎ売りでは、逆日歩が発生しないため、コストの見通しが立てやすいメリットがあります。つなぎ売りを行う際は、制度信用と一般信用の違いを理解し、自身の投資スタイルやコスト許容度に合わせて選択することが大切です。
  • 不公正取引(株価操作)のリスク: クロス取引(同一市場において同一銘柄の売注文と買注文を同一時刻、同一価格で約定させる取引形態)は、「他の投資家を誤解させることを目的とした、実質的に権利の移転を伴わない有価証券の売買(=仮装売買)」とみなされるおそれがあります。発注の結果、当社が不公正取引上の問題があると判断した場合は、お客さまに対し、注意喚起および以後の取引の停止等をお願いする場合があります。詳しくはこちらをご参照ください。
  • 配当金に関する複雑さ: つなぎ売りを行っても現物株主として配当金は受け取れますが、信用売り方としては同額の「配当落調整金」を支払う義務が発生します。結果的に配当金分は相殺されるため、この点について十分に理解する必要があります。

まとめ

信用取引のつなぎ売りは、株価の一時的な下落リスクを回避しつつ、保有株を維持したい投資家に有効なヘッジ手法です。決算発表前やイベント直前など、価格変動が予想される場面で活用すると効果的ですが、制度信用では逆日歩がかかる可能性などコストにも注意が必要です。リスクとコストを十分に理解し、自分の投資スタイルに合わせて計画的に活用しましょう。

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